製造業や運送業といった求人では、「シフト制」が多く採用されていることに気がつくと思います。
「シフト制」と聞くと交代勤務をイメージする方も多いかもしれません。しかし、具体的なスタイルは「二交代制」なのか「三交代制」なのかどうかによって働き方が異なります。
交代勤務は日勤や夜勤とは異なる働き方です。
交代勤務について正しく知らないまま応募してしまうと、働きはじめてから「思っていたよりつらい」「自分に合っていなかった」といった事態になりかねません。
本記事では交代勤務の求人を探している方に向けて、交代勤務に関して詳しく解説していきます。
この記事では交代勤務に関する代表的な内容に絞っていますので、交代勤務についての基本知識を知りたいという方には特におすすめです。
交代勤務のメリットやデメリットについて知り、交代勤務にはどんな人が向いているのかについても理解することができますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
目次
交代勤務に関する基礎知識
交代勤務とは一日の勤務時間を二つまたは三つに区切り、従業員を交代で勤務する制度のことです。
交代勤務は、作業員の稼働時間が法定労働時間の1日に8時間を超える場合に、時間帯を区切って交代しながら勤務する制度です。
すでに記載したように、交代勤務は二つの種類に分けられ、それぞれ働き方が異なります。
まずは交代勤務に関する基礎知識を理解するため、以下の2点を確認していきましょう。
・ 交代勤務とは
・ 代表的な交代勤務の形態（日勤・夜勤・交代）
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
交代勤務とは
交代勤務は最近ではシフト制ともよく呼ばれていますが、法定労働時間を超えて勤務する場合に時間を区切って勤務する制度です。
主に工場や倉庫、病院などといった昼夜を問わず稼働しなくてはならない仕事や、システムの保守を行う仕事、人命に関わる仕事などは24時間体制で勤務しなくてはならないため、交代勤務を採用していることがほとんどと考えてよいでしょう。
そのほかスーパーやコンビニエンスストアなど、24時間営業ではなくとも営業時間が長時間に及ぶ業種も、時間を区切って作業員を交代させることで営業を続けることができます。
代表的な交代勤務の形態（日勤・夜勤・交代）
通常、交代勤務の働き方には日勤や夜勤があり、勤務する時間帯で呼び方が変わります。
「日勤」とは昼間を中心に勤務する働き方のことをいい、休憩をはさみながら8時間～12時間程勤務する場合を呼びます。
「夜勤」とは深夜を中心に勤務する働き方のことをいい、休憩をはさみながら8時間～12時間程度勤務までは日勤と同様ですが、「21時～9時」といったように深夜0時をまたいで働くことを夜勤と呼びます。
交代制とは、日勤と夜勤を交互に繰り返しながら勤務する方法のことをいいます。
変則的な勤務体系になるため、体調管理の面など注意しなくてはならない部分もありますが、特徴的な働き方から得られるメリットもある勤務体系といえるでしょう。
二交代制・三交代制について
交代勤務は「二交代制」「三交代制」の大きく二つに分けられます。
大きな違いは勤務時間の区切り方ですが、それぞれメリット・デメリットがありますので、しっかりと特徴を理解しておきましょう。
・ 二交代制の特徴
・ 三交代制の特徴
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
二交代制の特徴
二交代制とは、稼働時間を二つに区切って勤務する制度のことです。
主に24時間体制で稼働している職場で採用されることが多いのですが、深夜まで営業している営業時間の長い職場でも採用されています。
24時間稼働している場合、24時間を12時間ごとに分けた「9時~21時」「21時~9時」のように勤務することが多いでしょう。
営業時間の長い業種であれば営業時間を二つに分けて、「9時~18時」「18時~26時」のように勤務するケースが多く見られます。
二交代制の特徴は、日勤か夜勤のいずれかの時間帯で勤務するため一定の生活リズムを確保できる点です。
いままで日勤や夜勤で働いてきた方にとっては、似た時間帯を選んで働くことができ、勤務時間に体を慣れさせるのが容易です。
二交代制は一日当たりの勤務時間が長くなる傾向にあるため、人によってはつらいと感じる場合もあります。
しかし労働時間が8時間を超える場合は残業代の支給や、夜勤であれば割増賃金や手当が支給されることから、稼ぎやすいのも二交代制のメリットといえます。
三交代制の特徴
三交代制とは、稼働時間を三つに区切って勤務する制度です。
主に日勤・準夜勤・深夜勤（早番・昼番・遅番）と呼ばれ、各勤務は8時間ごとに区切られるのが基本となっています。
