フィールドエンジニアとは、自社製品と取引のあるクライアント先に出向き、現場で直接的なサービスを提供するエンジニアのことです。
未経験からでも技術者が目指せる職種ですが「自分にもできるのだろうか」と疑問を抱いている方も多いと思います。
そこで本記事では、フィールドエンジニアの仕事内容や魅力、向いている人の特徴などについてご紹介します。
【この記事の要約】
●フィールドエンジニアとは
●フィールドエンジニアの仕事内容や役割
●フィールドエンジニアの仕事の魅力は?
●フィールドエンジニアに向いている人の特徴
●フィールドエンジニアの将来性は?
●フィールドエンジニアを目指すには?
未経験からフィールドエンジニアに転職をされる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
フィールドエンジニアとは
フィールドエンジニアとは、自社製品のユーザーをサポートする仕事です。自社が販売したITシステム・機器などの導入先へ訪問し、製品の設置から修理、メンテナンスなどの保守運用まで幅広く対応します。対象製品はオフィスや店舗における各種ITシステムのほか、産業機器や半導体の製造設備など多岐にわたります。フィールドエンジニアは技術職ですが、ユーザーと直接コミュニケーションを取る機会が多いことから「会社の顔」としての役割も担う職種です。
フィールドエンジニアの仕事内容や役割


フィールドエンジニアの仕事内容は携わる業界によって左右されますが、一般的には以下の4つが挙げられます。
●製品トラブルへの対処と解決
●製品の設置・セットアップ
●保全・メンテナンスなどサポート業務
●製品の営業活動
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
製品トラブルへの対処と解決
フィールドエンジニアのメイン業務となるのは、製造機器などの製品トラブルへの対処と解決です。クライアントからトラブルが発生したとの連絡を受けると、フィールドエンジニアは早速状況をヒアリングし、故障箇所や原因を分析します。その後、必要な道具や交換部品を持参して現地へ出向き、機器を修理して早急にトラブルを解決します。なお、システムが異常を検知してエンジニア側に直接連絡が入るケースでは、クライアントにトラブルの報告を入れてから素早く行動を起こします。
製品の設置・セットアップ
せっかく納品しても、クライアントがその製品を使いこなせなければ意味がありません。そのため、製品の設置・セットアップもフィールドエンジニアの重要な役割です。このとき、クライアントの目線に立って、製品の特性や使い方をわかりやすく説明することが求められます。また、クライアントが製品をどのように使用するかを把握しながら、要望に合わせた運用方法の検討を進めることが重要です。
保全・メンテナンスなどサポート業務
フィールドエンジニアは、製品導入後の保守・メンテナンスなどのサポート業務も担います。製品のトラブルが起こると、クライアントの業務に支障をきたす恐れがあります。製造業の場合、機械の故障によって生産停止となれば、納品ができない事態になりかねません。このような大きなトラブルを未然に防ぐために、寿命が到来する前の部品を交換したり、定期メンテナンスに取り組みます。製品の導入後もクライアントの安定稼働を提供し続けることで、自社製品の信頼にも繋がるでしょう。
製品の営業活動
フィールドエンジニアの仕事は、製品の導入や運用支援などの技術職だけではありません。クライアントと直接やり取りをする機会が多いことから、営業職のような面も求められます。カスタマーサポートの業務をこなしつつ、クライアントとの良好な関係を築くことで自社製品の継続的な導入に繋がります。
フィールドエンジニアの仕事の魅力は?
フィールドエンジニアはユーザーと直接関わり合いながら製品の運用をサポートするため、必然的にコミュニケーションスキルが身に付きます。また、エンジニアとしての知識やスキルを向上させることがユーザー満足度に直結するため、大きなやりがいと責任感を持って取り組める点も特徴です。
また、現場経験を積むことで、冷静な状況判断や的確な現場対応ができるようになり、ユーザーから感謝される機会も増えるでしょう。自分の仕事がビジネスの成長に大きく貢献できる点はフィールドエンジニアの持つ大きな魅力です。
フィールドエンジニアに向いている人の特徴


