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無期雇用派遣が「やめとけ」といわれる理由は? メリットとデメリットを解説

2024.09.20

派遣の働き方として、無期雇用派遣と有期雇用派遣というものがあります。

しかし、無期雇用派遣で検索してみると「無期雇用派遣はやめとけ」というレビューや記事が出てきて、本当にやめた方がいいのか、なぜやめとけといわれているのか、気になると思います。

実際に、無期雇用派遣は向いている人もいれば、向いていない人もいます。

そこで、本記事では無期雇用派遣の基本的な情報から、無期雇用派遣で働くメリットとデメリットについて紹介します。

無期雇用派遣を考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

無期雇用派遣とは?

まずは、無期雇用派遣とはどのような働き方なのか解説していきます。

契約期間を定めない働き方

無期雇用派遣とは、契約期間を設定せずに派遣会社と派遣労働者が雇用契約を結ぶ雇用形態です。「常用型派遣」とも呼ばれていますが、「無期雇用派遣」という言葉が一般的に使われています。

有期雇用派遣と同様に、派遣会社から企業に派遣されて働きます。

「無期雇用派遣」と「有期雇用派遣」の決定的な違い

無期雇用派遣の他に、「有期雇用派遣」という雇用形態があります。

通常の派遣は有期雇用派遣にあたり、同じ派遣先企業で働ける期間が最長3年という雇用期間の制限があります。

一方で、無期雇用派遣は、3年以上同じ派遣先で就業することも可能です。

また、派遣会社とは契約期間を定めずに契約を結んでいるため、仮に派遣先での業務が終了してしまっても派遣会社との雇用関係は継続します。

また、給与の支払われ方にも違いがあります。

有期雇用派遣の給与は一般的に時給制で、就業していない待機期間や休日は給与が支払われることはありません。しかし無期雇用派遣では、派遣先企業が見つかるまでの待機期間も給与が支払われるという違いがあります。

無期雇用派遣のデメリット

無期雇用派遣について調べると、「やめとけ」「メリットがない」などのネガティブな意見が散見されます。

実際に無期雇用派遣にはどのようなデメリットがあるのか紹介します。

・派遣先が選べない
・働き方の自由度が低い
・書類選考や面接がある
・派遣先が変更となる可能性も
・派遣先企業での昇進や昇格は難しい

上記5つの項目に分けて説明します。

一つずつ見ていきましょう。

派遣先が選べない

無期雇用派遣のデメリットの1番目は、派遣先が選べないことです。

無期雇用派遣という契約は、派遣会社との契約となるため、紹介してもらう仕事は派遣会社からの「配属指示」という位置づけになります。

正社員に異動があるのと同じで、雇用されている派遣会社の指示には従わなければいけません。仕事の紹介中や切り替え中の待機期間も派遣会社は給与を支払う必要があるため、条件の合わない職場へ派遣される場合もあります。

この場合、自分で配属先・勤務先を決めることはできないものの、派遣会社では通勤時間の規定を設けており、自分の希望を出すことは可能なため、通勤が困難な仕事を紹介されることはありません。相談しやすい環境の派遣会社を選ぶことがポイントとなります。

働き方の自由度が低い

2番目は、働き方の自由度が低いことです。

有期雇用派遣の場合は、勤務日数や勤務時間、勤務地や職種など、自分に合った働き方を選ぶことができます。

一方で、無期雇用派遣は派遣会社に常時雇用されているため、単発・短期派遣のような、自分のスケジュールやプライベートに合わせて働くことは難しくなってしまいます。

働き方の自由度が低い

書類選考や面接がある

3番目は、書類選考や面接があるということです。

派遣先企業は、無期雇用派遣の社員に対して、正社員と同等の責任も伴う業務を任せることが想定されるため、派遣会社側も働く意欲のない人を無制限に採用することはできないので、書類選考や面接を設けているのです。

