近年、eスポーツ（エレクトロニック・スポーツ）が世界中で急速に普及しています。
日本でもプロリーグが設立され、大手企業がスポンサーとして参入するなど、その認知度と存在感は大きく成長しています。eスポーツは単なる「ゲームの競技化」にとどまらず、さまざまな分野で大きなメリットをもたらしています。今回のコラムでは、社会的および個人的な観点からeスポーツのメリットをご紹介します。
目次
eスポーツの社会的メリット
新たな産業の創出
eスポーツは新しい産業として多くの雇用を生み出しています。
プロゲーマーだけでなく、イベントの運営スタッフ、ゲーム解説者、チームマネージャー、そして配信プラットフォームの運営者など、多岐にわたる職種があります。
また、eスポーツ関連の商品やサービスの需要が高まることで、周辺産業への波及効果も期待されています。
さらに、都市開発の観点でも注目されています。eスポーツ専用のアリーナやイベントホールの建設が進み、それらの施設が地域経済を活性化させる一因となっています。
これにより、地域の雇用促進や観光客誘致にも貢献しています。
グローバルなコミュニケーションの促進
eスポーツは国境を越えた交流を可能にするプラットフォームとしての役割も果たしています。オンライン環境を通じて世界中のプレイヤーが繋がり、共通の目標に向かって協力することで、異文化理解や国際的な友情が生まれます。
特に若い世代において、英語などの国際言語を使ってコミュニケーションを取る機会が増えることは、教育的な観点からも有益といえるでしょう。
教育との融合
eスポーツは教育分野にも進出しています。
一部の学校では、eスポーツを正式な部活動や授業科目として採用しています。
これにより生徒たちはチームワーク、戦略的思考、問題解決能力を磨く機会を得ることができます。また、eスポーツ関連の学問分野（ゲームデザイン、データ分析、心理学など）を学ぶ学生が増え、将来的に新しいキャリアの可能性を広げています。
eスポーツの個人的なメリット
認知スキルの向上
eスポーツをプレイすることで、反射神経、空間認識能力、判断力などの認知スキルが向上するといわれています。特に、リアルタイムで状況を判断し、適切な行動を選択する能力は、多くの職業や日常生活においても役立ちます。例えば、FPS（ファーストパーソンシューティング）ゲームをプレイすることで、視覚的な情報処理能力が向上するといわれています。
運動系スポーツのように身体を鍛えることはできませんが、その分、大きなケガの心配もありません。
ストレス解消と精神的な健康
eスポーツはストレス解消の手段としても注目されています。
集中してゲームをプレイすることが、日常のストレスからの一時的な解放をもたらすと考えられています。また、達成感や成功体験を得ることで、自己肯定感の向上にもつながります。さらに、eスポーツを通じて仲間と交流することで、孤独感の軽減や社会的なつながりを感じる機会も増えます。
普段、人とコミュニケーションを取ることが苦手な人でも、オンラインでのチャットやボイスチャットでのやりとりは嫌いじゃないという方も、少なくないのではないでしょうか。
色んな人へ新しい可能性
eスポーツは身体的な制約を超えて参加できる競技であるため、運動神経に自信のない方や障がいのある方、高齢者にとっても新しい可能性があります。特に、身体的な負担が少ない点は、従来のスポーツに比べて参加のハードルが低く、誰でも楽しむことができるという利点があります。このような inclusivity（包括性）は、社会全体の価値観を変える可能性を秘めています。
社会課題への貢献
若者の社会参加の促進
eスポーツは、若者の社会的孤立を減らす手段としても期待されています。オンライン上でのコミュニケーションや競技を通じて、社会とのつながりを感じることができ、最終的にはリアルな社会参加につながる可能性があります。孤立感を和らげることは、精神的な安定を保つ効果も期待されています。
社会的ステレオタイプの克服
eスポーツの普及は、「ゲーム＝無駄」という社会的なステレオタイプを変えつつあります。ゲームがスキルや知識の向上に寄与し、プロとしてのキャリアパスを提供する一方で、eスポーツに関する研究や学問的な分析も進んでいます。これにより、ゲームが健全な社会活動の一部として認知されるようになるでしょう。
eスポーツがもたらす未来
テクノロジーと文化の融合
eスポーツの発展は、VR（仮想現実）やAR（拡張現実）といった最新技術との融合を促進します。これにより、新しい形の体験型エンターテインメントが生まれ、文化やアートとの新たな接点を生み出すでしょう。
持続可能な社会への寄与
eスポーツは従来のスポーツに比べてエコロジカルな側面を持っています。
例えば、移動や施設の建設が少なく、オンラインでの開催が可能なため、環境負荷を軽減することができます。また、持続可能なデジタル経済の一翼を担う存在としても注目されています。
まとめ
eスポーツは、ただの「ゲーム」ではなく、社会に多くの良い影響をもたらします。
新しい仕事のポジションができたり、人と人をつないだり、教育や地域活性化に役立ちます。スキルを伸ばし、自信をつけたり、孤独を感じている人たちの新しい居場所になったり。
これからもeスポーツは、私たちの生活や社会をもっと豊かにしてくれるでしょう。
今までのイメージであった「ただのゲーム」を超えた「未来の競技」として、eスポーツは私たちに新しい挑戦と楽しさを届けてくれる存在です。
ネット環境とゲーム機器があれば自宅から参加できるeスポーツ。
運動系スポーツよりも気軽に始められるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
福利厚生に「eスポーツスポンサード制度」がある会社も
ものっぷで掲載している求人は一部案件を除き、福利厚生に「eスポーツスポンサード制度」があります。
事前に会社へ申請をしeスポーツ大会に参加すると、成績によって大会交通費やゲーム周辺機器購入費の補助が受けることができます。
すでにeスポーツを競技されている方、これから始めようとしている方はせっかくなので、このような制度も活用してみてはいかがでしょうか。
