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機械保全技能士とは? 取得するメリットや試験の難易度、転職で有利になるポイントを解説

「機械保全技能士の資格は転職で生かせるのだろうか?」

この記事にたどり着いたあなたは、そんな疑問を感じているのではないでしょうか。

国家資格である機械保全技能士として働くことに興味はあるけれど、具体的な仕事内容が分からないという方もいるでしょう。そこで、この記事では、機械保全技能士として働くことを考えている方に向けて、以下の項目について詳しく紹介します。

・機械保全技能士とは、どのような資格なのか?
・取得することで得られる3つのメリット
・転職で有利になるポイント
・機械保全技能士の仕事に向いている人は?
・国家資格「機械保全技能検定」の試験内容について

上記5つの項目に分けて一つずつ解説していきます。これから機械保全技能士の勉強を始める方や、既に資格を持っているけど仕事で生かせていないという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

機械保全技能士とは、どのような資格なのか?

機械保全技能士の仕事内容について理解するには、まずは機械保全技能士がどのような資格なのかを詳しく知ることが大切です。今回は以下の項目について解説していきます。

・多くの国家資格の中で高い人気を誇る
・仕事内容や求められるスキルは?
・製造業に不可欠な設備保全のプロフェッショナル
・資格を持つ人の年収と資格手当

一つずつ見ていきましょう。

多くの国家資格の中で高い人気を誇る

機械保全技能士は、機械保全に関する技能レベルを証明する国家資格で、多くの国家資格の中で高い人気を誇る資格です。国家検定である「機械保全技能検定」に合格しなければ「機械保全技能士」を名乗ることができないため、有資格者以外はその名称を名乗ることを認められていない資格としての優位性や誇りを持てるでしょう。

等級は、上位から特級・1級・2級・3級の4段階あり、全ての等級が学科試験と実技試験で構成されています。その中でも特級は難易度や求められる技能レベルが高く、工程管理や作業管理だけでなく、安全衛生管理、品質管理など、機械保全に関する知識や技術が総合的に必要となります。さらに、受験資格についても、1級を取得した上で5年以上の実務経験が必要となるため、高い壁となっています。

また、機械保全技能士は、ものづくり分野の国家検定では1番目に受験者が多く、需要がある資格であるため人気があるといえます。

仕事内容や求められるスキルは?

機械保全技能士は、主にものづくりの現場で活躍しており、工場などの設備診断や機械保全をする業務を担当しています。

製造現場では、さまざまな種類の設備や機械を使用していますが、故障やミスによって事故やトラブルが起きてしまうことが少なくありません。しかし、どこか1か所でもトラブルが生じると製造ライン全体が停止したり遅延したりしてしまうなど、大きな影響を及ぼしてしまいます。そのため機械保全技能士が設備や機械の保全活動をすることで、事故やトラブルを未然に防ぎ、製造ラインを正常に稼働させることができるのです。このような業務の特性上、機械保全技能士には扱う設備についての知識や技術、異常に気付く注意力やトラブルシューティングのための判断力が求められます。

製造業に不可欠な設備保全のプロフェッショナル

機械保全は製造現場での事故やトラブルを防止し、さまざまな設備や機械を安全・正常に稼働させるためには不可欠な役割です。

近年、製造現場では、労働者の高齢化に伴う人手不足の解消や業務効率化による納期短縮などを実現するため、IoTやAIなどの最新技術を活用した製造現場での自動化や効率化が推し進められています。このような製造技術の高度化に伴って、生産スピードが上がっている現在において、設備や機械の事故やトラブルによる製造ラインの停止や停滞は、大きな損失となってしまうのです。このような背景から、製造業では設備保全のプロフェッショナルの存在が以前よりも必要不可欠となっており、製造現場では重宝される人材として扱われるようになっています。今後も、製造業を中心として、機械保全技能士の活躍の場はどんどん広がっていくことになると思われます。

資格を持つ人の年収と資格手当

機械保全技能士の資格は、設備保全に関する専門的な知識や技術を持っていることの証明となるため、企業によっては年収や資格手当に反映される場合が多くあります。

一般的に、製造業の一般職の時給は1200円程度ですが、機械保全技能士の時給は資格手当込みで2500円程度になることもあり、資格の有無で大きく収入が変わってきます。個人差や企業によるものの、年収は一般職よりも300万円ほど高くなるともいわれています。このように、年収の大幅アップを見込める点が、機械保全技能士の資格の大きな魅力となっています。

