派遣社員として働く上で給料は特に重視する要素。
正社員と比べてどのくらい収入が違うのか、地域や職種でどのような差があるのかなど、派遣社員の給料事情は誰しも気になるポイントかと思います。
- 派遣社員の時給、年収、正社員との比較
- 「地域」「職種」による給与の違い
- 派遣社員の給与の仕組み
- 派遣社員が収入を上げるためのポイント4つ
- 派遣の求人票を見る時のチェックポイント
これから派遣で働こうと考えている方や、現在の収入に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
派遣社員の給料の実態


まずは、派遣社員の「給料事情」についてみていきましょう。
派遣社員の時給について
派遣社員の給料は「時給制」が一般的です。
平均的な派遣社員の時給は1,200円~1,800円程度*が多く、職種や地域によって大きく変動します。
例えば、事務職や軽作業の場合は時給1,200円前後が多く、専門スキルが求められるエンジニアやIT関連の職種では、時給2,000円を超えることもあります。
*2025年(令和7年)9月時点の金額
派遣社員の月収・年収
時給制の場合、月収は「時給×労働時間×出勤日数」で算出します。
一般的なフルタイム(週5日、1日8時間勤務)の場合の月収・年収の目安は以下のとおりです。
<時給1200円の場合>
1200(円) × 8(時間) × 21(日)
⇒月収20万1600円
⇒年収241万9200円
<時給1800円の場合>
1800(円) × 8(時間) × 21(日)
⇒月収30万2400円
⇒年収362万8800円
※いずれも残業手当、深夜手当、賞与など含まない金額となります。
上記はあくまで目安です。実際は、勤務時間や休みの日数、残業の有無などによって変動します。また深夜帯(22時~5時)の勤務がある場合は深夜手当が加算されるので、上記の金額より高い月収・年収となります。
無期雇用派遣と有期雇用派遣の賃金差
派遣社員には「有期雇用派遣」と「無期雇用派遣」があります。
この2つの主な違いは「雇用期間の定めの有無」です。賃金に対して確定的な違いはありませんが、長期就業を前提とした「無期雇用派遣」の方が賃金がやや高めの傾向があります。
また、有期雇用派遣は契約満了とともに次の職場で新たな契約を結び直すことも多いため、収入が安定しにくいというのが実情です。
こうしたことから、長期においての収入面を比較すると、無期雇用派遣の方が収入は高くなりやすいと言えます。
▼無期雇用派遣に向いている人の特徴についてはこちらもチェック!
無期雇用派遣に向いているのはどんな人? 特徴を6つ紹介 – ものっぷナビ
正社員との比較
同じ職種で比較した場合、給与相場は正社員の方が派遣社員より高い傾向があります。
基本給(月給)の金額だけで比較すると、派遣社員と正社員で大きな差はない場合もあります。ただし正社員は基本給に加え、ボーナスや各種手当が含まれるため、年収ベースでみると差が出やすいです。
また定期的な昇給・昇進などがあることも踏まえると、収入面では正社員の方が有利になりやすいと言えるでしょう。
ただし、派遣社員は勤務時間や働く期間を柔軟に調整できるメリットがあります。生活スタイルに合わせた働き方を選択でき、様々な職場でスキルを身に付けステップアップを目指せる、という魅力があります。
地域・職種による給料の違い


派遣社員の給料相場は、地域や職種によって大きな違いがあります。ここからは、その違いを詳しく解説していきます。
エリアごとの時給の違い
派遣社員の時給は地域によって大きく異なります。首都圏や大都市圏は時給が高い傾向にあり、関東圏の平均時給は1,500円**前後とされています。一方、地方都市や農村地域では1,000円~1200円**前後と低くなることが多いです。
**2025年(令和7年)9月時点の金額
都市部と地方で給料に差が出る理由
都市部は企業数が多く求人が豊富なため、派遣社員の需要も高く、結果として時給相場が高くなります。また、生活費が高いことも賃金上昇の一因です。
対して地方は求人が少なく、競争率が高いため、時給が低めに設定されやすくなっています。
企業「人手が欲しい」⇒時給が高くなりやすい
・地方エリア
求職者「仕事がしたい」⇒時給が高くなりにくい
職種による時給の違い
職種によっても、時給相場は異なります。
一般的に事務や軽作業など、資格がなくてもチャレンジしやすい職種は、働き手が集まりやすいこともあり時給相場は低めです。
一方でITエンジニアや医療職など、特定のスキルや専門資格が必要な職種は、時給相場が高い傾向にあります。
▼主な職種の時給相場の違い**
- 事務職:1,100円~1,400円
- 製造業(組立・検査など):1,200円~1,600円
- ITエンジニア:1,800円~2,500円
- 医療・介護職:1,200円~1,700円
**2025年(令和7年)9月時点の金額。
時給が高い職種
上記のとおり、IT関連のプログラマーやエンジニア、CADオペレーターなど、業務に直結するスキルが必要な職種は高時給が期待できます。
また医療技術職や介護職など、仕事をする上で資格保有が必須の職種も高い時給設定が一般的です。
その他、大手メーカーの製造スタッフも時給が高い傾向にあります。特に日本の主要産業である自動車メーカーや生産機械メーカーは、未経験でも専門職並みの高時給で求人募集が出ることも多くあります。
派遣社員の給料の仕組み


