みなさんは仕事探しの際に、住み込み派遣の仕事を考えたことはありませんか?
筆者は、温泉地の雰囲気が好きで、家を借りなくていいなどの理由から、旅館の仲居として住み込みで働くことを考えたことがあります。住む地域や住居に制限がなければ、住み込みの仕事は魅力的です。
なお、この記事で例として挙げる住み込み派遣の仕事は一部です。ほかにもたくさんありますが、代表的なものに絞ってまとめました。
【この記事の要約】
● 住み込み・寮とは?
● さて、実際の寮はどんな感じ?
● 住み込み・寮がある派遣のメリット
● 住み込み派遣のデメリット
● 住み込み派遣のよくあるQ&A
● 住み込み・寮付き求人のココをチェック!
それぞれ詳しく解説していきます。
目次
住み込み・寮とは?
そもそも「住み込み」とはどのような仕組みなのでしょうか。
「住み込み」とは、勤務先に住み込んで仕事をする、あるいは勤務先が用意した寮や周辺のアパート・マンションなどに住み、そこから通って働く仕事の形態をいいます。
求人票には、「寮完備」「住み込み」「社員寮あり」などの文言が付されています。自分で住まいを探す手間が不要な上、家賃無料や食事の提供があったり、通勤に時間がかからなかったりするのがメリットです。また、寮生活のため、一緒に住む同僚とも仲良くなりやすいといった特徴もあります。
住み込み・寮付きの仕事はどんな業種や職種に多い?
住み込みや寮付きの仕事は、「住み込みにした方が求人が集まりやすい業種や職種」に多く見られます。
具体的には次のような仕事です。
例えば工場のお仕事
大きな工場だと大量の商品・製品を製造するために24時間稼働しているところが多くあります。また、工場を建てるには広い敷地が必要なため、勤務地が都市部から離れているケースも多いでしょう。これらの背景から、工場での仕事は、夜勤シフトや遠方からでも働いてもらえるように、工場の敷地内や周辺に住み込みの寮を用意しているメーカーもあります。
例えば農業のお仕事
農家の一日は朝が早く、種まき、草取り、収穫、農産物の仕分けとあっという間に一日が終わります。部分的に仕事を手伝うだけでは、農業の仕事は習得できません。
特に将来的に農業を仕事にしたいと考えている人は、何よりその土地のコミュニティになじむことが必須になります。住み込みながら農家の人々と生活を共にし、農業を学びながら人脈を築くことで将来の道が開いていくためです。このような仕事の特性から住み込みの求人が多くなっています。
リゾート地のお仕事、いわゆるリゾートバイト
そもそもリゾート地は、住民が多く集まる都市部から離れた場所にあります。北海道から沖縄まで全国各地の観光地で働く仕事のため、遠方からでも働きに来られるように寮が完備されています。ちなみに寮の費用は無料で、食事も支給されることがほとんどです。
リゾートバイトには新しい体験や経験を得ようと積極的に行動できる人が多く集まる傾向があり、人との出会いには事欠かないでしょう。
さて、実際の寮はどんな感じ?
寮が用意されているといってもその形態はさまざまです。
一般の賃貸物件を勤務先が借り上げてくれる場合もあれば、その名の通り「〇〇寮」という社員寮に入居する場合もあります。
形態別に見ていきます。
一般賃貸物件の場合
一般の賃貸物件を勤務先なり派遣会社なりが契約して借り上げてくれる場合は、寮とはいっても自身で物件を借りて生活する場合と変わりありません。単身向けであれば、6~8畳程度のワンルームが多く、物件によっては最初から家具や家電、Wi-Fiが完備されていたり、会社側が備品レンタルを手配しておくこともあるようです。地域によりワンルームよりも広い、2Kやロフトが付いている物件の場合もあるでしょう。
派遣会社が所有する寮の場合
派遣会社が所有する寮は、一棟所有の集合寮が多く、風呂・トイレ・洗面・洗濯室が共用で個室が用意されているのが一般的です。この場合、寮に食堂があるケースもあります。また、玄関やキッチンなどが共用のシェアハウスに近い寮も存在します。
また、一棟所有の集合寮であっても、通常のマンションのようにエレベーターやエントランスのみが共有でその他は別々(各部屋で独立)の寮もあります。
その分、自身で賃貸物件を借りて住むのと同じように掃除や食事は自身で対応する必要がありますが、同じマンションであってもそれぞれのプライバシーがしっかり守られるので人気があるようです。
派遣先企業の所有する社員寮の場合
派遣先企業が所有する社員寮は、勤務場所と同じ敷地内や近隣にあるケースが多数です。通勤負担を減らして仕事に専念できる環境が整えられています。寮の形態は派遣会社所有の寮と同じく集合寮で、風呂・トイレ・洗面・洗濯室は共有、それに個室が付くイメージです。中には一般賃貸物件のように一部屋ごとに完備されているケースもあります。
派遣先企業の寮では、企業の社員と同じ空間で生活をするため、社員同士のコミュニティが醸成されやすくなります。
住み込み・寮がある派遣のメリット
住み込み・寮がある派遣には以下のようなメリットがあります。
● 初期費用が安く抑えられる
● 通勤が楽
● 即入寮できる物件がある
● 赴任や引っ越しのサポートがある
いずれも魅力的な特徴です。一つずつ見ていきます。
初期費用が安く抑えられる
一般の賃貸物件を自分で借りる場合には、基本的に敷金・礼金がかかります。相場は家賃の1カ月~2カ月分といわれており、家賃とは別に支払わなくてはなりません。ほかにも、不動産業者への仲介手数料や保証料、火災保険料などを合わせると、だいたい家賃の5倍は初期費用として準備しておく必要があります。