フィールドエンジニアの仕事のやりがい・厳しさは、どちらもユーザーとの関わり合いが関係しています。そのためユーザーとのコミュニケーションを前向きな気持ちで取れる人は適性があるでしょう。また、機械とじっくり向き合う仕事なので機械いじりが好きな人にも向いています。
フィールドエンジニアに向いている人の特徴は、次のとおりです。
●機器の設計や構造についての知見
●ヒアリング力・コミュニケーション能力
●臨機応変な対応力・柔軟性
●問題解決能力
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
機器の設計や構造についての知見
フィールドエンジニアは自身の知識と経験を頼りに、クライアント先で発生した機器トラブルを解決しなければなりません。機器の設計や構造についての知見は必要不可欠です。例えば、IT機器を導入した場合はそれに付随するネットワーク知識も必要になるので、IT機器全般の取扱いが得意であることも大切です。
なお、機器トラブルは設置環境にも関わるため、クライアント先によっては想定外のトラブルに遭遇することもあります。機器自体に興味を持ちトラブルとしっかり向き合うことができる人は適性があるといえます。
ヒアリング力・コミュニケーション能力
クライアント先でトラブルが起きた場合、フィールドエンジニアの役割は機器の修理だけではありません。まず、早急にトラブルを解決するため、クライアンから詳細の聞き取りを行います。このとき、トラブルの発生によってクライアントが不機嫌であっても、聞くべきことをしっかり聞かなければ復旧作業をスムーズに進めることができません。
また、トラブルの原因や対処法をわかりやすく説明し、復旧までの見込み時間なども明確に伝えることも大切です。クライアンはトラブルに対して不満を抱いていたり、業務が滞ることへの焦りを感じている可能性があります。相手の意図を理解して円滑なコミュニケーションを取ることで、安心感を与えられます。ヒアリング力やコミュニケーション能力がある人はフィールドエンジニアに向いているでしょう。
臨機応変な対応力・柔軟性
いざ現場に足を運んでみると、作業がしにくい場所に機械が設置されていたり、必要な部品が揃わなかったりと予想外のトラブルに遭遇することもあるでしょう。フィールドエンジニアはどんな状況でも、できる限りの対応を尽くすことが求められます。そのため、臨機応変な対応力や柔軟性がある人は適性があります。また、休日にトラブル対応が発生した際は、気持ちの切り替えの早さも大切です。
問題解決能力
クライアント先でのトラブルの原因が、事前に想定していたこととは異なる場合もあります。そのような場合でも、原因や対処方法を探って一刻も早く復旧することが求められます。そのため、これまでの経験や知識をもとに諦めずに解決方法を考え抜ける人や、粘り強さのある人はフィールドエンジニアとしても活躍できるでしょう。
フィールドエンジニアの将来性は?


現在、IoT(モノのインターネット)やAIなどの技術改革の影響により、製品の複雑化が進んでいます。そのため、複雑な機器やシステムの知識があり、製品の使い方を説明できる人材の必要性は高いです。フィールドエンジニアは今後も広い分野で活躍する機会が増えることから、将来性がある職種といえます。
ITシステムの利用拡大・高度化による需要増
近年、あらゆる製品にIotが組み込まれるようになり、幅広い業界でITシステムの利用が拡大しています。高度なITシステムは複雑で障害発生のリスクも高いため、効果的に運用するには専門的な知識と高度な技術が必要です。IT分野においてフィールドエンジニアの需要は増しており、今後も成長が期待されています。
製造現場の安定的な稼働には欠かせない存在!
製造現場においては、製造機械の稼働率を高めて生産性の向上を図ることが重要視されています。この背景には、少子高齢化による人手不足や新製品の生産サイクルが短くなっていることなどが影響しています。そのため、製造機器の故障を未然に防ぐとともに、故障が発生した際は速やかに復旧し、安定稼働を維持する必要があります。このことから、製造現場の安定的な稼働のためにフィールドエンジニアの役割は重要といえます。
フィールドエンジニアを目指すには?
フィールドエンジニアは他の技術職に比べて未経験からでも目指しやすい職種といえます。なぜなら、企業の特定の製品に特化しているケースが多く、幅広い専門知識がなくても対応しやすいからです。そのため、ものづくりの業界に入るキッカケとして志望する人が多いです。
また、フィールドエンジニアとして働きながら、製品知識や高度な技術を身につけることで本格的にエンジニアとしてのスキルアップを図ることも可能です。もしくは、フィールドエンジニアの業務を通してユーザーとのコミュニケーションに魅力を感じ、メーカーの営業職に転身するといったキャリアパスもあります。
なお、フィールドエンジニアの育成を図るために、IT関連の資格取得を推奨する企業もあります。例えば、IT業務の基本的な内容が習得できる「ITパスポート」や、「MCP」と呼ばれるMicrosoftによる認定資格などが挙げられます。企業によっては、普通自動車運転免許が必須な場合もありますので、応募時に確認が必要です。加えて、ユーザー対応スキルの必要性が高い職種なので「コミュニケーション検定」の資格取得や顧客折衝経験などもアピールポイントになります。
まとめ
この記事では、フィールドエンジニアの仕事内容や魅力、向いている人の特徴などについてご紹介しました。高い専門性やコミュニケーション能力などが求められるフィールドエンジニアですが、ユーザーとの関わり合いを通して感謝や安心に触れる機会の多い仕事です。機械修理やトラブル解決後に得られる「ありがとう」の言葉は、大きなやりがいに繋がるでしょう。
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なお、応募状況により定員が埋まってしまっている可能性もありますので、応募したい求人があれば早めに動きだしましょう。

