「大卒なのに工場勤務はもったいないのでは?」
就職活動や転職を考える中で、こうした声を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
大学まで進学したからには、オフィスワークや専門職に就くべきという固定観念は、今なお根強く残っています。
しかし一方で、製造業の現場では大卒人材が求められており、工場勤務ならではのメリットやキャリア形成の可能性もあります。
本記事では、「大卒の工場勤務がもったいない」と言われる理由を整理したうえで、大卒だからこそ得られる工場勤務のメリットや向いている人の特徴などをご紹介します。
- 大卒で工場勤務に就くのはなぜ「もったいない」のか
- 大卒で工場勤務を選ぶメリット
- ”大卒だからこそ”の製造系職種の例
- 工場勤務で年収アップする方法
「大卒なのに給料が少ない…」と悩んでいる方にとっても参考になる情報なので、ぜひご覧くださいね。
目次
大卒の工場勤務がもったいないと言われる理由


まずは「なぜ大卒で工場勤務はもったいない印象があるのか?」を整理していきましょう。
よく聞かれる理由は、以下の4つです。
工場勤務以外にも選択肢が豊富だから
大卒者は、高卒や専門卒と比べて応募できる職種の幅が広い傾向があります。
営業職、事務職、企画職、研究職など、多様な業界・職種にチャレンジできるため「あえて工場勤務を選ぶ必要はないのではないか」と考えられがちです。
特に新卒市場では、大学卒業という学歴を評価する企業も多く、選択肢の多さが「もったいない」という印象につながっています。
大学で学んだことを活かしにくいから
工場勤務は、製造ラインでの作業や現場業務が中心になることも多く、大学で学んだ専門知識や研究内容を直接活かしにくいと感じられる場合があります。
そのため「せっかく大学で勉強したのに、知識を使えない仕事に就くのはもったいない」と捉えられることも。手や体を動かす仕事が多いイメージがあることも、要因のひとつと言えるかもしれません。
他業種と比較して給料が低い傾向があるから
製造業の工場勤務は、業種や企業規模によって差はあるものの、他業種の大卒総合職と比較すると初任給や平均年収が低めと感じられるケースがあります。
特に現場作業が中心の場合、給与水準だけを見て判断されやすい点も理由のひとつです。
キャリアパスをイメージしにくいから
工場勤務というと、同じ作業を長く続けるイメージを持たれやすく、将来のキャリアパスが見えにくいと感じられることがあります。
昇進や役割の変化が想像しづらいことも、「もったいない」と言われる背景にあります。
大卒で工場勤務を選ぶメリット


工場勤務に学歴は関係ない…そう思われがちですが、実際には大卒ならではのメリットもたくさんあるのです!
ここからはそのメリットについて詳しく解説していきます。
就職しやすい
製造業では慢性的な人手不足が続いており、工場勤務は比較的就職しやすい傾向があります。
特に大卒者は、基礎的な学力や論理的思考力を評価され、未経験でも採用されやすい点がメリット。将来性を買われて大企業に就職できた、という例も少なくありません。
幹部候補として入社できる
大卒で工場勤務に就く場合、将来的な管理職や幹部候補として採用されるケースもあります。
現場経験を積んだ後に、リーダーや管理職へ昇進する道が用意されている企業も多く、着実にステップアップしていけるでしょう。
収入が安定している
製造業は社会に欠かせない産業であり、景気の影響を受けにくい分野も多く存在します。
そのため、工場勤務は雇用が安定しており、長期的に安定した収入を得やすいという特徴があります。
実務経験を積むことができる
工場勤務では、製造現場の流れや品質管理、設備の仕組みなど、ものづくりの基礎を実務を通して学べます。
これらの経験は、将来的に管理職や技術職へ進む際にも役立ちます。
工場勤務に向いている人の特徴


安定性や将来性などのメリットはあるものの、やっぱり合わない仕事を続けるのは辛いですよね。
逆に言えば、向いている人にとっては『安定・キャリア・仕事の楽しさ』が揃う天職とも言えるかもしれません。
ここからは、そんな「工場勤務に向いている人」の特徴をご紹介します。
ものづくりが好きな人
製品が完成していく過程に関わりたい人や、ものづくりにやりがいを感じる人は工場勤務に向いています。
一人で黙々と作業するのが好きな人
工場勤務では、集中して作業に取り組む場面が多くあります。
一人でコツコツ進める作業が苦にならない人に適しています。
ルーティンワークが苦にならない人
決められた工程を正確に繰り返す作業が多いため、ルーティンワークを安定してこなせる人に向いています。
問題解決能力が高い人
設備トラブルや品質不良など、現場では予期せぬ問題が発生することがあります。
原因を考え、改善につなげられる人は工場勤務で評価されやすいです。
大卒で工場勤務できる職種の例


工場勤務は学歴不問でチャレンジできるお仕事も多いですが、せっかくなら「大卒の強みを活かす」仕事に就きたいですよね。
ここからは、大卒者が優先的に採用されやすい職種や、大卒者だからこそチャレンジできる職種の例をご紹介します。
開発設計
製品や部品の設計を行う職種で、理系出身者を中心に大卒者が多く活躍しています。
設備管理・保守
工場内の機械や設備の点検・保守を担当する職種です。
安定した生産を支える重要な役割を担います。
品質管理
製品の品質を維持・向上させるための検査や管理を行います。
データ分析や改善提案など、大卒者の強みを活かせる職種です。
生産管理
生産計画の立案や工程管理を行う職種で、現場と管理の橋渡し役となります。
半導体エンジニア
半導体製造工場では、大卒の技術者が多く活躍しています。
専門知識を生かしながら工場勤務ができる代表的な職種です。
工場勤務で年収をアップする方法


大卒で工場勤務を選ぶ際、最大の懸念点は「一般総合職などと比べて給与水準が低い」ということかと思います。
しかし実は「スキルやキャリアがそのまま給与に反映されやすい」というのが工場勤務の特徴でもあります。スタート時点の給与水準は低めかもしれませんが、ステップアップしていけば最終的に他職種より高収入を得ることも可能です。
ここでは、工場勤務で年収を上げるために重要な3つのステップをご紹介します。
ポイントは『大企業』『キャリア』『資格』です。
大企業の工場に勤務する
企業規模が大きいほど、給与水準や福利厚生が充実している傾向があります。
有名メーカーの中には大卒者を優先的に採用しているところも多いので、就職・転職の際にはぜひ大企業を選択肢に入れてみてください!
昇進によるキャリアアップを目指す
現場作業員からリーダー、管理職へと昇進することで、収入アップが期待できます。
特に大卒者は、中卒者・高卒者より昇進スピードが早い場合も。キャリアアップのルートを踏まえて職場を選ぶこともおすすめです。
資格を取得する
業務に関連する資格を取得することで、評価が上がり、手当や昇給につながることがあります。
職場で資格取得支援を行っている場合もあるので、機会があったら積極的に取得しましょう。
メリットを踏まえて工場勤務も視野に入れよう!
大卒の工場勤務は「もったいない」と言われることもありますが、実際には安定性やキャリア形成、実務経験といった多くのメリットがあります。
また製造業での経験や知識が、今後のキャリアにおいて大きな強みになる可能性もあります。
製造の知識を活かしてメーカーの広報や営業職として活躍している方もたくさんいます。工場勤務からスタートし、他の職種に興味が出たら部署異動を検討するのもひとつの方法としておすすめですよ。
自分の適性や将来像を考えたうえで、ぜひ工場勤務という選択肢を前向きに検討してみてくださいね。


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