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製造派遣の仕事内容や働き方は? 働く前に注意するべきポイントを解説

求人広告でよく見かける製造派遣の仕事には、組立、製造、オペレーター、マシン、軽作業など、オフィスワークでは見慣れない単語が並んでいます。製造業で働いたことのない方にとっては未知の仕事でしょう。
製造=ものづくり、派遣=派遣されて働く、つまり、ものを作る工場に派遣社員という雇用形態で働く仕事を総じて「製造派遣」といいます。
この記事では、製造派遣の仕事に興味がある方に向けて、仕事内容や働き方、働く上で知っておいたほうが良いことなどを解説します。

【この記事の要約】
● 製造派遣の仕事内容
● 製造派遣の働き方とは?
● 製造派遣に向いている人・向いていない人
● 働く前に知っておくべきこと

なお、記事の中で例として挙げるものは、それぞれ一部です。たくさんありますので代表的なものに絞って紹介します。

製造派遣の仕事内容

製造派遣の主な仕事内容は以下のとおりです。

● 組立、加工
● 軽作業
● 塗装
● 検査、品質管理
● 梱包
● 運搬
● 設備保全

一つずつ見ていきます。

組立、加工

組立は、部品やパーツを組み合わせて製品を完成させる工程です。マニュアルや設計図に基づいて組み立てていきます。作業内容は取り扱う製品によってもさまざまで、自動車製造のエンジンやボディなど大型パーツの組み立てもあれば、半導体などミリ単位の部品組み立てもあります。ライン作業が多く、複数人で担当を分担するため、一人ひとりが覚える業務はさほど多くありません。
一方、加工は原材料に手を加えて部品を製造する工程で、溶接やはんだづけなどの金属加工、プラスチック加工や食品加工などがあります。

軽作業

軽作業とは、英語の「light work」の訳で「簡単な作業」「覚えやすい作業」という意味を持ちます。検品、梱包・仕分け、ピッキングなどがあり、先ほど説明した組立やライン作業も軽作業に含まれます。仕事内容にもよりますが、ピッキングなどは重い荷物を持ち運んだりするケースもあり、比較的力仕事です。たまに、「軽作業なのに重い荷物を持ち運ぶの?」という方がいますが、軽作業の「軽い」は「重量が軽いもの」という意味ではありませんので、注意してください。

塗装

塗装とは、製品の表面に塗料や保護材を塗ってコーティングをする作業です。塗装の目的は単に製品を美しく見せるためだけではなく、腐食や劣化から製品を守るという重要な役割を担っています。金属によって相性の良い塗料を使い分ける必要があるほか、形状に合うローラーや刷毛を使うなど職人的な技術や知識が光る作業です。塗装の対象となる製品は、自動車やバイク、重機、金属、木材など多岐にわたります。ただし、塗料独特のにおいが充満する中での作業となるため、苦手な方にとっては厳しい仕事かもしれません。

検査、品質管理

検査は、完成した製品に問題がないかチェックする仕事です。傷や汚れ、異物混入がないか、規格通り正常に動くかなどの確認を行います。検査の方法は、目視による「目視検査作業」や機械を使う「測定検査作業」などがあります。取引先やエンドユーザーからの信頼を守る非常に重要な工程ですが、作業自体はマニュアル化されているため、未経験でも取り組みやすいでしょう。また、品質管理も検査とほぼ同様の役割になりますが、検査よりもさらに踏み込んで、不良品が出た原因を突き止めたり改善すべき工程を特定したりするといった違いがあります。

梱包

梱包とは、工場で生産された製品や商品を段ボールなどの梱包材に詰めて、配送できる状態にパッキングする仕事です。梱包の最大の目的は、配送時に製品が外部の衝撃で破損しないように、緩衝材などを詰めて保護することにあります。出荷する製品や商品の大きさ、形状、材質に合わせて適切な梱包材や緩衝材を選ぶ必要がありますが、決められた手順に沿って作業するため難しいものではありません。軽作業に分類され、未経験からできる仕事の一つです。

運搬

運搬とは、工場で完成した製品や商品を決められた場所に移動させる仕事です。製品の大きさや重さによって手作業になったり機械を使って運んだりします。機械を使って運搬することを「マテリアルハンドリング」と言い、フォークリフトやベルトコンベア、パレットなどが通称「マテハン機器」として有名です。工場内の運搬作業ではマテハン機器を使用することが多いでしょう。運搬作業がスムーズに進むと、工場全体の効率化が図れます。

設備保全

設備保全とは、主に工場内にある生産設備の点検や修理を行って、故障などのトラブルを未然に防ぐ仕事です。工場には多くの生産設備が稼働しており、そのどれか一つでもストップすると生産ラインに多大な影響が出ます。生産が遅延すると、最悪の場合、納期に間に合わないといった会社の損失にもなりかねません。生産設備を正常な状態に保ち、安定的な生産活動が行えるよう管理するのが設備保全の役割です。なお、故障が発生してしまった際の事後的な修理も設備保全の仕事に含まれます。

製造派遣の働き方とは?

