フィールドエンジニアは、製品を導入した顧客先で、製品の設置やメンテナンス、トラブル対応などを行い、専門知識と高度なスキルが求められます。そして「会社の顔」となる部分もあることから、技術面だけでなく、顧客と良好な関係を構築するコミュニケーション能力や、顧客の要望を正確に理解し、技術的な問題を分かりやすく説明する能力も重要です。大変な部分もありますが、専門知識やスキルを身につけることによりエンジニアとして成長でき、顧客と距離が近い分、直接感謝されたり顧客の満足度に直結し、やりがいを感じやすいといえるでしょう。本記事ではフィールドエンジニアとして活躍するためのおすすめの資格や、役立つ経験について詳しく紹介します。これからフィールドエンジニアを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事の要約】
・フィールドエンジニアとサービスエンジニアの違い
・フィールドエンジニアにおすすめの資格
・フィールドエンジニアの仕事に役立つ経験は?
・フィールドエンジニアとしてのキャリア形成
・将来的なキャリアの展望と可能性
では1つずつみていきましょう。
なお、例として挙げるものはそれぞれ一部です。たくさんありますので代表的なものに絞っています。
目次
フィールドエンジニアとサービスエンジニアの違い
フィールドエンジニアと少し呼称が違うもので、サービスエンジニアという職種もあります。フィールドエンジニアは「顧客先で対応する技術職」で、サービスエンジニアは「販売した製品や設備のメンテナンス等を行う技術職」です。一般的にフィールドエンジニアは製品導入全般の顧客サポートを対応しますが、サービスエンジニアはその中でも、製品の設置やメンテナンスといった、より顧客に密接したサポートを行います。「エンジニア」という職種は通常、会社内部のシステム構築や保守、運用を任されているため顧客先に出向いたり、表に出ることは稀です。しかし、このフィールドエンジニアやサービスエンジニアはどちらも「顧客先で対応する」エンジニアで「フィールドサービスエンジニア」と一緒に表現することもあり、この2つに大きな違いはありません。いずれも顧客満足度を高めるために不可欠な存在であり、技術と対人スキルの両方が求められる重要な職種です。


フィールドエンジニアにおすすめの資格
次に本題となる、フィールドエンジニアにおすすめの資格を詳しく説明します。こちらはフィールドエンジニアになるための必須の資格ではなく、あくまでおすすめの資格です。
・MCP資格(マイクロソフト認定試験)
・機械設計技術者試験
・ITパスポート試験
・コミュニケーション検定
・普通自動車免許
では1つずつ説明します。
MCP資格(マイクロソフト認定試験)
まず1つ目は、マイクロソフト認定資格プログラム(MCP:Microsoft Certification Program)です。こちらは全世界に通用する共通資格でマイクロソフト製品に対する知識と技能をレベル別に認定する試験です。MCPのレベルは、4つに分類されています。
始めた方向けの初級レベルが「Fundamentals」
実務で扱っているような中級レベルが「AssociateとSpecialty」
より専門性の高い上級レベルが「Expert」です。
フィールドエンジニアは自社の製品をサポートする際に、マイクロソフトのOSやソフトウェアと連携することが多く、設定や管理、トラブル対応などでいかすことができるため、おすすめです。
機械設計技術者試験
2つ目は機械設計技術者試験です。機械設計に関する知識と技術力を認定するための資格で、簡単な方から3級、2級、1級の3つのレベルがあります。3級はどなたでも、学生の方でも受験することができますが、2級と1級は受験するには実務経験が必要です。おすすめの理由は、ハードウェアの設置やメンテナンスの対応をする際に役に立つことと、合格することにより、技術や知識があることを会社や顧客に対して証明することができるからです。
ITパスポート試験
3つ目はITパスポート試験です。ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の一つです。ITに関する基礎知識を証明する国家資格で、IT業務の基本的な内容を学ぶことができます。まだ知識がない方も勉強してスキルアップを目指せますし、合格することにより、スキルの証明となります。受験資格は特になく、どなたでも受験することができます。国家資格ですが合格率は50%前後で比較的取得しやすく、未経験からITに関連するフィールドエンジニアを目指す場合は、まずこちらの資格の取得がおすすめです。