取得することで得られる3つのメリット

上記で資格手当について述べましたが、機械保全技能士の資格を持っていることでメリットが多くあります。ここで、機械保全技能士の資格を取得することで得られるメリットを紹介します。

・機械保全に関する知識や技術を体系的に習得できる
・資格保持者としての客観的な証明となる
・転職活動において有利に働く

上記3つのメリットについて解説します。
一つずつ見ていきましょう。

機械保全に関する知識や技術を体系的に習得できる

1つ目は、機械保全に関する知識や技術を体系的に習得できることです。

機械保全技能士の等級は、特級から3級まで4段階ありますが、最も難易度が低い3級を受験するには、機械の種類や用途、機械の保全計画、安全衛生に関する知識など、実務に役立つスキルが必要となるため、これらを網羅的に学ぶことができます。現場で実務経験を積みながら上位の資格を目指すことで、機械保全への理解を深めながら、中堅の保全エンジニアや保全部門のリーダークラスまでのキャリアアップを目指すことができます。

資格保持者としての客観的な証明となる

2つ目は、資格保持者としての客観的な証明となることです。

機械保全技能士は講習を受ければ認定されるタイプの資格ではなく、試験を受験して合格しなければ取得できない資格です。そのため、資格を取得していることが機械保全に関する知識やスキルを持っていることの証明になります。資格保有者としての証明があることで、企業によっては昇給や昇進が見込めたり、職場での役割にも変化が見られたりすることがあるでしょう。また、資格保持者であれば、高度な知識を持っていると証明されるため、メンテナンス計画の策定や機械設備トラブルの緊急対応など、高度なスキルがなければ対応できない、高度な業務に就くことができるかもしれません。

転職活動において有利に働く

3つ目は、転職活動において有利に働くことです。

機械保全技能士は国家資格でかつ名称独占資格であり、機械保全に関する知識や技能を持っていることを客観的に証明できるため、履歴書に記載できれば、転職活動で有利に働くことは間違いありません。製造業において、機械のトラブルは頻繁に起こりうることですが、それを予防し、速やかに対応できれば、生産ラインをストップするようなことがなくなるため、生産性を維持・向上させることにつながります。その役割を担える機械保全技能士は製造業には必要不可欠です。また、転職活動を成功させるには有利に働くほか、重要なポストに就くことができたり、年収を上げることができたりするため、機械保全技能士の資格取得はおすすめです。

機械保全技能士に転職するメリット

前述の通り、機械保全技能士の資格を保持していると、多くの恩恵を受けることができます。
ここで、機械保全技能士に転職するメリットを紹介します。

・給与昇給
・資格手当がもらえることも!?
・キャリアアップ

上記3つのポイントに分けて解説します。
一つずつ見ていきましょう。

給与昇給

転職で有利になるポイントの1つ目は、給与昇給です。

機械保全技能士の資格を持っていることは、すなわち機械保全に関する専門知識やスキルを持っているということの証明になります。高いレベルでの業務を任せられるため、昇給や昇進はしやすくなるといえるでしょう。

資格手当がもらえることがある

転職で有利になるポイントの2つ目は、企業によっては資格手当がもらえることです。

企業によりますが、機械保全技能士の資格保有者には資格手当が支給されることがあります。
一般的には、1級機械保全技能士で月数千~1万円程度もらえることが多いですが、企業によっては2万円前後の資格手当を受け取れる場合もあるため、転職で有利に働くといえるでしょう。

キャリアアップ

転職で有利になるポイントの3つ目は、キャリアアップに生かせることです。

機械保全技能士の資格は、実務をこなしながら上の等級を目指すことができ、企業によっては昇格・昇進要件に含まれていることがあるためです。例えば、2級の受験資格は「機械保全に関する実務経験が2年ある者、または機械保全技能検定3級を取得している者」となっており、実務経験と並列して上の等級の資格取得が可能になっています。上位の資格を取得することができれば、現場を統括するリーダーや管理職の立場を目指すこともできるでしょう。

機械保全技能士の仕事に向いている人は?

