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製造と加工は何が違うの?定義や基本概念、主な仕事内容について徹底解説!

製造系のお仕事情報を見ていると、「食品製造」「食品加工」などの表記をよく目にします。どちらも「食品を作る仕事」であるこの2つ、具体的にどう違うの?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、製造業における「製造」と「加工」の違いについてお伝えしていきます。

特に製造と加工の使われ方が曖昧になりがちな、食品製造と金属加工については個別に詳しく解説いたします。

これから製造系ワークへの転職を考えている方はもちろん、「今の職場で、正直どっちがどっちかよくわからない…」という方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

【この記事で分かること】
・製造と加工の定義とは?
・製造工程と加工工程の違い
・主要な製造業の種類(業種)
・食品製造の主な仕事
・金属加工の主な仕事

なお、この記事でご紹介している言葉の定義や工程の定義、業種の説明などは、一般的な捉え方・情報としてまとめています。
現場により必ずしも同じ意味合いで使われているとは限らないので、ご注意ください。

製造と加工の定義とは?

まずは「製造」と「加工」の定義についてです。
言葉としての定義、ものづくりの工程としての定義に分けて解説していきます。

「製造」と「加工」の違いとは

製造と加工の言葉としての定義は、以下のような違いがあります。

製造

原材料を使って新しい製品を生み出すこと全体を指します。
たとえば、鉄やプラスチックなどの素材を使って、自動車や家電などの完成品を作ることが該当します。

加工

既存の素材や部品に対して形を変える、付加価値を与える行為を指します。製造の一部であることも多く、部品の切削や塗装などがその例です。

  • 「製造」はゼロから作る、「加工」は形や性質を変える作業と言えます。

製造工程の定義と基本概念、主なステップ

製造業において、製造工程は「ゼロから製品完成まで」の全体を指すことが一般的です。
製造工程では、以下のような主要なステップがあります。

1.    設計:製品の仕様や構造を定める
2.    原材料の調達:必要な素材を用意
3.    加工・組立:各部品の加工・組立て
4.    検査・品質管理:完成品の品質確認
5.    出荷:製品を出荷し納品

これら一連の流れを通じて、ひとつの製品が完成します。

加工工程の定義と基本概念、主なステップ

加工工程は「手を加えて形や性質を変える」という作業を指すことが一般的です。
加工工程では、以下のような主要なステップがあります。

1.    素材の準備:加工する部品や材料を準備
2.    形状変更:切削、研磨、熱処理など
3.    表面処理:塗装、めっきなど
4.    検品・調整:製品としての性能確認

加工工程はあくまで「製造」の中の一部作業として含まれることが多いですが、加工だけを請け負う専門職も多く存在します。

製造工程と加工工程の違い

次に、製造と加工それぞれの工程における具体的な違いについて詳しく見ていきましょう。

範囲と焦点の違い

製造工程は、企画から出荷までの全体工程を含みます。一方、加工工程はその中の「部分的な作業(形状変更や表面処理)」に焦点を当てています。

ステップの具体性

加工工程は、より具体的な技術や方法(例:レーザー切断、研磨など)にフォーカスされますが、製造工程は大枠のフロー全体に着目する傾向があります。

責任の分担

製造業務では、生産管理、品質管理、在庫管理などの広範な責任が発生します。一方、加工担当者は主に作業の精度や品質など、特定業務での技術面に対して責任を持ちます。

主要な製造業の種類(業種)

上記までで、製造は「モノづくりのプロセス全般」を指すということがお分かりいただけたかと思います。いわば製造業の業務そのものとも言えますね。


そんな「製造」をより深く理解するために、製造業にはどんな業種があるのかをぜひ知っておきましょう。
ここでは特に代表的な分野を紹介します。

自動車

自動車製造は、主に車体の枠組みを扱う工程と、エンジンや電子制御装置などの一部のパーツを扱う工程に分けられます。パーツの工程はさらに、自動車を動かすための内部装置を扱う工程、シートや窓枠などの内装を扱う工程に細分化できます。
組立・加工・塗装・溶接など工程も多岐に渡り、多くの人が関わる巨大産業です。

化学工業

化学工業は、医薬品、肥料、塗料、樹脂などの化学製品を取り扱う分野です。開発や実験などの研究分野や、検査・検証などの品質管理の工程の比重が他の業種より大きい点が特徴です。

食品

食品製造は、加工食品、冷凍食品、飲料などの製造を行う業種です。後述するように、調理・盛り付け・包装・検品など幅広い工程があります。ほとんどの作業がクリーンルームで行われるなど、衛生管理が特に厳格な業種です。

電気機械

電気機械分野では、家電、半導体、電子部品などを製造します。設計関連の業務は専門の資格や技術を保有するエンジニアが担うことがほとんどですが、製造業務はマニュアル化され未経験者でもチャレンジできる場合が多いです。
製造工程はクリーンルーム内での精密作業が中心で、女性も多く活躍しています。

食品製造の主な仕事

求人サイトなどの情報を見ると「食品製造と食品加工でほとんどお仕事内容が変わらない…なにが違うの?」と思うことも多いと思います。

食品製造では仕事の内容をわかりやすくするために、材料から製品にするまでを「製造」と表現することも多く、意味合いとしては加工とほぼ同じになってしまうためです。

ここではそんな食品製造の「全体のプロセス」をご紹介。加工と区別するために、ぜひ参考にしてみてください。

加工

食材をカットしたり、味付けを施したりする工程です。包丁やスライサー、専用マシンを使った作業が多くなります。

調理

炒める・煮る・焼くといった加熱調理を担当します。調理ラインでの一括調理が基本で、温度や時間の管理が重要です。

盛り付け

製品をパッケージに入れる前に、見た目や重さを整えて仕上げる工程です。スピードと正確性が求められます。

検査(検品)

異物混入や不良品がないかを確認する作業です。目で見てチェックする作業のほか、センサーなどを使って検査する場合もあります。

袋・箱詰め

完成品を袋詰め・箱詰めして出荷用にする作業です。検査とまとめて実施される場合もあります。

清掃・洗浄

衛生管理のための清掃作業です。作業台、調理器具、床などを、決められた手順で洗浄し消毒します。

金属加工の主な仕事

金属加工においては、専門業者も多く「その工場で行う作業のほぼすべてが加工」という場合もあります。ゼロから製品を作ることもありますが、他のメーカーや工場で作った部品を受け入れ、加工のみ行ってまた他のメーカーや工場に出荷する、という事業形態の工場も多く存在します。

ここでは、そんな金属加工の主要な加工方法をご紹介します。

機械加工

成形加工

金属を押し出したり曲げたりして目的の形にします。(例:プレス加工、鍛造)

除去加工

不要な部分を削り、形を整えます。(例:旋盤加工、フライス加工など)

付加加工

溶接やろう付けによって材料を付け加えます。

接合加工

複数の部品を接着やボルトなどで組み合わせます。

熱処理加工

全体熱処理

部品全体を高温で加熱し、硬度や靱性を高めます。

表面熱処理

表面のみを硬化させる処理方法です。摩耗に強くする目的で行います。

表面処理

めっき

金属の表面に別の金属をコーティングし、耐食性を高めます。

研磨

表面を滑らかに仕上げ、光沢を出したり精度を高めたりします。

塗装

防錆や外観向上のため、塗料を塗布します。

ショットブラスト

金属表面に小さな粒を吹き付けて、サビや汚れを除去します。

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似たような使われ方をすることもある「製造」と「加工」。今回の記事を参考に、ぜひ違いを理解してお仕事探しに役立ててくださいね。

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