工場の面接は、比較的受かりやすいといわれています。事実、製造業は人手不足が続いており、他業種と比べて受かりやすい状況にありますが、面接時の基本マナーや準備など最低限押さえておくべきポイントがあります。特に働くのが初めてでこれまで面接を受けたことがない方は、しっかり確認しておきましょう。
【この記事の要約】
● 工場面接の事前準備
● 服装と身だしなみで気を付けることは?
● 面接でよく聞かれる質問は?
● 逆質問の対策も
● 面接前に必ず確認!基本のマナー
● 面接後に工場見学をする場合の注意点
● 面接が不安な時は?
これらについて詳しく解説します。 なお、例として挙げるものはそれぞれ一部です。たくさんありますので代表的なものに絞って紹介します。
目次
工場面接の事前準備
工場の面接を受けるにあたって、事前に準備しておくべき事柄を説明します。
必要書類の準備
工場によって必要な書類は異なりますが、履歴書と職務経歴書を持参するのが一般的です。工場側から特に指定がない場合は手書きでも印刷でも構いませんが、誤字脱字のないように気をつけてください。なお、履歴書には顔写真の添付が必要です。有効期限やサイズが決まっているため、直前に慌てないようあらかじめ準備しておきましょう。添付する写真は3ヶ月以内に撮影したものを使用し、サイズは縦4cm横3cmが一般的です。
履歴書や職務経歴書の作成には多少時間をかけても構いません。自己分析と企業研究をしっかりと行い、自分の求める働き方が工場で実現できることをアピールします。また、書類作成が苦手な方には履歴書不要の求人がおすすめです。工場の面接には割と多く出回っているため、興味のある方はチェックしてみるといいでしょう。
当日の持ち物の確認
当日の持ち物には上記必要書類や工場側から指定される書類の他にも、現金や交通系ICカード、携帯電話・スマートフォン、ハンカチ、ティッシュなど必要なものがあります。手ぶらはマナーとしてふさわしくないため、A4サイズの書類が入るバッグを用意するといいでしょう。最近はスマートフォンを時計代わりにしている方も多いですが、面接では腕時計を付けます。また、基本的に面接中はメモを取らないのがマナーですが、今後のスケジュールなどを口頭で伝えられる可能性もあるため、ペンやメモなど筆記用具を用意しておくと安心です。
面接会場までのアクセス確認
面接会場までのアクセスは必ず確認しておきましょう。遅刻は厳禁です。余裕をもって出発できるよう準備することが大切です。ただし、あまり早く到着しすぎるのも先方の迷惑になるため、面接開始時刻の10~15分くらい前を目安に到着するのがベストです。可能であれば面接日よりも前に一度、下見をしておくことをおすすめします。公共交通機関を利用する場合は、遅延や運休時の代替手段まで考えておくと、さらに安心できるでしょう。
オンライン面談の場合
オンライン面談の場合は、まず面接する場所を確保する必要があります。背景に洗濯物や趣味のポスターなどが映り込まない場所を選びましょう。次にネット環境端末とイヤホンやスタンドといったツールの準備、工場側から指定された接続先URLの確認などを行います。接続状況に問題がないかどうか、必ず事前に確認しておきましょう。なお、面接中に端末の充電が切れてしまわないよう、あらかじめ充電は100%にしておくと安心です。
服装と身だしなみで気を付けることは?
工場の仕事は作業着のイメージも強く、面接においても「何を着ていけばいいのか?」と悩む方もいらっしゃるでしょう。工場の面接における服装の決まりやその他の身だしなみについて説明します。


工場面接の服装の基本はスーツ?私服?