アルバイトやパートと違い、派遣会社を通して給料を受け取る派遣社員。
その仕組みや、実際に受け取れる金額(手取り)について改めて見ていきましょう。
派遣会社から給与が支払われる仕組み
派遣社員の給与は、実際に働いた時間に応じて派遣会社から支払われます。
企業が派遣会社に派遣料金を支払い、その中から諸経費を差し引いたものが、派遣社員の給与となります。
手取り額について
時給表示は額面のため、実際の手取り額は社会保険料や所得税などが引かれた後の金額になります。一般的に、額面から10~20%程度差し引かれることが多いです。
また、交通費の支給があるかどうかも手取り額に影響します。交通費支給がない場合は、その分自己負担となるため注意が必要です。
給料日について
給料日は派遣会社により異なりますが、締め日は月に1回、支払いは翌月1回という形式が一般的です。
支払い日は毎月10日、15日、20日など様々。中には、給与の一部を日払いや週払いで受け取ることができるシステムを導入している派遣会社もあります。
収入を上げるためのポイント
派遣社員は働き方の自由度が高いけど、その分、収入は上がらない…そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか?
派遣社員としての働き方でも、収入を上げる方法はあるんです!
ここでは、ぜひ覚えておきたい「4つのポイント」をご紹介しますね。
資格取得やスキルの向上で時給アップを狙う
資格を取得したり、専門的なスキルを身に付けることで、時給アップが期待できます。
例えば、IT系資格、フォークリフト免許、介護資格などが代表的です。スキルの向上は即戦力として評価されるため、給料交渉もしやすくなります。
夜間勤務や残業手当で収入を増やす
深夜帯(22時~5時)や、定時を超えての残業は、割増時給となります。そのため夜勤を増やしたり積極的に残業対応をすることで、収入を大幅にアップさせることができます。
無期雇用派遣に切り替えて収入を安定させる
無期雇用派遣は雇用期間の定めがなく、安定した給料と福利厚生が期待できます。
有期雇用派遣で働いていて、より収入を安定させたいと考えている方は、無期雇用派遣への切り替えを検討してみることもおすすめです。
高時給の職種を選ぶ
ITエンジニアや専門技術職など、思いきって高時給が狙える職種にチャレンジしてみることも有効な手段の1つです。
それらの職種の中には、育成前提で未経験者を募集しているところもあります。初めは時給が低いかもしれませんが、スキルを身に付けていくことで時給アップを狙えたり、高時給の職場への転職チャンスも増えていきます。
少し時間はかかるかもしれませんが、一度スキルを身に付けてしまえば、求人も多く好条件で働ける可能性がぐっと高まります。
派遣の求人票を見るときのポイント


仕事探しの際、求人票を次々と見ていると、つい給与や休日などに目がいきがちですよね。ですがそれだけで仕事を決めてしまうと、働き始めてから「ちょっと違ったかも」と後悔することも。
ここでは、派遣の求人票を見る時に必ずチェックしたいポイントをまとめてご紹介します。
各種手当や福利厚生
求人票には時給だけでなく、交通費支給の有無、資格手当、残業手当などが記載されています。支給される手当は必ず確認しましょう。
また、社会保険や特別休暇の適用条件も重要なポイントです。介護休暇、慶弔休暇、育児休暇などの取得規定は派遣会社によりことなるので、事前にチェックが必要です。
無期雇用派遣や紹介予定派遣の有無
安定して長く働きたい場合、無期雇用派遣や紹介予定派遣の求人を探すことも大切です。
無期雇用派遣は契約満了により働けなくなる、という不安がなくなります。また紹介予定派遣は、就業先での正社員登用のチャンスにつながります。
どちらも収入面や働き方を安定させたいという方には、メリットが多い選択肢です。
近隣エリアの時給相場や求人動向
地域によって求人の多さや時給相場は異なります。もし、住んでいる地域では高収入の仕事がなかなか見つからない…とお悩みなら、少しエリアを広げて仕事を探してみるのも1つのおすすめの方法です。
派遣社員の大きなメリットとして、「いろいろな職場を経験できる」ということが挙げられます。ぜひ視野を広げ、さまざまな視点で選択肢を持ってみてください。
まとめ
派遣社員の給料は、職種や地域などにより大きく異なります。都市部では高時給の仕事も見つかりやすいですが、それ以外のエリアでは「働きたい人」の競争率が高く、なかなか納得がいく収入を得られる仕事が見つからない場合もあります。
収入アップのためには、資格取得や専門スキルの取得が効果的です。また、長期的に見て高収入を叶えるのなら、無期雇用派遣や紹介予定派遣など安定した働き方を検討するのもおすすめです。
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今回ご紹介した情報を、ぜひあなたの仕事探しに役立ててくださいね。