「工場の仕事は残業が多いって聞くけど本当?」
「平均でどれくらい残業があるの?」
工場の求人を見ても、実際の残業の多さ・少なさは分かりづらく、判断に迷うこともありますよね。
「残業が多い職場か、少ない職場か」は、働きやすさを決める上でも非常に重要。さらに収入にも大きく影響するので、応募前に必ずチェックしたいポイントです。
この記事では、そんな「工場の残業事情」について詳しく解説いたします。
この記事で分かること
・工場の平均的な残業時間
・残業時間数で生活はどう変わるか
・法律上の残業時間の上限・ルール
・残業が少ない職場の見分け方
目次
工場の平均的な残業時間はどれくらい?
まずは目安として、一般的に工場では大体どれくらい残業があるのかを見ていきましょう。
製造業の残業時間は月平均13.4時間
厚労省の調査によると、製造業の所定外労働時間は月平均で13.4時間*です。
1日当たりの残業時間をざっくり計算すると、
週5日フルタイム勤務の方であれば、1か月の勤務日数はだいたい20日ほどなので
13.4(時間) ÷ 20(日) = 0.67(時間)
1日当たり30分~40分の計算になります。
ただし「日によって残業があったり、なかったりする」という職場も多いので
基本は残業なしだけど、忙しい時だけ1時間ほど残業が発生すると考えると、1番実際のイメージに近いです。
他の仕事と比べて工場は残業が多い?
厚労省の統計によると、全職種の所定外労働時間は月平均で約9.9時間*。
それに対し、製造業の所定外労働時間は月平均で約13.4時間*です。
こうして比較すると「工場は残業が多い」と感じるかもしれませんが、パートや短時間勤務者が多いスーパー・小売業などの職種もデータに含まれているため、実際のところはそこまで大きな開きはありません。
他の職種に比べると、工場勤務は「残業時間がやや多めになりやすい傾向」といったところが実状です。
*2024年1月~2026年6月の月平均時間から算出


参考:
毎月勤労統計調査(厚労省)
毎月勤労統計調査 令和6年度分結果確報(厚労省)
工場で残業が発生する主な理由
工場で残業が発生する背景には、いくつかの共通した理由があります。
「残業が多い職場・少ない職場」を見分けるために、その理由をチェックしておきましょう。
1.繁忙期で生産量が増える
年間で生産量に波がある製品を作っている工場は、ほぼ必ず「繁忙期」があります。
代表的な例として挙げられるのは、食品工場です。
多くの食品工場では、バレンタインやクリスマス、年末年始などのイベント時期に生産が集中します。
また、自動車や大型家電も新シーズンの時期に需要が高まり、それらを製造している工場は繁忙期を迎えることがあります。
そういった生産量の増加をみこして人員を補充する工場も多いですが、一時的に増員した人材には任せられない業務もあるため、結果として工場の従業員全体の残業が増えやすくなります。
2.人手不足によって一人あたりの負担が増える
人手不足は、工場で残業が増える大きな理由の一つです。
昨今の働き方の変化により、少ない人数で無理やり稼働するのが当たり前、という工場はかなり少なくなりました。とはいえすべての工場が、生産量に対し十分な人数の従業員を確保できているかというと、必ずしもそうとは言えません。
人手不足から新しい人材を雇用しても、仕事を覚え独り立ちするまでには時間が必要です。
新人教育の期間中は、先輩社員の負担が一時的に増えることもあります。その結果、負担が集中した社員が離職してしまう…という悪循環から、慢性的な人手不足となってしまっている職場も珍しくはありません。
3.機械トラブルや設備の故障が起きる
製造ラインでは、機械や設備を使って製品を作るケースが多くあります。
そのため、設備の不具合や故障が発生すると、生産が予定通り進まなくなることがあります。
例えば、機械の修理や調整に時間がかかったり、不良品が発生して再生産が必要になったりすると、その日の生産計画を取り戻すために残業が発生する場合があります。
設備トラブルは毎日発生するものではありませんが、設備保全やトラブル対応が多い工程では、残業時間が日によって変動しやすいでしょう。
4.急な受注や納期に対応する必要が生じる
工場では、取引先からの注文に応じて生産計画が組まれています。
しかし急な増産依頼が入った場合や、納期が迫っている中で生産ペースに遅れが生じている場合には、予定より多く製造しなければならないことがあります。
特に部品などを他のメーカーに納品している工場では、納期の遅れが取引先の生産にも影響する可能性があります。
そのため、納期に間に合わせるために残業が必要になることがあります。
残業をしたくない場合は「どんな場合に残業が発生するか」と「どれくらいの頻度か」を面接などで確認しておくことがおすすめです。
毎日1時間、2時間、3時間の残業で生活はどう変わる?
