再就職を目指す方やスキルアップを考えている方に注目されているのが「職業訓練」です。
この記事では、「公共職業訓練」「求職者支援訓練」の違いや選び方に加え、訓練を受けるメリットや注意点も徹底解説します。
- 職業訓練とは?
- 公的職業訓練(ハロートレーニング)の種類
- 職業訓練を受けるための申し込み手順
- 職業訓練を受けるメリット
- 職業訓練を受けるデメリットはあるの?
- 職業訓練以外の就職活動も検討しよう!
- まとめ
「ハロートレーニング」の名称で知られる公的制度を活用すれば、無料または低コストで実践的なスキルが習得可能です。
職業訓練の申込手順や給付金の詳細まで、これから訓練を受ける人に必要な情報を網羅的に紹介しています。
訓練の種類から給付金の条件、就職への活用法まで一気にわかる内容になっています。
制度を正しく理解し、後悔のないキャリア選択をするための一助として、ぜひ最後までご覧ください。
目次
職業訓練とは?
職業訓練とは、就職や再就職を目指す人が必要なスキルや知識を習得するための公的制度です。
公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類があり、雇用保険の有無により利用制度が分かれます。
原則無料で、全国のハローワークを通じて申し込みが可能です。
【参照】ハロートレーニング公式ページ(厚生労働省):
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/hellotraining_top.html都道府県ごとの詳しい職業訓練情報については、以下のページから確認できます。
▶ 都道府県別の職業訓練情報を見る(厚生労働省)公的職業訓練(ハロートレーニング)の種類


公的職業訓練は、就職やキャリアアップを目的として国が提供する職業訓練制度で、「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2つに分類されます。
いずれも原則無料で受講可能で、職種に応じた多様なコースが用意されています。
雇用保険の受給資格の有無に応じて、利用できる制度が異なる点が特徴です。
公共職業訓練
公共職業訓練は、雇用保険の受給資格がある離職者を主な対象とした制度です。
職業能力開発校やポリテクセンターで実施され、就職に直結する実践的なスキルを学べます。
訓練には施設内訓練と、都道府県が民間に委託する委託訓練の2種類があります。
訓練期間は3ヶ月〜2年程度とコースにより異なり、ハローワークでの相談・選考を経て受講が決まります。
求職者支援訓練
求職者支援訓練は、雇用保険を受給できない人を対象とした制度で、フリーターや主婦、長期失業者などの就職を支援するために設けられています。
訓練は民間教育機関などで行われ、ハローワークと訓練機関が連携して就職をサポートします。
一定の条件を満たせば、職業訓練受講給付金(月10万円)の支給を受けながら受講できます。
職業訓練で受けられるコースの種類
職業訓練では、再就職に役立つ多様なコースが用意されています。
以下の表に、代表的なコースとそれぞれの特徴をまとめました。
目指せる職種:WEBデザイナー、クリエイター
習得できる内容:HTML/CSS、デザイン基礎、サイト制作
目指せる職種:事務職、営業職
習得できる内容:Word、Excelなどの基本操作
目指せる職種:プログラマー、システムエンジニア
習得できる内容:Java、Pythonなどの開発言語
目指せる職種:CADオペレーター、設計アシスタント
習得できる内容:AutoCAD、図面作成の基本操作
目指せる職種:介護職、福祉関連職
習得できる内容:介護技術、福祉用具の扱い方
目指せる職種:病院・クリニックの事務
習得できる内容:レセプト作成、医療保険制度の理解
目指せる職種:ネイルサロンスタッフ
習得できる内容:ネイルケア、アート、接客マナー
目指せる職種:造園業、公園管理など
習得できる内容:植栽、土木作業の基本、工具の使い方
職業訓練を受けるための申し込み手順
職業訓練を受講するためには、ハローワークでの相談から始まり、申し込み、選考、受講の手続きといった一連の流れがあります。
申し込んですぐに受講できるわけではなく、準備や審査が必要です。
希望する訓練に確実に参加するためには、各段階の手順を理解し、早めに行動することが大切です。
求職申し込み・職業相談をする
まずはハローワークに出向いて「求職申込み」を行います。
求職申込みでは、自分の希望職種や現在のスキル、就職に関する状況を登録します。
その後、職業相談員との面談で、どの種類の職業訓練が適しているか、今後の就職活動の方針について話し合います。
この段階では、自分の適性や目指す職業を明確にし、訓練内容とのミスマッチを防ぐための重要なプロセスとなります。
受講申し込みをする
受講したいコースが決まったら、ハローワークで「受講申込書」を提出します。
申込書には、希望する訓練コース名や自身の状況、志望動機などを記入します。
募集期間内に申請しなければならないため、訓練の開始時期を含めたスケジュール確認が必要です。
応募書類の記入ミスや提出遅れがないように、ハローワーク職員に相談しながら進めると安心です。
訓練機関で面接や試験を受ける
申込み後、訓練機関ごとに設けられた選考に進みます。
選考は面接や筆記試験、作文などが中心で、訓練に対する意欲や適性が問われます。
評価基準は訓練機関によって異なるため、事前に案内資料やウェブサイトで内容を確認しておくと安心です。
面接では志望動機や将来の就職プランについて具体的に話せるよう、準備しておきましょう。
選考結果が通知され、受講あっせんを受ける
選考の結果は郵送などで通知され、合格した場合はハローワークから正式に「受講あっせん(受講指示)」を受けます。
この手続きにより、訓練受講が正式に確定します。
不合格だった場合は、別の訓練コースに再応募することも可能です。
人気のコースでは倍率が高くなるため、複数の候補を検討しながら柔軟に対応することが重要です。
職業訓練を受けるメリット