機械保全技能士の仕事に興味があるけど、自分に向いているか分からないという方もいるでしょう。そこで、機械保全技能士の仕事に向いている人の特徴について解説します。

・機械や設備に対して興味を持っている
・コミュニケーションに自信がある
・学歴関係なく未経験からも着実にキャリアを積める
・身体的な負荷が軽い

上記4つの特徴に分けて説明します。
一つずつ見ていきましょう。

機械や設備に対して興味を持っている

機械保全技能士の仕事をする上で、機械や設備に対して興味を持っていることは必要不可欠です。基本的に仕事相手は精密な機械や設備となり、同じ作業を繰り返すことも多く、興味がなければ退屈に感じてしまうでしょう。興味関心がある分野の仕事内容であれば、わずかな変化にも気づくことができるため、機械保全の分野でも能力を発揮することができます。

コミュニケーションに自信がある

機械保全技能士は、コミュニケーション能力に自信があると現場で重宝されるでしょう。精密な機械や設備を扱う業務ではありますが、一人で対応できる作業は多くありません。周囲と連携して作業するときやトラブルの報告・調査の際には、周囲とのコミュニケーションが発生します。そのため、コミュニケーションに自信がある方は、機械保全技能士に向いているかもしれません。

学歴関係なく未経験からも着実にキャリアを積める

機械保全技能士に向いている人の特徴として、未経験の方が挙げられます。ここまで、機械保全技能士は高度な知識やスキルが必要な仕事として紹介しましたが、国家資格の中でも、資格の入口となる3級は、学歴や職歴が不問で受験資格の制限がないため、未経験の方でも始めやすい仕事の一つとして挙げられます。未経験の仕事に不安を感じる人もいるかもしれませんが、機械保全技能士に興味のある方は未経験でも受験可能な3級を目指してみることがおすすめです。

身体的な負荷が軽い

身体的な負荷をなるべく軽くしたい方も機械保全技能士に向いているといえます。製造業といえば、身体的な負荷が大きいイメージから、興味があっても選択肢から外してしまっている方もいるのではないでしょうか。しかし、機械保全技能士であれば、身体的な負荷はあまりかけず仕事をすることができます。機械や設備のトラブルが起きないよう、整備や点検をする業務の中では、身体的な負荷がかかることはあまりありません。機械保全技能士はライン生産における見守り役であるため、製造業によくあるイメージとは異なり、身体的な負荷を軽くしたい方に向いている仕事です。

国家資格「機械保全技能検定」の試験内容について

これから機械保全技能士の資格を取得したいと考えている方に向けて、試験内容を紹介します。

・各級(特級・1級・2級・3級)の違い
・試験内容の概要
・合格率と試験の難易度
・申し込み方法

上記4つの項目に分けて解説します。
一つずつ見ていきましょう。

各級(特級・1級・2級・3級)の違い

機械保全技能士の特級・1級・2級・3級は、それぞれ「求められる知識・技術」に違いがあります。

特級は、保全分野の監督者として、工程管理、品質管理、作業指導、機械保全などに関わる知識や技術が求められます。1級は、製造現場でのリーダー格として、機械や電気の一般知識や機械保全法、安全衛生などに関する知識が求められます。
2級は、製造現場でのオペレーターとして、機械の修理や点検を一人で完了できるある程度の知識やスキルが求められます。3級は、製造現場に入るにあたって、基本となる機械保全についての知識や技術が求められます。

試験内容の概要

機械保全技能士の試験は、どの等級でも学科試験および実技試験があります。実技試験といっても、実際に体を動かして機械に向かうのではなく、着席した状態で実施します。学科・実技ともにマークシート方式で、1級以下は試験範囲が作業範囲によって分けられており、試験範囲を選択した上で受験する形式です。特級は特に範囲が広く、難易度が高い内容となっています。

合格率と試験の難易度

機械保全技能検定の合格基準は各級共通で、学科試験は100点中65点獲得、実技試験は減点法で40点以下の減点であれば合格となります。機械保全技能士の検定の受験者数、合格者数、合格率は、日本プラントメンテナンス協会が公式サイトで公表しており、2023年度の合格率は、特級が19.7%、1級が33.8%、2級が39.5%、3級が76.4%となっています。このように、上位級ほど難易度が高くなっています。

申し込み方法

申し込みにはWeb申し込みと郵送での申込書提出の2つの方法があります。

Web申し込みの場合は、日本機械保全協会の公式サイトで、オンライン申し込みフォームにアクセスし、必要事項を入力して申し込みます。郵送での申込書提出の場合は、所定の申込書に必要事項を記入して郵送で提出して申し込みます。申し込み後、銀行支払いやクレジットカード決済などで受験料を支払えば完了です。

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ここまで、機械保全技能士の仕事内容や資格試験について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

機械保全技能士は、ものづくりの現場において欠かせない国家資格です。未経験でもチャレンジしやすく、即戦力として活躍できる可能性が高い上、資格取得をすることで年収アップのチャンスが出てくる仕事です。

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