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製造業の職種とは?職種や業種ごとの特色をご紹介

2024.09.20

「ものづくりに漠然とした興味があるが、自分の適性に合う仕事があるのか知りたい」

この記事にたどり着いたあなたは、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。
製造業の仕事内容を細かく分類すると非常に多く、今回例として挙げるものはその一部です。私たちの身の回りにある製品は全て製造業が関連しており、無数にあるので代表的なものに絞って解説します。ぜひ仕事探しの参考にしてください。
この記事では、製造業の職種や業種ごとの特色について下記の通り説明していきます。

●私たちの生活を支える製造業の職種は大きく3つに分類できる!
【技術職:事務系】代表的な職種と役割・仕事内容
【技術職:エンジニア】代表的な職種と役割・仕事内容
【技能職(技能工)】代表的な職種と役割・仕事内容
●業種ごとに異なる仕事の特色
●まとめ

それでは、詳しく解説していきます。

私たちの生活を支える製造業の職種は大きく3つに分類できる!

ひと口に製造業といっても、職種別に分けると多岐にわたります。身の回りのあらゆる製品が販売されるまでの工程を想像してみるとわかりやすいかもしれません。ここでは部門ごとに、職種を大きく3つに分類して説明します。

●【技術職:事務系】代表的な職種と役割・仕事内容
 ・ 商品企画 
 ・ 研究開発
 ・ 生産管理
 ・ 品質保証
 ・ 品質管理
 ・ 購買

●【技術職:エンジニア】代表的な職種と役割・仕事内容
 ・ 機械設計
 ・ 電気設計
 ・ 回路設計
 ・ 制御設計
 ・ 組込系開発
 ・ 金型設計
 ・ 生産技術
 ・ 製造技術
 ・ 設備保全

●【技能職(技能工)】代表的な職種と役割・仕事内容
 ・ プレス加工
 ・ 鋳造・鍛造
 ・ 旋盤
 ・ 研磨
 ・ 溶接
 ・ 塗装
 ・ 組み立て
 ・ 検品

一つずつ詳しく見ていきましょう。

【技術職:事務系】代表的な職種と役割・仕事内容

まず、製造業の「技術職:事務系」と呼ばれる職種についてまとめます。実際に、製造工程に入る前の企画・研究の段階や、生産ライン全体の管理などの職種が含まれます。ジャンルによっては高度な専門知識が必要な場合があります。詳しくは以下の通りです。

商品企画

商品企画は、市場調査やこれからの需要を予想して「売れる商品」を企画する仕事です。より魅力的な製品になるように、企画の段階から競合分析を行う、既存商品があれば使用感を新商品に反映するなどで購買につなげます。製品化するためには、価格設定・コストを加味した企画の立案が求められます。また、社内でプレゼンを行うことも多く、プレゼン力が求められます。

研究開発

研究開発は、食品、機械工学、物理学などのより専門性が高い知識をもって、安全で品質の高い商品になるように研究開発を行います。競合会社に負けないように、既存技術を応用したり、最新技術を導入したり、知識のアップデートが必要です。また、スピード感をもって製品化するために、社内での進捗・予算管理や交渉力、プレゼン力が求められます。

生産管理

生産管理は、製造に必要な業務全般を把握・調整・指揮するための管理を行います。原材料の仕入れから適正な量を生産するまでの計画を立て、各部署へ材料の在庫が切れないように供給。納期を逆算したスケジュール調整、人員確保なども重要な役割です。それにより「良質な製品を、低コスト、短納期で」実現し、売り上げを向上させる目標達成を目指します。

品質保証

品質保証は、製品の品質を担保するための業務全般を行います。関わる範囲は広く、製造の現場から、出荷時、納品後にわたって製品の状態を確認・調査します。製造時の調査や納品先へのヒアリングから、問題が発生した場合には製造の現場へフィードバックを行い、品質を保ちます。時には顧客からのクレーム対応も行い、品質の責任を負います。

品質管理

品質管理は、不良品を出さず、かつ安全な商品になるように規格を定め、検査などを繰り返し行います。関わる範囲は製造時のみで、上述の品質保証で担う業務の一部でもあります。主な業務は、工程管理・品質検査・品質改善の3つです。それぞれの業務を通して、不良品を検知し、改善します。「Quality Control(品質管理)」を略してQCと呼ぶ場合もあります。

購買

購買は、原材料などを含む製造プロセスで必要なものの発注を行います。製造業においては、予算・原価の把握、購入のタイミングなどの管理が他業種と比べても重要で、購買が選任して取り仕切る場合がほとんどです。ただし、製品自体の品質・コスト・納期にも関連するので、生産管理との連携も必要です。また、請求書の管理や検収など発注に関わる業務を行います。

 【技術職:エンジニア】代表的な職種と役割・仕事内容

続いて、製造業の「技術職:エンジニア」の仕事をまとめます。企画された製品を設計、図面化などを行います。また、近年ではIoT化が進むなど、製造業においてもインターネットとの連携が求められ、エンジニアとしての仕事の需要は増加しています。