準夜勤は夕方から深夜、夜勤は深夜から明け方までで区切られているケースが多く、例えば24時間稼働している場合なら、「8時~16時」「16時~24時」「24時~8時」のように分けられます。
二交代制と比較すると勤務時間が短くなり、残業時間も少なくなるのもメリットの一つです。
ただし、三つの時間帯をローテーションで勤務するため生活リズムが不規則になりやすく、体が慣れるのに時間がかかる場合があるでしょう。
三交代制での勤務は体への負担も大きいため、体調管理をしっかり行うことが大切です。
交代勤務の働き方
交代勤務は特殊な勤務体制ですので、交代勤務の仕事を考えている方は、事前にどんな働き方になるのかイメージをしておくことが大切です。
ここからは交代勤務の働き方について、以下の2点を詳しく解説していきます。
交代勤務の働き方とは
・ 交代制を採用する職場の例
・ 交代制の休日について
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
交代制を採用する職場の例
交代制勤務を採用するのは主に24時間体制で稼働している業種に多く、従業員を交代させることで途切れることなく連続した稼働を可能にしています。
交代勤務で24時間稼働する業種には以下のような理由があります。
・昼夜を問わず利用者の安全を確保しなくてはならない仕事
例：入院患者のいる病院など
・システムの監視や保守、随時対応をしなくてはならない仕事
例：大型機械、システムを扱うエンジニアなど
・安定した供給を行わなくてはいけない仕事
例：製造業などの工場で働く仕事など
・人命に関わる業種例：消防署、警察署など
また24時間営業でない場合でも、営業時間が長時間に及ぶ業種は交代制を採用している場合があります。
例えば深夜利用にニーズがあるコンビニやスーパーなどの店舗は、営業時間が長時間である場合が多く、交代勤務が採用されているケースがほとんどです。
交代制の工場の休日について
交代制を採用している職場は土日休みの場合もありますが、休日もシフト制で決定されることも多いです。
交代勤務は通常の勤務体制と比べて休日が多く設定され、平日休みを取りやすいのもメリットの一つです。
例えば4勤2休であれば、4日間連続勤務、2日間休みを繰り返して働く方法です。
4勤2休は一般的に年間休日が120日前後になりますので、その他夏季休暇や年末年始休暇が加わると週休2日制と比べて休日が多い傾向にあるのがメリットです。
3勤3休は3日間連続勤務、3日間休みを繰り返すため、一日の勤務時間が長くなる分まとまった休日を取れるのがメリットです。
このように交代勤務は休日が多いため、プライベートを充実させたい方や趣味に時間を費やしたいといった方にはおすすめの勤務方法といえるでしょう。
交代勤務のメリットとは？
ここからは交代勤務のメリットについて解説します。
すでに解説したように交代勤務は特徴的な働き方ですが、そのほかのメリットも多くありますので、人によっては働きやすいと感じられるでしょう。
交代勤務のメリットには以下の4つが挙げられます。
・ 平日や昼間の時間を自由に使えることも
・ 勤務時間次第で手当がつく
・ 残業が少ない
・ 通勤・帰宅ラッシュを避けられることも
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
平日や昼間の時間を自由に使えることも
交代勤務はシフトによって休日が平日に取れることがあり、平日の昼間にしか行けない役所や病院に行きやすいメリットがあります。
土日祝日はどうしても混んでしまう店舗も、平日の空いているタイミングで利用できますので、人混みが苦手という方にはうれしいメリットといえるでしょう。
変則的な勤務のため体調を整えることも大切ですが、休日が多いためプライベートを充実させることができます。
勤務時間次第で手当がつく
労働基準法によって22時から5時の間は深夜割増賃金となり、賃金を25％以上増額しなくてはなりません。
勤務時間によっては同じ作業内容なのに、より高い給料で働くことができるのも、交代勤務制の大きなメリットといえるでしょう。
また、企業によっては独自の手当を別途支給していることもありますので、さらに収入をアップさせることができます。
残業が少ない
交代勤務は稼働時間を分割しているため、交代する際には次の人に業務を引き継ぎます。
そのため定時で業務が終了しやすく、特に三交代制の場合は残業が少ないのが大きなメリットといえるでしょう。
トラブルやイレギュラーが発生すれば多少の残業が発生する場合もありますが、基本的には決まった勤務時間で仕事を切り上げることができます。ただし、二交代の場合は生産量により残業が多い場合があるので事前に確認しておくとよいでしょう。
通勤・帰宅ラッシュを避けられることも