ここからは製造派遣という働き方について、雇用形態と勤務体系(形態)を見ていきます。

雇用形態

製造派遣の雇用形態には、有期雇用派遣と無期雇用派遣があります。いずれも人材派遣会社に雇用されている点は同じですが、雇用期間に定めがあるかないかの違いがあります。
それぞれ解説します。

有期雇用派遣

有期雇用派遣とは、派遣元企業と有期雇用契約を結び、派遣先企業で就業する雇用形態です。派遣期間の終了とともに派遣元企業との雇用契約も終了するのが、後述する無期雇用派遣との最も大きな違いです。一般的な「登録型派遣」はこの有期雇用派遣に該当します。2015年の改正派遣法で、同一の事業所や部署で就業できる期間が最長3年までに制限され、3年を超えて就業を希望する場合は雇用形態の転換が必要になりました。

無期雇用派遣

無期雇用派遣とは、派遣元企業と雇用期間を定めない労働契約を結び、派遣先企業での契約期間が終了しても派遣元企業との雇用が継続する雇用形態で「常用型派遣」ともいわれます。派遣先が決まっていない待機期間中も派遣元企業から給与が受け取れるため、収入が安定するのが特徴です。また、無期雇用派遣には改正派遣法の3年ルールが適用されず、派遣先企業との同意があれば引き続き同一の事業所・部署で長期間働くこともできます。

勤務体系(形態)

製造派遣の勤務先となる工場には、24時間体制で稼働しているところも多くあります。そのため、製造派遣の勤務体系(形態)は、日勤の他にも、夜勤や交代(シフト)制があるのが特徴です。
それぞれ解説します。

日勤

日勤とは昼間の時間帯を中心に働く勤務形態で、「昼勤」と呼ばれることもあります。勤務時間は「8時~17時」「9時~18時」「9時~21時」などが多く、休憩時間を含めて8~12時間程度の勤務となるのが一般的です。一般企業と同じ時間帯で働けるため、家族や友人とも予定を合わせやすく、生活リズムも安定します。

夜勤

夜勤とは「20時~翌5時」「21時~翌6時」「21時~翌9時」など、深夜の時間帯を中心に働く勤務形態です。実労働時間は日勤と同じく8~12時間程度となります。深夜帯の勤務は一般的な生活リズムに逆らうことになるため、慣れていない方にとっては身体的負担の大きい勤務形態かもしれません。ただし、その分、日勤よりも高い給与が支払われますので、たくさん稼ぎたい方にはおすすめです。

交代(シフト)制

交代(シフト)制とは、勤務時間を2つないし3つの時間帯に分けて交代で働く勤務形態を指します。勤務する時間帯は固定ではなく、一定期間でローテーションされるのが特徴です。
二交代制は「昼勤と夜勤」「早番と遅番」などとも呼ばれ、1日を12時間で区切り、そのうち8~12時間程度を勤務します。三交代制は1日を8時間ずつ3つの時間帯に分け、7.5~8時間程度働きます。変則的な勤務のため、日勤と夜勤が混在する週などは体調を崩しやすく、注意が必要です。

製造派遣に向いている人・向いていない人

製造派遣の仕事は、「製造工場で働くこと」と「派遣で働くこと」の2つの側面から向き不向きを考える必要があります。

向いている人

以下のいずれかに当てはまる方は、製造派遣の仕事に向いている可能性が高いでしょう。

● 高時給の仕事をしたい
● 同じ作業をコツコツ続けられる
● 人間関係に左右されたくない
● 接客業が苦手
● 整ったサポート体制で働きたい

一つずつ見ていきます。

高時給の仕事をしたい

製造派遣の仕事は、オフィスワークなど一般企業への派遣と比べて時給が高いことで知られています。その最も大きな理由が、夜勤手当や早朝手当の存在です。労働基準法では、22時~翌5時までの深夜・早朝勤務をした場合、通常賃金の25%以上の割増賃金を支払うよう定められています。これは、例えば時給1,200円で夜勤をすれば、時給が1,500円に跳ね上がるということです。
他にも、繁忙期などまとまった人手が必要となるケースでは、より多くの従業員を確保するために一般企業より高めの時給設定をしているところもあります。

同じ作業をコツコツ続けられる

工場にもよりますが、基本的に製造派遣の仕事は、同じ作業の繰り返しが多くなります。例えば検査の作業で言うなら、製品が正常に動作するかなどをマニュアルの手順に従って一つひとつチェックしていかなければなりません。こういった作業を面倒くさいと感じる方は製造業には向いていない可能性があります。逆に、一人で黙々と集中して作業を続けられる方、目の前の作業に時間が経つのも忘れて没頭できるような方は、製造業に向いているといえるでしょう。

人間関係に左右されたくない

製造業の仕事は一人で黙々と作業することが多く、あまり職場の人間関係に左右されることがありません。業務上、最低限の報告・連絡・相談は必要ですが、それ以外のコミュニケーションが求められることは多くないため、人間関係で悩みたくない方にはおすすめです。人脈作りなど人間関係の構築に注力するよりも、目の前の作業に没頭できる方が向いています。一方で、職場のメンバーとともに和気あいあいと仕事を進めたい方には寂しい仕事かもしれません。