機械設計

機械設計は、顧客からの要望(用途・必要な機能など)をもとに、機械の開発・設計を行います。コンセプトの決定から始まり、必要な技術・資材の確認、類似製品を調査します。それらを設計図に反映し、製図ソフトなどを用いて設計通りに実現するかシミュレーションを重ねます。「Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)」のQCDに対する意識も必要です。

電気設計

電気設計は、製品における電気の配線・基盤・制御盤などの設計を行います。また近年では、「IoT家電」などと呼ばれるような製品が登場し、あらゆるものがインターネットとつながることで製品の利便性が向上しているのと同時に、電気設計はますます需要が高まっていく職種といえます。機械の動力源や電気配線に携わる設計なので、製造業の上流から下流工程まで関わります。

回路設計

回路設計は、電子機器に内蔵される電子回路の設計を行います。その設計者のことを「回路設計エンジニア」とも呼びます。電気設計と大枠としては同じですが、より専門性が高い電子回路(デジタル回路やコンデンサなど)の精密部品を担当します。想像しやすいのは、家電製品、スマートフォン、自動車、医療機器などです。シミュレーションを繰り返し、製品化を目指します。

 制御設計

制御設計は、機械に組み込む制御システムを開発し、指示や規格通りに動かす制御設計を行います。上述の電気設計や回路設計によって設計された電気配線や回路を基盤として「正常にコントロールさせる」ための設計なので、自動車や家電など安全性を保つ上でも制御システムは欠かせません。また、製造現場において使用する産業用ロボットやコンピューターの制御システムの構築も行います。

組込系開発

組込系開発は、電化製品(スマートフォン・パソコン・家電など)の中にあるコンピューターに組み込まれるシステムを開発します。「設計通りに作動させる」ためのシステム構築で、小型機器(ハードウエア)とそこに埋め込まれたプログラム(ソフトウエア)の両方を作ります。ソフトウエアの開発においては、ITエンジニアとして分類されることもあります。

金型設計

金型設計は、製品の大量生産時に使用する「金型」を設計します。一般的には、金型に原料の金属やプラスチックを流し込み、同一の品質を保ちつつ効率的に製造をするため製造業において重要な業務です。近年では3Dプリンターを導入するなど、技術の進歩にともない、金型のバリエーションが増えたり、設計や金型製造のスピードが向上したりと変化しています。

生産技術

生産技術は、生産ラインの管理や設計を行い、効率的な生産体制を確立します。短期間・ローコストでいかに大量に製造できるかを任務としており、製造現場のスタッフに改善点をヒアリング、機械・人員の配置などを見直しつつ、適切な設備の導入なども行います。生産ラインの全体を調整するため、一部でトラブルが発生した場合には、生産ラインに滞りが発生しないように調整します。

製造技術 

製造技術は、上述の生産技術と重複する部分もありますが、生産ラインに対してより局所的に各工程が効率的かつ高品質に生産できるようにマネジメントを行います。生産設備の問題解消、効率化、安全性の向上などの改善を行い、単なる量産ではなく品質の担保が製造技術においては重要です。また、品質向上に向けてより具体的な指揮(圧下スピードや焼き入れ時間の調整など)をとり、テコ入れを図ります。

設備保全

設備保全は、生産設備に対して修理やメンテナンスを行います。設備が故障した際には、修理だけではなく再発防止策も同時に求められます。また、計画通りに製造するにあたっては突然の故障は致命的です。定期的にメンテナンスを行うことで予防的に設備の故障を回避する役割があり、生産設備の中で働く従業員の安全確保にも直結する重要な業務です。

【技能職(技能工)】代表的な職種と役割・仕事内容

3つ目に、製造業の「技術職(技術工)」の仕事をまとめます。部品を作ったり、実際に製品の組み立てを行ったりと、製造業のイメージに一番近いかもしれません。製品によって用いられる技術はさまざまですので、以下では代表的な職種を紹介しています。

プレス加工

プレス加工は、プレス機で材料に圧力をかけ、金型通りの形に加工します。製造物によって「せん断」「曲げ」「絞り」という加工技術を使い分け、飛行機や自動車などの大型部品から、リチウム電池の容器や電子部品などの小型部品まで、スピーディに製造します。低コストでより大量に生産することができる金型のノウハウを発揮した技術です。

鋳造・鍛造

鋳造は、液状化した金属を鋳型に流し込み、冷やして固める加工です。より自由度が高く、アクセサリーの複雑なデザインまで製造できます。

鍛造は、「鍛える」と表現されるように金属をたたいて強度を高めて成形する加工です。日本刀の刀鍛冶の仕事がこれにあたり、特に耐久性を必要とするもの(包丁、自動車部品、ゴルフのドライバーなど)で鍛造技術が用いられています。

旋盤

旋盤は、回転台(チャック)に取り付けた金属を高速回転させ、専用の工具(切削バイト)で削る、切削加工です。円筒状の加工物に丸みを持たせた形状になるように削り取ったり、溝切り、穴あけ加工をしたりすることもできます。切削バイトの使い分けにより、削り取る形状や大きさを変えることができます。細かな操作が必要で、職人の技が求められます。