工場の仕事とはいえ、面接時の基本はスーツです。清潔感、TPO、全体のバランスが見られますので、ホコリや汚れ、サイズ感、ボタンの装着具合などには気を付けましょう。ただし、工場によっては私服や作業着での面接を可とするところもあります。私服の場合は、オフィスカジュアルといわれる、ジャケットにパンツまたはスカートというスタイルがおすすめです。パーカーやGジャン、ダメージジーンズなどの着用は控えましょう。
髪型、ひげ
男性はワックスで整え、女性で髪の長い方はまとめるのが基本です。傷んでパサついていたり、ヘアカラーをしていて根本が伸び、プリン状態になっていたりするのは清潔感に欠けます。また、金髪などあまりに派手すぎる髪色は避けたほうがいいでしょう。髪色は黒か暗めの茶色がおすすめです。なお、男性のひげは、きちんと整えられていたとしても面接の場では剃っておくほうが無難です。どうしても剃りたくない方は、事前に工場に問い合わせてひげがOKか確認しておきましょう。
靴
黒または暗めの茶色でひもが付いている革靴がおすすめです。スリッパやサンダルなどカジュアルすぎるものは避けましょう。女性の場合は、ピンヒールやミュールもNGです。また、かかとやヒール部分が擦り減っていたり、手入れがされていなかったりするような清潔感のない靴も良い印象を与えません。なお、スニーカーは全体の服装のバランスに合っていて、汚れていなければ問題ないケースもあります。
アクセサリー、ネイル
女性の場合は服装に合うシンプルなアクセサリーなら問題ないケースもありますが、基本的に結婚指輪以外はつけないほうが無難です。ネイルは、肌なじみの良いベージュや薄いピンクなどで華美になりすぎなければ大丈夫なところもあります。ただし、その場合も長すぎる爪や派手なネイルアートはNGですので、できればアクセサリー同様に控えておくのがベターです。
面接でよく聞かれる質問は?
面接でよく聞かれる質問には、あらかじめ答えを用意しておくのがポイントです。どの工場の面接でも質問されやすい「自己紹介」「志望動機」「職務経験」「退職理由」「長所・短所」について、答え方のポイントを説明します。
自己紹介
面接では、初めに自己紹介を求められることが多いでしょう。自分のこれまでの経歴やスキルについて簡潔にまとめます。実際には、面接の場を設けてくれたことへの感謝や志望先工場への意欲も含めて、全部で1~2分程度に収まるように作ります。
回答例:「〇〇(名前)と申します。本日はお忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございます。前職は△△の業務を担当しており、体力には自信があります。ぜひ貴社での業務に生かし、成長に貢献したく考えております。どうぞよろしくお願いいたします。」
志望動機
志望動機は、「その工場でしかできない仕事」を中心にまとめると熱意が伝わりやすくなります。自身の強みややりたい仕事が、志望先工場でなら可能であることをアピールしましょう。
回答例:「私は幼い頃から貴社の◇◇(商品名)が大好きで、いつか自分も製造者として関わりたいと考えていました。自分の手が加わった◇◇で世の中の◇◇ファンを増やすのが夢です。また、手先の器用さには自信があり、細かい作業にも対応できます。」


これまでの職務経験
これまでの職務経験を答える際は、応募した求人業務に生かせる経験をアピールしましょう。もし、直接的に生かせるような職務経験がない場合は、前職で努力したことについて具体的に説明します。工場の仕事は未経験者歓迎のケースも多いため、真面目にコツコツと取り組める人材であることをアピールできれば心配いりません。
回答例:「惣菜工場でパッケージ担当をしてきました。低温環境の中で作業することには慣れており、体力にも自信があります。」
前職を辞めた理由
ネガティブな理由で退職した場合は、その通りには伝えないほうが良いケースがあります。例えば人間関係など、どこの企業でも発生する可能性がある事柄を理由に退職した場合は要注意です。正直に伝えてしまうと、「採用しても同じ理由で辞めてしまうのではないか?」と面接官に無用な不安を与えかねません。このようなネガティブな理由は、ポジティブな理由に変換して説明することが大切です。
回答例:「社内行事に積極的に参加するなどチームに溶け込む努力をしましたが、自分に合った人間関係を築くことが難しいと感じたため、新たな環境で自分らしさを生かせる道を選びました。」