同じ「残業あり」の求人でも、1日1時間なのか、2時間なのか、3時間なのかによって生活への影響は大きく変わります。
ここでは、それぞれの生活のイメージをご紹介します。
1日1時間程度の残業
定時が17時なら、18時ごろの退勤になります。
帰宅後に食事や入浴を済ませたり、買い物をしたりする時間も比較的確保しやすいでしょう。
「比較的負担にならない」と感あじる人が多いレベル。
生活リズムも乱れにくく、プライベート重視の生活が実現できます。
1日2時間程度の残業
17時定時なら、退勤は19時ごろになります。
帰宅時間は20時前後となり、食事や最低限の家事などを済ませるだけで一日が終わってしまうこともあります。
一方で、毎日2時間残業をすると、残業代で月収が約30%アップする計算に。収入面ではゆとりが生まれやすくなります。
「仕事の日は帰宅したらしっかり休む」「やりたいことは休日にまとめて実行」といったメリハリのあるライフスタイルを選ぶ方が多いようです。
「ちょっと仕事がしんどいな」と感じる人が多いレベル。
自分の時間がまったく取れないという程ではありませんが、仕事中心の生活になりがちなので、スキマ時間で家事をすますなど時間の使い方に工夫が必要です。
1日3時間程度の残業
17時定時の場合、退勤は20時ごろです。
帰宅時間を考えると、仕事がある日は「仕事・食事・入浴・睡眠」だけで終わる生活になりやすくなります。
また毎日の睡眠だけでは回復が間に合わず、休日も「疲れて寝てたら1日が終わってしまった」となりがちに。
残業代で高収入が期待できるので、短期間であれば頑張れるかもしれませんが、何か月も続けると疲労が蓄積し体への負担が大きくなっていくので、十分な注意が必要です。
「仕事がかなり忙しい、かなりきつい」と感じる方が多いレベル。
長期的・慢性的な場合は、職場に相談したり働き方を見直すなど、早めの状況改善が望ましいです。
工場の残業には上限がある
残業については、法律で定められたルールがあります。
知らず知らずのうちにブラックな環境で働いていた…とならないように、事前にルールを知っておきましょう。
残業は「月45時間以内」が原則
原則として、労働基準法で定められている法定労働時間は1日8時間・週40時間以内です。これを超える労働は「法定外労働」とされ、割増賃金が発生します。
そして法定外労働については、原則として月45時間、年360時間が上限とされています。
臨時的に「45時間」を超える場合の上限
工場には、一時的に受注が集中する「繁忙期」があります。そのような臨時的な事情がある場合に限り、原則の「月45時間・年360時間」の上限を超えて所定外労働をすることができます。
ただし、そのような臨時的な場合であっても上限のルールがあります。
・残業(時間外労働)は年720時間以内
・残業と休日労働の合計は月100時間未満
・月45時間を超える残業は年間6回(6か月)まで
・時間外労働と休日労働の合計について、2~6か月の各期間の平均がすべて月80時間以内
このように、残業の上限は法律で厳密に定められています。
そのため、「忙しい工場だから毎日何時間でも残業するのが当たり前」ということはありません。
もし長時間の残業が常態化していて負担を感じているなら、一人で抱え込まず、上司や会社の担当者などに相談することも大切です。
残業が少ない工場を探す6つのポイント
「できるだけ残業したくない」という人は、求人を探す段階で残業に関する情報を確認しましょう。
1.「月平均残業時間」を確認する
まず確認したいのが、求人票に記載されている「月平均残業時間」です。
「月10時間以下」「月20時間程度」など、具体的な数字が記載されている求人なら、働き方をイメージしやすくなります。
反対に、「残業あり」「協力できる方歓迎」といった曖昧な表現しかない場合は、応募前や面接時に確認することがおすすめです。
2.基本給に対して「月収例」が高すぎる場合は要確認
給与欄に記載されている「月収30万円以上可能」などの金額には、残業代や深夜手当などが含まれている場合があります。
もし時給や月給などの基本給があまり高くないのに、月収例が高額な場合は、残業が多く発生する職場である可能性も。
収入額だけに惹かれず、月収の内訳まで確認することが重要です。
3.固定残業代の有無を確認する
「固定残業代」「みなし残業」という言葉が求人票にある場合は、内容を確認しましょう。