研磨

研磨は、要するに「磨く」という加工です。砥粒(とりゅう)と呼ばれる、硬度の高い粒を含んだ砥石を押しつけ、加工物の表面を削って滑らかにします。多くは仕上げで用いられますが、表面を少しずつ削ることができるので、表面の汚れやサビ防止などの目的で研磨加工が施されることもあります。製品の見栄えや質感に関わる重要な工程です。

溶接

溶接は、複数の金属部品などの接合させたい部分を加熱・加圧することで溶かし、冷やし固めることで接合する加工です。金属加工の中でも技術の差が出やすいといわれるほど難易度が高く、何年もの経験や知識が必要です。接合部に隙間や厚みができない溶接技術は、アクセサリーなどの貴金属、家具などに用いられます。

塗装

塗装は、製品や部品に対して、ペンキなどの塗料を塗ることです。見た目をよくするだけの目的ではなく、耐火・防腐・紫外線対策・サビ防止など、安全性を高めたり劣化を防止したりする目的でも塗装が施されます。塗装は大きく分けて「建築塗装工」「板金塗装工」があります。素材との相性など、用途によって塗料の調合・使い分けが必要です。

組み立て

組み立ては、製造された部品を設計図面通りに組み立てる工程です。大きな部品を運んで組み立てるなどで体力が必要か、小さな精密機器を組み立てるなどで手先の器用さや集中力が必要かは、製品によって異なります。また、産業用ロボットを導入している場合もあります。そのほかのシール貼りや組み立て後の目視検査なども含まれる場合があります。

検品

検品は、納品前に製品の状態を確認し、不良品があれば排除する業務です。検品方法は製品によって異なりますが、主には、異物混入がないか、正しく動作するかなどのチェックを行います。未経験であっても、資格がなくても始めやすい業務ですが、長時間集中できることや、正確性・スピード性が求められ、顧客の満足度に直結する重要な役割です。

業種ごとに異なる仕事の特色

最後に、業種ごとに製造業の特色を解説します。これまでに述べた通り、製品によって製造工程や技術は大きく異なることがわかりやすいかと思います。ぜひ業種選びにお役立てください。

・ 機械関連の製造業
・ 医薬品関連の製造業
・ 電子部品
・デバイス関連の製造業
・ 食品関連の製造業
・ 木材・木製品製造業

一つずつ順に見ていきましょう。

機械関連の製造業

機械関連の製造業は、機械(工作機械、建築機械など)を製造する仕事で、設計・開発から部品の製造、組み立てまで行います。ほとんどの産業には機械が取り入れられており、主に企業向けの製品を作る場合が多いようです。自動車や農機具や造船など、興味のあるジャンルの製造業を選べるという点でも魅力があります。また、最先端技術にも触れることができるので、スキルアップにもつながります。

医薬品関連の製造業

医薬品関連の製造業は、医薬品製造の化学工業です。主に製造する医薬品は、医療機関向けの「医療用医薬品」と消費者が薬局などで購入できる「一般用医薬品」の2つに分けられます。新薬の開発には長い年月と膨大な費用が発生することから、研究職が注目されることが多いかもしれません。製造工程においては、人体に投与する医薬品であるため、原料の搬入から出荷に至るまで厳密な品質管理による安全性の確保がなされます

電子部品・デバイス関連の製造業

電子部品・デバイス関連の製造業では、家電や半導体など最新技術を活用した製品作りを行います。近年では家電などのIoT化も進み、生活に即した製品のおかげで利便性も向上しています。製造段階で類似製品と比較し、性能やデザイン、マーケティング力などで競合会社と差をつけることも重要です。需要を先読みした商品を企画・開発することで、スマートフォンのようなライフスタイルに大きな変革を与える製品を生み出すこともあります。

食品関連の製造業

食品関連の製造業は、私たちの生活に欠かせない食品の製造を行い、毎日の食生活を豊かにしてくれる仕事です。安全性・衛生面の配慮は大前提として、よりおいしい製品になるように日々改良が行われています。また、食品のジャンル(冷凍食品、スナック菓子、調味料など)によって、製造工程は大きく変わります。また、工場では大量生産されることが多く、賞味期限などが関係する食品製造は、わずか数日の間に出荷までを行います。

木材・木製品製造業

木材・木製品製造業は、古くから親しまれてきた木材を原材料にした製品を製造します。木材は汎用性が高く、建築資材などの大型の木材を加工する製材所から、調理道具などの小型製品の製造までさまざまです。インテリアに関わる家具などは、木材の温もりを好んで選ばれることも多いでしょう。製造工程では、木材の性質に合わせた加工が行われます。また、木材の強度で用途を使い分けることで、より安全で高品質な製品を生み出すことができます。

まとめ

今回の記事では、製造業において、代表的な職種を詳しく解説しました。

これから製造業に就きたいとご検討中の方は自分の適性を見るためにも、まずは派遣の仕事からスタートしてみてもよいかもしれません。

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