住み込みによって浮かせられる金額
住み込みと比べてどのくらい費用に差が出るか、家賃5万円の物件を例に検証してみます。
初期費用は以下の通りです。
【家賃5万円の物件にかかる初期費用】
敷金1カ月分
礼金1カ月分
仲介手数料1カ月分
家賃1カ月分保証料・火災保険料1カ月分
合計:25万円(5万円×5カ月分)
これに対し、住み込みなら家賃以外の初期費用はゼロ円です。
家賃補助や寮費無料が付いている場合がある
初期費用がかからないことに加えて、さらに家賃(寮費)までも無料だったり、補助が出る場合もあるようです。住み込みにすると金銭的な負担は限りなく低く抑えられるでしょう。
通勤が楽
住み込みの寮は、基本的に勤務地の近くにあることが多く、仮に距離がある場合は、無料の送迎バスなどが用意されていることが多く、公共交通機関のダイヤを気にする必要がありません。朝の通勤ラッシュでストレスがたまる可能性はゼロです。
派遣の仕事では給料に交通費が含まれているケースもありますが、住み込みだと交通費がかからないので給料は丸ごと好きなことに使えます。
通勤時間も大幅に短縮できるため、その分睡眠時間も多く確保できます。生活の質が上がって生き生きと仕事ができるでしょう。
即入寮できる物件がある
派遣会社で管理している物件のため、空いていれば即入寮できることも。最短だと仕事への応募当日に入寮できるケースもあります。ただし、派遣会社の所有する寮は勤務先企業の寮と違って、必ずしも職場に近い場所にあるとは限りません。そのため、なるべく職場に近い寮に入るためにも、気になる求人を見つけたら早めに派遣会社へ問い合わせることをおすすめします。家具や家電は備え付け、またはレンタルできる場合が多いので、即入寮が可能な場合はリュックサック一つで入寮可能です。
赴任や引っ越しのサポートがある
派遣会社の中には赴任や引っ越しに伴って、寮までの交通費や引っ越し費用を負担してくれる会社もあります。住み込み・寮付きの仕事は、まとまったお金がない人でもすぐに仕事と住居を確保できるのが最大のメリットです。
住み込み派遣のデメリット
先に説明した通り、住み込み派遣にはメリットがたくさんあります。ただし、仕事を辞める場合や集団生活が苦手な人にとっては以下のようなデメリットを感じることもあるでしょう。
● 住む場所、部屋を選べない
● 環境によってはストレスに
● 寮の清潔感が気になる場合も
● 寮周辺の環境にぜいたくがいえない
● ストレスがたまる場合も
● 仕事を辞めると家も失う
一つずつ見ていきます。
住む場所、部屋を選べない
住み込み派遣の寮は、勤務地の近くにあります。工場派遣の場合は、寮が工場の敷地内にある場合もあり、人によってはプライベートとの切り替えが気になるかもしれません。もちろん部屋の広さや間取りも決まっています。空いてる部屋に順番に入居するので、たとえ日当たりなどの希望があったとしても通らないものと考えておきましょう。
これは一般賃貸物件の借り上げ社宅でも同様です。自分個人で借りるときのような希望は通らないので、住む場所や部屋に強い希望がある人はデメリットに感じるでしょう。
環境によってはストレスに
寮すべてに当てはまる問題ではありませんが、壁が薄かったりすることでほかの人の生活音が気になる人もいます。隣の部屋の入居者も同じ職場であることが多いため、余計に気にしてしまうのかもしれません。
寮の清潔感が気になる場合も
寮といえば一般的に「古い」「汚い」といったイメージがあるように、特に地方の工場併設の寮などでは築年数の古い物件も存在します。古さに関しては長く住んでいると慣れてくるといった声もありますが、どうしても気になる人もいるでしょう。
また、管理会社によっては、頻度などの問題もあり清掃が行き届いていないこともあるようです。
寮周辺の環境にぜいたくがいえない
寮は都市部から離れた郊外に建てられていることが多く、周りにコンビニや店などが何もないケースも珍しくありません。特に工場勤務の場合は、広い敷地を確保するために田舎に建てられていることがあります。コンビニすら数キロ先にしかない、という環境も十分に考えられます。
ただし、寮によっては車やバイク持ち込みが可能なところもあるので、立地と合わせて確認しておくとよいでしょう。派遣会社によっては、自転車レンタルが可能な場合もあります。
ストレスがたまる場合も
集合寮の場合は、その名の通り集団生活です。相部屋でなければ一人の空間は確保できますが、風呂や洗濯などは共用になるため、いつでも自分の好きな時間に自由に使えるというわけにはいきません。マナーやルールを守らない入居者もいるでしょう。このような日常生活の一つ一つにストレスがたまってしまう人には集団生活は厳しいかもしれません。そのような方は、借り上げ寮を選ぶと良いでしょう。
仕事を辞めると家も失う
住み込み派遣は、その派遣会社から派遣されて仕事をしていることが住まい提供の条件です。仕事を辞めたり、派遣契約期間の更新をしたりしなければ、寮からも退去することになります。
住み込み派遣は退職がもたらす影響が非常に大きくなります。派遣先からも解雇や契約更新しない旨を言い渡されないように勤務態度には十分気を付けてください。
仕事も家もない人にとって両方同時に得られる大きなメリットがある一方で、その逆もあることを心に留めておきましょう。
住み込み派遣のよくあるQ&A
住み込み派遣についてよくある質問をまとめました。参考にしてください。
家族、カップル、ペットと住めるの?