有期雇用派遣と比べて、雇用のハードルが上がる点やすぐに働いて収入を得ることが難しいことが人によってはデメリットになるでしょう。

派遣先が変更となる可能性も

4番目は、派遣先が変更となる可能性があることです。

無期雇用派遣は3年間の派遣期間の制限がありませんが、有期雇用派遣と同様に、派遣先の都合により短い期間で仕事が終了することはあります。

その場合は、派遣会社から別の派遣先への「配属指示」が出て派遣されますが、自分の希望に沿わない仕事になる可能性があるので注意が必要です。

派遣先企業での昇進や昇格は難しい

5番目は、派遣先企業での昇進や昇格が難しいことです。

派遣として働きながら安定した給与がもらえる無期雇用派遣ですが、正社員とは違い、派遣会社との契約であるため、昇進や昇格はスピードが遅く、困難といえます。

派遣先企業としても契約解除の可能性がある 無期雇用派遣には責任のある仕事を任せられないため、キャリアアップの対象になりにくいのです。

ただし、20代のうちは正社員と大きな違いがないケースもある他、派遣先の直接雇用に切り替わる場合もあるので、将来的に正社員を目指す手段としてはおすすめです。

また、派遣会社によっては様々な研修や資格取得支援があり、スキルアップ→キャリアアップを目指せる環境もあるので、派遣会社のフォロー/サポート体制を確認しておくとよいでしょう。

無期雇用派遣のメリット

では、無期雇用派遣で働くことにはどのようなメリットがあるのか解説します。

・雇用と収入の安定
・同一の組織で3年以上勤務が可能
・有名企業、大手企業で実務経験が積める
・賞与/ボーナス
・キャリア形成支援制度
・未経験からでも人気の職種にチャレンジできる
・待機期間も給与や休業手当が支払われる

上記7つのメリットをそれぞれ説明します。

一つずつ見ていきましょう。

雇用と収入の安定

無期雇用派遣は、有期雇用派遣と違って雇用と収入が安定するというメリットがあります。

有期雇用派遣の場合は派遣先の企業の都合により、急な派遣切りに遭うことや、契約満了後に次の仕事が見つからず、仕事も収入も寮も急に失う可能性があります。

しかし、無期雇用派遣は派遣会社との契約であるため、派遣先の企業の都合での突発終了に対しても派遣会社が仕事を用意してくれるため、雇用・収入が安定するのです。

同一の組織で3年以上勤務が可能

無期雇用派遣のメリットとして、期間制限なく働けることです。

有期雇用派遣では、派遣法により同じ派遣先・部署での勤務期間は3年までと定められていて、3年ルールと呼ばれています。しかし、無期雇用派遣では、3年ルールは適用されないので、派遣会社・派遣先企業・派遣スタッフの三方の了承がある限り、定年まで同じ職場で働くことが可能です。

長期での勤務が可能になることで、派遣先を3年ごとに探さなければ仕事がなくなるかもしれないという不安が解消できたり、スキルアップやキャリア形成の機会を得ることができたりします。

同一の組織で3年以上勤務が可能

有名企業、大手企業で実務経験が積める

無期雇用派遣での派遣先企業は、従業員規模の大きい大手企業での就業となることが多いといえます。

その理由の一つとして、大手企業は需要に応じた人材の確保のために、無期雇用派遣を活用しているからです。

そのため、正社員ではなかなか入社のチャンスが少ない有名企業や大手企業でも、無期雇用派遣ならば就業できる可能性があり、これらの企業での実務経験を積むことができるのです。

賞与/ボーナス

無期雇用派遣のメリットとしては、賞与/ボーナスがある場合があることが挙げられます。

派遣社員やアルバイトの場合は、賞与やボーナスがあることはほとんどありません。

しかし、無期雇用派遣の場合は、派遣会社が定めている昇格制度やボーナス制度、福利厚生を受けることができます。毎月の給与とは別に臨時収入として賞与がもらえるのはうれしいものですね。

キャリア形成支援制度

3年以上同じ業務に就くことができる無期雇用派遣には、キャリア形成支援制度が利用できるところもメリットの一つです。

派遣会社は、法律により派遣スタッフに対して研修を提供し、キャリア形成を支援することが義務づけられています。

無期雇用派遣の場合は長期的なキャリア形成を目的として、職務経験を蓄積しながらスキルを向上させることができるため、スキルアップやキャリア形成を図ることが可能になっています。