接客業が苦手

販売や営業などの接客業では、お客様の満足が評価につながるため、理不尽なクレームや厳しい要望に応えなければならないときもあります。しかし、製造派遣の仕事では、あいさつなど最低限のコミュニケーションさえ取れれば業務ができます。工場によっては勤務時間中の私語を禁止しているところもあります。接客業で疲れた方や、人とのコミュニケーションが苦手な方には特におすすめです。

整ったサポート体制で働きたい

製造派遣の仕事に就く場合、派遣元である人材派遣会社から就業に向けてのマインドセットや基礎研修などの就業サポートを受けることができます。就業中も派遣先で困ったことや問題が起きた際には、派遣元の担当者が派遣先との間に入って相談に乗ってくれます。自分からは直接言い出しにくいようなことも派遣元の担当者が代わりに対応してくれるため、安心して就労することができるでしょう。

向いていない人

一方、以下のいずれかに当てはまる方は、製造派遣の仕事には向いていないかもしれません。

● 時間に不規則な生活に慣れていない
● マルチタスクが得意
● 環境の変化が苦手

一つずつ説明します。

時間に不規則な生活に慣れていない

製造工場は24時間稼働しているところも多く、そのような工場では生産ラインを止めないために夜勤を含む交代勤務制を採っているのが一般的です。深夜や早朝の時間帯に勤務すれば通常賃金の1.25倍になる一方で、生活リズムが不規則になることは避けられません。夜勤に慣れていない方や、朝起きて活動し夜休息するといった生活を求める方には、製造業の勤務形態はつらい可能性があります。もし夜勤がネックならば、日勤のみの仕事に絞って探してみるとよいでしょう。

マルチタスクが得意

マルチタスクとは、複数の作業を同時に進めたり、短期間で切り替えたりしながら進めることです。マルチタスクが得意な方は、複数の業務に対し瞬時に考えを巡らせて優先度合いを判断できるため、コミュニケーションが多い仕事やマネジメントなどの仕事に向いています。しかし、製造派遣の仕事は一つの作業を黙々と繰り返すため、集中力や忍耐力が求められます。マルチタスクをこなしたい方にとっては、退屈で飽きる仕事になるかもしれません。

環境の変化が苦手

工場の労働環境は一般企業のオフィスとは異なり、人間にとって心地良い環境で作業できるとは限りません。機械が多い工場ではマシンから発せられた熱がこもったり、逆に食品工場などでは生鮮食品が傷まない温度帯であったりと、空調設備があったとしても広い工場内の室温を均一に保つのはなかなか難しいのが実情です。快適な環境で働きたいと思う方には厳しい工場もあります。

働く前に知っておくべきこと

製造派遣で働くにあたっては、あらかじめ以下の項目を確認しておくことをおすすめします。

● 職場環境と設備内容
● 雇用形態と働き方
● 担当する仕事内容
● 会社説明会の開催情報

一つずつ説明します。

職場環境と設備内容

一般的に工場には広い敷地面積が必要になることから、郊外に建てられているケースが多くなります。交通の便が良くないことも多く、送迎バスがあるか、マイカー通勤が可能かなど通勤手段も確認しておく必要があるでしょう。また、空調設備が整っているか、老朽化が進んでいないかなども工場で働く上では重要な確認項目になります。
一方で寮費無料、寮費補助、赴任旅費や引っ越し費用を会社が負担してくれるような案件も存在します。事前にそうした福利厚生面を確認しておくとよいでしょう。

雇用形態と働き方

製造派遣で働く場合、有期雇用か無期雇用か派遣の形態について確認が必要です。有期雇用派遣なら同一の工場で働くのは長くても3年が限度となります。また派遣先が決まっていない待機期間には給与が支払われないことを踏まえておく必要があります。働き方もオフィスワークとは異なり、夜勤や交代勤務がある工場がほとんどです。自分が適応できるかどうかも含めしっかり確認しておきましょう。

担当する仕事内容

製造派遣の仕事といっても、その仕事内容は組立・加工、検査・品質管理、梱包、運搬などさまざまです。力がいる仕事、根気がいる仕事、目を使う仕事など、取り扱っている製品や担当する作業によって必要となる能力も変わってきます。製造派遣の仕事は未経験から始められる仕事が多いものの、自分の適性とマッチしなければ続けていくことが難しくなる可能性があります。担当する仕事内容を具体的に知った上で、無理なく続けられそうな仕事を選びましょう。

会社説明会の開催情報

製造派遣の仕事に応募する前に、派遣会社が開催する会社説明会に参加してみるのもおすすめです。製造派遣を熟知した会社の担当者から直に話が聞ける良い機会です。気になる点は積極的に質問して解消しておきましょう。会社説明会は来場型以外にもオンラインで開催しているところも多くあります。詳しくは、気になる求人を取り扱っている製造派遣会社のサイトを確認してみてください。

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いかがでしたでしょうか。
製造派遣の仕事は、比較的簡単で未経験でもできる内容がほとんどです。担当する作業によっては体力が求められる場合もありますが、医薬品や食品の製造など女性でもできる仕事もたくさんあります。
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