固定残業代とは、あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含める仕組みです。
例えば「月給25万円、固定残業代30時間分を含む」といった求人の場合、基本給はいくらなのか、30時間を超えた残業には追加で残業代が支払われるのかなどを確認する必要があります。
4.勤務形態をチェックする
「日勤のみ」「2交替」「3交替」「シフト制」など、勤務形態によっても残業の発生状況は変わります。
交替制の場合、次のシフトに引き継ぐ仕組みがあるため、残業を少なく抑えやすい傾向があります。
残業がない職場を探すのなら、交替制を選択肢に入れてみることもおすすめです。
5.繁忙期の残業時間を聞く
求人票だけでは、繁忙期の実態までは分からないことがあります。
面接や職場見学では、
「通常は月何時間くらい残業がありますか?」
「繁忙期はどのくらい増えますか?」
など、具体的に質問してみましょう。
通常時と繁忙期の残業時間を分けて確認することで、入社後のギャップを減らせます。
6.サービス残業がないか確認する
「残業時間が少ない」と書かれていても、実際の労働時間が正確に管理されているかは確認しておきたいポイントです。
特に、始業前の朝礼や着替え、終業後の引き継ぎ作業などがどのように扱われるのかは、職場によって異なる場合があります。
面接時に、始業・終業の打刻方法や、着替え・朝礼が労働時間に含まれているのかなどを確認しておくと安心です。
よくある質問
【Q】残業は断ってもいいの?
正当な理由があれば、残業を断ったり、配慮を求めたりできる場合があります。
正当な理由とは、体調不良や育児・介護といった家庭の事情など。
「保育園のお迎えがある」「病院の予約がある」「産後で体調が不安」などの正当な理由があれば、会社は残業を強制することはできません。
とはいえ、あいまいな理由で残業を断り続けると、現場の管理者からの印象がマイナスになることも。
残業を断る場合は理由をしっかり説明し、他の従業員への配慮を忘れないようにしましょう。
【Q】工場は残業しないと稼げない?
残業なしでも高収入を得ることは可能です。
例えばフォークリフト作業者や溶接作業者など、資格が必要な職種は給与相場が高く、残業をしなくても月収30万円以上稼げるところも多くあります。
また車体製造スタッフも給与が高い仕事の代表例です。特に交代制の現場は残業が少なく、深夜割増で効率よく収入アップできますよ。
その他、専門職である「設備保全(設備エンジニア)」にチャレンジするのもおすすめです。スキルや知識を身に着ける必要はありますが、一度手に職をつけてしまえば大手メーカーの工場などで活躍でき、安定した働き方をしながら高収入を得ることができます。
未経験でも給料をもらいながら設備エンジニアを目指せる仕組みもあるので、ぜひチェックしてみてください。


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【Q】残業30時間の工場ってブラック企業?
法律上の上限(45時間)の範囲内であり、一般的な企業と比べても極端に残業が多いというわけではありません。そのため残業30時間だけでブラック企業とは断定できませんが、平均と比べると「残業はやや多めの企業」であるといえます。
ただし「タイムカードを切ってから残業を頼まれる」「自分ばかり残業をしている」「通院で断っても残業を強制される」といった状況であれば、ブラック企業に該当する可能性があります。
残業時間だけでなく、「残業に正当性があるか」も念頭に判断しましょう。
工場の仕事は「残業なし」の職場も豊富!
工場によっては繁忙期や生産量の増加で残業が多い職場もありますが、近年の働き方の時流に乗って、残業がほとんどない職場もどんどん増えてきています。
工場の仕事を探す際は、給与や仕事内容などだけでなく「残業が多いか・少ないか」もぜひチェックしてみてくださいね。
もし「残業がない職場がいい」「残業をたくさんして稼ぎたい」など、はっきりとした希望がある場合は、ぜひ工場の仕事に特化した求人サイト「ものっぷ」の相談サービスをご利用ください。
相談は24時間OK。専任の担当者が原則翌日までに相談にお答えいたします。
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