未経験からでも人気の職種にチャレンジできる

無期雇用派遣ならば、有名企業や大手企業で働くことが可能なことは、先述したとおりですが、未経験からでもチャレンジができるというメリットもあります。

全くの未経験から人気の職種で採用されるのは、即戦力としてスキルや経験がある人材が求められているため、難易度が高いのが現実です。

しかし、無期雇用派遣ならば、即戦力としてのスキルや経験を求められているわけではなく、需要に応じた人材の確保のために活用している企業がほとんどです。そのため、通常では採用の難易度が高い人気の職種でも、無期雇用派遣という制度を使うことでチャレンジすることができるのです。

待機期間も給与や休業手当が支払われる

無期雇用派遣は、待機期間中も給与や休業手当が支払われるというメリットがあります。

有期雇用派遣の場合は、派遣先との契約が終了した後に次の就業先が決まるまでの期間は働いていないため、給与は一切発生しません。

一方で、無期雇用派遣では、派遣先での就業が終了して待機期間になっても給与は支払われます。派遣先の契約が切れて、収入がストップしてしまうという不安がなく、安定した給与を受け取ることができるのは非常に大きな魅力といえるでしょう。

待機期間も給与や休業手当が支払われる

無期雇用派遣の働き方が向いている人は?

次に、無期雇用派遣の働き方が向いている人の特徴を紹介いたします。

・安定して長く働きたい人
・有期雇用派遣で待機期間が増えており、転換を考えている人
・スキルアップを目指したい人
・将来的に正社員になりたい人
上記4つの項目に分けて説明します。

一つずつ見ていきましょう。

安定して長く働きたい人

無期雇用派遣の働き方が向いている人の特徴の1番目は、安定して長く働きたい人です。

無期雇用派遣は、有期雇用派遣と違い3年までの雇用期間の制限がないため、長期間安定して働くことができる働き方です。収入面で安定する他、派遣先での就業が終了しても、派遣会社との雇用は続くため、次の派遣先が決まるまでの待機期間があっても収入が途絶えることはありません。

無期雇用派遣は、雇用期間と収入のどちらも不安なく働きたい人におすすめの雇用形態です。

有期雇用派遣で待機期間が増えており、転換を考えている人

2番目は、現在有期雇用派遣で働いているものの、待機期間が増えていて、転換を考えている人です。

派遣会社は、無期雇用派遣のスタッフに対して、待機期間が増えると損をしてしまいます。そのため、無期雇用派遣のスタッフには待機期間を極力短くする方針で派遣先を選定しています。

特に50代以上の方の場合、有期雇用派遣のままでは求人が減少し、待機期間が長くなる傾向にあります。

有期雇用派遣での待機期間が増えている方に関しては他の求職者よりも待機時間を短くし、安定して給与を受け取ることができるため、おすすめの働き方です。

スキルアップを目指したい人

無期雇用派遣という働き方に向いている人の特徴として、3番目にはスキルアップを目指したい人が挙げられます。

無期雇用派遣は、派遣会社の福利厚生を受けることができます。その福利厚生の一つとして、キャリア形成支援制度があります。

キャリア形成支援制度を活用することによって、派遣先でのキャリアを築きながら、スキルアップを目指すことができるのです。

将来的に正社員になりたい人

4番目は、将来的に正社員になりたい人です。

派遣先企業によっては、正社員登用という形で派遣スタッフから直接雇用の正社員にチャレンジできる場合があります。派遣期間中の就業姿勢や業務成績が評価され、正社員へチャレンジできるのです。

派遣先企業としても、正社員採用を行うよりも業務内容や環境を実際に経験している人の方が、活躍イメージが湧きやすいため、メリットが大きいのです。

ただし、会社によって難易度が高い場合もあるため、将来的に正社員になりたいのであれば、日頃の業務に責任を持って取り組む姿勢を見せる必要があります。

なお、紹介予定派遣とは異なり、必ずしも派遣先企業での直接雇用になる訳ではないので、確実になりたい方は紹介予定派遣のお仕事を探してみると良いでしょう。

無期雇用派遣の働き方が向いていない人は?