勤務時間によっては通勤ラッシュを避けて通勤することができるのもメリットの一つです。
一般的な出勤・退勤時間の前後は特に車の渋滞や電車が混み合いますが、シフトによって通勤時間がラッシュとずれる場合、空いている道路や電車で快適に通勤することができます。
交代勤務のデメリット
交代勤務は絶え間なく工場や店舗などを稼働させられるメリットがあり、生産性の向上や顧客対応の充実などを実現できる方法です。
しかし、交代勤務にはメリットがある一方で特殊な勤務体系であるゆえのデメリットも存在しています。
ここでは交代勤務のデメリットについて詳しく解説していきます。
交代勤務のデメリット二つ
・ 生活が不規則になる場合がある
・ 家族、友人と過ごす時間が減る
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
生活が不規則になる場合がある
夜勤や深夜の勤務が続くことや、昼勤と夜勤のローテーションは生活が不規則になりやすく、体調面でトラブルをきたす場合があります
二交代制の場合は、勤務時間が長いシフトだと身体的な負担を感じる方も多いでしょう。
不規則な生活から睡眠障害になってしまうケースも少なくありませんので、交代勤務では特に自分の体調管理が大切になります。
家族、友人と過ごす時間が減る
交代勤務ではシフトによっては休日が平日になる場合や、深夜や休日に仕事することも多いため、勤務時間がさまざまです。
そのため、一般的な休日に働かなくてはならない場合がほとんどで、家族や友人と休日が合いにくいというデメリットがあります。
交代勤務が向いている人の特徴
交代勤務での勤務は時間帯や休日などが変則であり、それに伴うメリットとデメリットがあることを解説してきました。
これらのメリットとデメリットを踏まえた上で、交代勤務がどんな方に向いているのかについて解説していきます。
交代勤務が向いている人の特徴三つ
・ 時間や場所をあまり気にせず睡眠が取れる人
・ 収入という目的のために頑張れる人
・ 単身世帯の場合や家族の理解を得られる人
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
時間や場所をあまり気にせず睡眠が取れる人
交代勤務は変則的な勤務のため、深夜勤務や夜勤明け後もしっかりと睡眠を取れるかどうかがとても大切です。
睡眠や休息がしっかりと取れなければ、体調を崩してしまうことにもなりかねず長く続けるのが難しくなるでしょう。
早朝や昼間であっても入眠できる方やいつもと異なる場所でも休息できる方、夜型の生活が苦ではないという方でなければ交代勤務は難しい可能性があります。
収入という目的のために頑張れる人
交代勤務は働く時間帯によって割増賃金や手当などがつくため、日勤よりも稼ぎやすいのが大きなメリットです。
その分勤務時間や休日が変則的になり体調管理が難しくなるという側面がありますが、収入という目的のためなら頑張れる、という方は交代勤務に向いているといえるでしょう。
単身世帯の場合や家族の理解を得られる人
深夜帯や夜勤の場合、家族とは異なる活動時間になることは注意が必要です。
家族が起きている時間や働いている時間に帰宅して就寝することになり、家族が寝ている時間に出勤をしなくてはならないため、お互いに配慮する必要があります。
家族内で休日も合いにくいということが考えられますので、交代勤務に関して家族から理解してもらえる方や、単身世帯の方であれば交代勤務に向いているといえるでしょう。
交代勤務は健康管理を徹底しながら行うことが大切
交代勤務で働く場合は、自分の体調管理を徹底しながら行うことが大切です。
交代勤務では深夜から朝方にかけて働く場合があり、割増賃金や手当によって手厚くフォローされているのは交代勤務のメリットの一つです。
しかし、深夜割増賃金が労働基準法によって定められているのは、深夜労働がそれだけ体にとって負担であることが前提にあるためでもあります。
睡眠障害は業務中の注意力低下や眠気につながり、十分に休息が取れないことから精神疾患を発症する人も多いため注意が必要です。
休日はプライベートの充実だけでなく、しっかりと体力を回復できるよう過ごすことが重要になります。
まとめ
交代勤務は二交代制や三交代制に分けられ、日勤や夜勤をローテーションしながら働く勤務形態でした。
特殊な勤務方法ですがその分まとまった休日が取りやすく、勤務時間によっては割増賃金や手当が支給されることは交代勤務のメリットであり、人によっては向いている働き方といえるでしょう。
交代勤務の仕事を希望している方は、交代勤務が自分に向いているかどうかぜひここまでの解説を参考にして考えてみてくださいね。
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