長所と短所
長所と短所は応募する工場の仕事内容に関連づけて伝えるのがポイントです。例えばライン作業なら「単調な仕事でも黙々と取り組むことができる」や、検査・検品なら「細かい点によく気が付く」などを伝えるといいでしょう。なお、短所は見方次第で長所にもなります。心配性といえば短所ですが、慎重といえば長所になるため、必ずセットで伝えてポジティブな印象を残しましょう。
その他
他にも、工場の仕事特有の勤務条件について質問されることがあります。よく聞かれるのは、「体力はあるか」「単調な仕事に耐えられるか」「夜勤が可能か」などです。勤務条件の擦り合わせはミスマッチを防ぐ重要な確認作業のため、受け入れられない条件には正直に難しいと答えて構いません。ただし、働く意欲がないと思われないように、できることのアピールも忘れないようにしましょう。
逆質問の対策も
面接の終盤に、面接官から「何か質問はありますか?」と尋ねられる場合があります。これを「逆質問」と言い、応募者の熱意や関心の深さを確認するために面接の一環として多くの企業が取り入れています。
ポジティブな印象を与える逆質問の仕方
逆質問では企業側の意図をくみ取り、志望する工場に特化した質問をすることが大切です。これにより、工場への理解や意欲の高さを伝えることができます。重要な自己アピールのチャンスと心得て、最低3つは質問を用意しておきましょう。ただし、工場の基本情報やWebサイトに掲載されている内容、既に説明されたことについては質問しないように注意してください。理解度の低さや勉強不足をアピールすることになってしまいます。また、待遇に関する質問ばかりするのも、業務への意欲が低いと判断されるリスクがあります。
逆質問の終了後には、感謝の言葉とともに「入社意欲が高まった」「理解が深まった」などの感想を添えると、さらに好印象を残せるでしょう。
よくある逆質問の例
工場面接で使える逆質問の例を以下に紹介します。
● 入社後の研修はどのような内容で、どれくらいの期間サポートしてもらえるか
● 事前に身につけておくと良いスキルはあるか
● 1日の仕事の流れを教えてほしい
● 機械操作に慣れるまでどのくらい時間がかかるか
● 繁忙期にはどのような対策をとっているか など。
実際の業務に関する質問は、働く意欲をアピールするのに効果的です。ぜひ参考にしてみてください。


面接前に必ず確認!基本のマナー
面接には基本のマナーがあります。これらの所作は知識だけ頭に入れてもなかなかスムーズには動けないため、何度か鏡の前などで練習しておくことをおすすめします。
遅刻はしない
面接に遅刻は厳禁です。少なくとも面接開始時刻の5分前には会場に到着しているようにしましょう。ただし、初めて訪れる場所は到着するのに通常よりも時間がかかります。「工場には到着したものの入口が分からない」などということも起こり得るため、さらに10~15分くらいは余裕をみておくと安心です。それでも万が一大幅な電車遅延など止むを得ない事情により遅刻してしまう場合には、必ず担当者に連絡を入れましょう。
受付や控え室での振る舞い方
面接会場の受付に着いたら、指定された場所で待機します。控え室では携帯電話やスマートフォンの電源を切って静かに待機します。他の応募者がいる場合は緊張をほぐす程度にコミュニケーションを取っても構いませんが、声量は抑えましょう。椅子に座る場合は、足を大きく広げたり組んだりせず、正しい姿勢を意識してください。会場に着いたときから面接は始まっています。社会人として適切な振る舞いや言葉遣いを心がけましょう。
入室から退室までの正しい動作
入室する際は軽くドアを3回ノックし、面接官から「どうぞ」と言われたら、「失礼します」と返答して入室します。面接官に背中を見せないようにドアを開けた手とは反対の手で静かにドアを閉めます。出入口から一番近い席の横に立ち、面接官から着席を促されてから、「よろしくお願いします」と一礼して座りましょう。
面接終了後は、「ありがとうございます」とお礼を述べて席を立ち、椅子の横で「失礼いたします」と一礼をします。その後、ドアの前で振り返り、「失礼いたします」とお辞儀をして静かに退出します。
面接官と一緒に退出する場合は、面接官の後に続いて退出し、見送りがあれば最後にもう一度「ありがとうございました」とお礼を述べるのがマナーです。