コミュニケーション検定
4つ目はコミュニケーション検定です。普段何となく取っているコミュニケーションに検定があることを知らなかった方もいるのではないでしょうか。コミュニケーション検定とは、交流場面における「話す」行為において、相手の状況を正しく理解したうえで、自分の意思を目的や場面に応じた適切な表現でわかりやすく示し、効果的に相手に伝える能力を認定するものです。コミュニケーションに関する「基本的な考え方の理解度」と、その応用として、状況に応じて的確な対応をとるための「実践力」を測定します。初級と上級があり、受験資格は特になく、どなたでも受験することができます。フィールドエンジニアは技術やスキル以外に、状況について顧客へヒアリングする力や、正しく伝える力が求められます。そのような時に、こちらの資格はコミュニケーションに役に立つ能力が取得できますので、コミュニケーション能力に不安がある方はチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
普通自動車免許
最後は普通自動車免許です。会社により異なりますが、社有車などの自動車を使用して取引先へ移動する機会も少なくはありません。特にトラブル発生時などは、必要な部品や工具を載せてすぐに出発できる自動車での移動が便利です。チームで行動する場合は、他の方に運転してもらえることもありますが、自分で運転できるに越したことはないでしょう。


フィールドエンジニアの仕事に役立つ経験は?
ここまでおすすめの資格を紹介しましたが、資格以外に、フィールドエンジニアの仕事で役に立つ経験について説明します。フィールドエンジニアは顧客対応の機会が多いため、対人スキルが非常に重要です。そのため、顧客とコミュニケーションを取る機会の多い職種、特に折衝機会が多い営業や接客業での経験は役に立ちます。例えば、顧客の要望をしっかりと聞き取り、適切な対応をしてきた経験は大いに役立つでしょう。また、時には製品に対するクレームを受けることもあるため、顧客の不満や問題を迅速かつ冷静に対応する、クレーム対応の経験も役立つでしょう。さらに、工場や製造業での生産工程に携わり、設計や構造についての知識・知見を得ていれば、製品の修理や問題点の発見に役立ちます。
フィールドエンジニアとしてのキャリア形成
フィールドエンジニアとしてのキャリア形成には、技術的スキルと実践経験の積み重ねが重要です。まずは基本的な知識と技術を身につけます。扱う製品のことはもちろんですが、関連する製品や技術についても、理解や知識を深めていく必要があります。本記事で紹介した資格の取得もおすすめです。資格を取得することにより、専門知識や技術的な能力を客観的に証明することができます。また、顧客先での対応が多いフィールドエンジニアは、コミュニケーション能力の向上も求められます。顧客やチームと円滑にコミュニケーションを取ることができれば、問題解決が迅速に行えるだけでなく、信頼関係の構築につながり、キャリアを形成していく上で大きな武器となるでしょう。
将来的なキャリアの展望と可能性
幅広い業界でITシステムの利用が拡大しているため、フィールドエンジニアの需要は高く、今後もその需要は高水準で推移すると予想されています。あらゆる製品にIoT(モノのインターネット)が組み込まれ、ITシステムの利用が増えていることからも、フィールドエンジニアの必要性が分かります。また、AIの活用などにより、システムは高度化しています。フィールドエンジニアとして、常に新しい技術を学び続けることが求められますが、専門的な知識やスキルを身につけておくことにより、キャリアの可能性を広げることができ、様々な業界へと活躍の場を広げることもできるでしょう。知識や技術、コミュニケーションスキルを学び、経験を積んでいくことで将来的にはチームリーダーやプロジェクトマネージャー、責任者といった管理職を目指すことも可能です。
最後に
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