では、無期雇用派遣の働き方が向いていない人にはどのような特徴があるのかを紹介いたします。

・職場環境を自分で決めたい人
・キャリアや収入アップを目指したい人

上記2つの項目に分けて説明します。

一つずつ見ていきましょう。

無期雇用派遣の働き方が向いていない人は?

職場環境を自分で決めたい人

職場環境を自分で決めたい人は無期雇用派遣の働き方は向いていない可能性があります。

無期雇用派遣は、待機期間中にも給与が支払われますが、全く働かなくていいわけではなく、研修や業務などが発生する場合もあります。

また、求人の状況によっては、希望とは異なる職場環境の派遣先で働かなければいけない場合があります。就業時間や就業場所などの柔軟性が失われる可能性があるため、職場環境にこだわりがある方にはおすすめできない働き方です。

キャリアや収入アップを目指したい人

無期雇用派遣の働き方は、キャリアや収入アップを目指したい人にも向いていない可能性があります。

無期雇用派遣は、派遣会社との契約関係にありますが、派遣会社の昇給制度としてはあまり大きな収入アップは見込めないことがほとんどです。

ただし、キャリアや収入アップを望めない代わりに、就業時間や業務内容が大きく変わることはないため、家族やプライベートを重視した生活ができるという面もあります。

派遣会社によっては、研修や資格取得支援で自身のスキルアップをして派遣先でのキャリアアップや、ジョブチェンジ制度を使用して、現状よりも好待遇の派遣先へ異動したり、請負事業所の管理職を目指すこともできます。

正社員と何が違う? 雇用形態における重要な違い

ここまで、有期雇用派遣との違いについては多く触れてきましたが、期間の制限がなく働ける無期雇用派遣と、定年まで働き続けることができる点では同じ正社員では何が違うのでしょうか。

結論からお伝えしますと、雇われ先が大きく異なることです。

無期雇用派遣と正社員の雇用形態における重要な違いを解説していきます。

・福利厚生
・昇進の機会

上記2つの項目に分けて説明します。

一つずつ見ていきましょう。

福利厚生

正社員は会社から直接雇用されているため、就業先の会社の福利厚生を受けることができます。一方で、無期雇用派遣の場合は、就業先ではなく派遣会社の福利厚生を受けることになります。

一般的に、正社員での福利厚生の方が派遣会社の福利厚生よりも手厚いことが多いのですが、派遣会社も最近では手厚い場合や珍しい福利厚生があるほか、共通してキャリア形成支援制度があるため、スキルアップを目指すにはおすすめです。

昇進の機会

無期雇用派遣と正社員の違いとして、昇進の機会も挙げられます。

正社員の場合、業務成績により、年間1回ほどの昇進や昇給の機会がある企業がほとんどです。しかし、無期雇用派遣の場合は、契約している派遣会社の規定では昇進や昇給の機会が少なかったり、なかったりします。派遣会社によってはきちんと機会が設けられているところもあるので事前にチェックしておきましょう。

その代わり、業務内容や就業期間、就業時間にかかわらず安定した給与が得られるという利点があります。

昇進の機会

無期雇用派遣になるためには

では、無期雇用派遣になるためにはどうすればいいのか、下記の2点から解説いたします。

・無期雇用派遣の求人に応募
・有期雇用派遣から転換する

無期雇用派遣の求人に応募

1番目は、無期雇用派遣の求人に直接応募する方法です。

しかし、有期雇用派遣のように登録をするだけでいいわけではなく、派遣会社による試験や面接に合格する必要があります。

また、直接応募する場合は、未経験歓迎の職種も多いですが、中には経験が必要な職種もあるので事前に確認しておきましょう。

有期雇用派遣から転換する

2番目は、有期雇用派遣から無期雇用派遣に転換する方法です。

有期雇用派遣から無期雇用派遣に転換するには、下記2点の条件を満たす必要があります。

・派遣会社との労働契約の通算契約期間が5年以上であること
・労働者からの申し入れがあること

無期雇用派遣になりたい人は、事前に派遣先にその旨を伝えておくことをおすすめします。

まとめ

ここまで、無期雇用派遣について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

派遣会社の指示に従わなければいけないなどのデメリットから、「無期雇用派遣はやめとけ」という声はありますが、無期雇用派遣には安定した収入が得られるなどのメリットもたくさんあります。

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