面接中の適切な態度と敬語
面接中は姿勢を正し、手は軽く膝の上に置きます。足や手を組むのはNGです。面接官から名刺を受け取った場合は、面接が終わるまで机の左上に置いておきましょう。話すときは相手の目を見て、笑顔でハキハキと敬語で話します。中にはフレンドリーに砕けた口調で話しかけてくる面接官もいますが、応募者という立場を忘れずに礼儀正しく敬語で会話することが大切です。
面接後に工場見学をする場合の注意点
工場見学は、選考過程の一環として面接後に実施されるケースが多く見られます。見学の具体的な日程や持ち物などの詳細は工場見学の担当者から事前に連絡があるため、確認しておきましょう。工場見学時のマナーや注意点、聞いておくべき質問について解説します。
工場見学時のマナーと注意点
工場見学もスーツで行くのが無難ですが、企業によっては予め動きやすい服装やスニーカー等で来るように指定されることがあります。あらかじめ、工場見学時の服装について確認し、特に指定がなければスーツ、指定があればその内容に従いましょう。転倒防止のためヒールの高いパンプスやサンダル類もNGです。アクセサリーは万が一落とした場合に異物混入などのリスクがあります。工場に入る前に外しておきましょう。また、危険防止のため、髪が長い方は事前にヘアゴムで束ねておくと安心です。
工場内は多くの大型機械設備が稼働しています。事故を発生させないためにも、「見学エリア以外には立ち入らない」「工場内の設備や製品に勝手に触れない」「通行ルールを順守する」など引率者の指示は厳守してください。また、決められた箇所以外での写真撮影は禁止です。
工場内スタッフとすれ違う際には明るくあいさつするのがマナーですが、作業しているスタッフに直接声をかけるのは避けましょう。集中が途切れることで重大な事故につながる可能性があり、危険です。


見学中にしておくべき質問
工場見学終了後には質疑の時間が設けられるのが一般的です。見学中、気になった内容はメモに控えておき、この時間を使って積極的に質問しましょう。特に業務内容に関する質問は勤務意欲の高さをアピールできるため、採用担当者側から好印象を得られます。また、職場の雰囲気や従業員に関する質問も、自分にとって働きやすい職場かどうかを確認するのに役立ちます。
面接が不安な時は?
採用面接は自分が評価される場です。誰しも少なからず不安な気持ちはあるでしょう。不安を克服するには、何よりも準備が大切です。具体的にどのような準備をすべきか説明していきます。
面接練習を重ねる
いくら面接中のマナーや作法、質問への回答を考えていても、練習なしにいきなり本番ではうまくいくか不安な気持ちになるのも無理はありません。動作や話し方は実際に体を動かして慣れておかないと、スムーズにはできないものです。実際の面接でのやりとりを想定して、入室から退室までの動作、自己紹介や受け答えの練習を鏡の前で実践してみましょう。自分の表情や動きを客観的に見ることで、改善点が見つかり、本番に向けてブラッシュアップしていけます。
自己分析を深めて強みを明確にする
強みを明確にすることで自信を持って自己アピールができるようになるでしょう。それには自己分析が欠かせません。自分の過去から印象に残っている出来事を思い出し、得意なことを見つけます。深く分析すればするほど、自身の強みに自信が持てるようになります。強みは採用面接を受ける上で必ず聞かれるといっても過言ではない質問です。面接官に深掘りされても堂々と答えられるように、自分自身を掘り下げて理解しておきましょう。
過去の経験や実績など、具体的なエピソードを準備しておく
自分について話す際には、具体的なエピソードを交えて伝えると説得力が増します。例えば、体力に自信があることをアピールしたい場合には、「学生時代に陸上部で毎日〇〇km走っていた」「新聞配達のアルバイトを〇年間続けた」などのエピソードを添えると効果的です。
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いかがでしたでしょうか。
工場の仕事に就くにあたり採用面接で押さえておきたいポイントについて説明しました。面接の基本マナーをマスターし、しっかりと準備をして、ぜひ希望の仕事に就いてください。
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