職業訓練は、再就職を目指す人やスキルアップをしたい人に向けた公的制度で、多くのメリットがあります。
経済的支援を受けながら、実務に直結するスキルを学べる環境が整っており、就職への近道となることも少なくありません。
ここでは、代表的な5つのメリットを紹介します。
メリット1 基本的に無料で受講できる
職業訓練の多くは受講料が無料で、テキスト代や実習材料費など一部負担はあるものの、民間スクールに比べて圧倒的に低コストです。
費用面の不安を軽減しながら、必要なスキルを身につけることができる点は大きな魅力です。
メリット2 就職に有利な知識やスキルが身に付き就職の幅が広がる
訓練内容は実務に直結しており、受講することで就職に有利なスキルや資格を習得できます。
これまで経験のない分野にも挑戦しやすくなり、転職やキャリアチェンジの選択肢が広がります。
メリット3 職業訓練給付金が支給される
一定の条件を満たすことで、月10万円の職業訓練受講給付金を受け取ることができます。
経済的に不安定な状況でも訓練を受けられるよう支援されており、生活と学習の両立をサポートします。
メリット4 自己都合退職でも失業保険がその日から受給できる
通常、自己都合で退職した場合は失業保険に給付制限期間がありますが、職業訓練を受けると待機期間終了後すぐに受給が開始されます。
経済的な空白期間を最小限に抑えられるのは、大きなメリットのひとつです。
メリット5 生活リズムを保ちやすい
職業訓練は平日昼間の決まった時間帯で実施されるため、規則正しい生活リズムを維持できます。
失業期間中の生活の乱れを防ぎ、働く習慣を継続できるという点でも有効です。
職業訓練を受けるデメリットはあるの?


職業訓練は多くのメリットがありますが、一方で注意しておきたいデメリットも存在します。
制度の特性や申込み条件、受講中の生活への影響など、事前に知っておくことでミスマッチを防ぐことができます。
ここでは代表的な5つのデメリットを紹介します。
デメリット1 申し込みから受講までの手続きに時間がかかる
職業訓練は申込みから受講開始までに複数の手続きと時間がかかります。
ハローワークでの相談、申込書の提出、訓練機関での選考などを経る必要があり、受講開始まで1〜2ヶ月以上かかるケースもあります。
デメリット2 職業訓練受講給付金の支給要件がシビア
給付金の支給には厳格な条件があり、収入や資産の制限、全日出席などをクリアしなければなりません。
条件を満たしても毎月の審査があるため、途中で給付が停止されることもあります。
デメリット3 講座の質にばらつきがある
職業訓練は訓練機関によって講師やカリキュラムの質に差があることがあります。
期待していた内容と異なる場合もあるため、事前に見学や説明会に参加し、内容をよく確認することが重要です。
デメリット4 訓練期間が長くなってくると収入面の不安が出てくる
訓練中は給付金や手当で生活を支えることになりますが、金額は限られており、長期間の訓練では生活費に不安が出ることもあります。
アルバイトをすることも可能ですが、条件が厳しく、十分な収入を得るのは難しい場合があります。
デメリット5 訓練終了から1年間はほかのコースを受けられない
職業訓練を一度修了すると、次に別の訓練を受けられるまでに1年の期間を空けなければなりません。
途中でコース変更もできないため、訓練内容をよく検討したうえで申し込む必要があります。
職業訓練以外の就職活動も検討しよう!
職業訓練には多くのメリットがありますが、「申し込みから受講までに時間がかかる」「生活費の不安がある」「希望するコースに通えない」といった課題もあります。
そのため、「できるだけ早く働きたい」「今すぐ収入を得たい」という方には、派遣という働き方も一つの有力な選択肢です。
派遣会社に登録することで、担当者によるサポートを受けながら、希望条件に合った仕事を紹介してもらえます。
職歴や資格に不安がある場合でも、未経験OKの案件も多数あり、チャレンジしやすいのが魅力です。
さらに、派遣社員として働く場合でも、社会保険や有給休暇、健康診断などの福利厚生が整っているケースが多く、安定した働き方が可能です。
「どんな仕事が向いているかまだわからない」「正社員になる前に色々な職場を経験してみたい」という方にもおすすめです。
まずは派遣会社の登録から始めて、就業までの流れや条件を確認してみるとよいでしょう。
まとめ
職業訓練は、無料で受講できるうえに、スキル習得や就職支援が充実しており、再就職を目指す人にとって心強い制度です。
一方で、申し込みから受講までに時間がかかる点が気になる方もいるかもしれません。
そんな方には、「ものっぷ」のような派遣求人サービスもおすすめです。
未経験OKの製造・工場系求人が多く、福利厚生が整っており、登録後すぐに働ける案件も豊富です。
ただし、応募状況によってはすでに募集が終了していることもあるため、気になる方は早めの登録をおすすめします。
- 職業訓練は公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類がある
- 原則無料でスキル習得や資格取得を目指せる
- 職業訓練給付金や失業保険の支援制度が利用できる
- 申込みから開始までに時間がかかる点に注意
- 希望コースが受講できない可能性もある
- 派遣登録など、他の就業手段も柔軟に検討を