寮では基本的に単身を想定したものが多く、家族やカップル、ペットとの入居は不可の場合が多いです。
ただし、借り上げ物件や完全個室寮の場合は家族やカップル、ペットとの入居が可能な場合もあります。それぞれの規則を確認しましょう。また、農業の仕事で田舎の農家に住み込む場合なども、お世話になる農家が許可してくれれば大丈夫でしょう。
なお、ペット可な物件でもペットの種類によっては不可になるケースもあります。必ず事前に確認しておいてください。
寮費無料のからくりは?
従業員の立場からすれば、寮費無料の仕事は給与がもらえる上にタダで住めるという好条件のため、どういうからくりなのか疑う人もいるかもしれません。
工場の仕事など24時間体制でフル稼働させる仕事は、従業員を2交代制などにしています。夜勤シフトの従業員は公共交通機関がないため、遠方から通勤してもらえない代わりに、近くに寮を用意することで従業員を確保します。従業員が集まる=生産ラインが正常に稼働する=利益が出るため、寮費無料が可能になるというからくりです。
黙って退去!どうなる?
住み込みの寮から黙って退去した場合、まずは会社から何度も電話での連絡があります。仕事も無断欠勤となるわけですから何か事件に巻き込まれたのではないかという心配も含め、安否確認の意味でも何とか連絡を取ろうとしてくるでしょう。本人と連絡が付かない場合は、緊急連絡先として登録してある実家などにも連絡が入ります。派遣会社の場合だと、今後派遣の仕事は紹介してもらえなくなる上、未払いの給料の受け取りも大変気まずくなることが予想されます。
仕事を辞めたい、もしくは寮を退去したくなったら必ず担当者に相談しましょう。
住み込み・寮付き求人のココをチェック!
最後に、住み込み・寮付き求人で注意してチェックすべきポイントについて説明します。
寮のタイプが集合寮か一般物件のどちらなのかを確認する
「住み込み」「寮付き」と一言で言っても、寮の形態は、集合寮から普通の一人暮らしと変わらない借り上げ社宅まで種類があります。どちらに入居するかによって、生活スタイルはまるで変わります。
特にプライベートを大切にしたい、オンオフをはっきり区別したい人に集合寮は不向きです。すぐに退職してしまわないためにも、自分のスタイルに合った寮を選びましょう。
寮費無料や寮費補助、さまざまなパターンがあるため会社規定しっかりチェック
寮付き求人がすべて無料なわけではありません。もちろん自分で賃貸物件を借りるよりはるかに格安ではありますが、一部補助が出るパターンなどその特典は会社ごとに異なります。
また、同じ寮費無料の会社でも、いつまで無料となるのか、家賃以外の水道光熱費などは自己負担なのかなどの規定は一つ一つ異なるため、隅々まで確認しておく必要があります。
寮費はいくらかかるのか、水道光熱費は別途かかるのか
寮費が無料でない場合には自分で払うことになります。あらかじめ金額を確認しておきましょう。その際、水道光熱費は寮費に含まれるのか、それとも別途かかってくるのかなども重要な確認ポイントです。毎月固定費として引かれる分は自由に使えないお金ですので、把握しておかないとどれだけ使っていいかわからなくなります。
家具家電は設置されているか、設置されているならレンタル料はどうか
一般的に、住み込み派遣で用意される寮は家具・家電付きが多くなりますが、自分が必要とするすべての家具・家電が備わっているとは限りません。もし、足りないものがあれば自分で手配する必要があります。また、備え付けの家具・家電にそもそもレンタル料がかかる場合もあります。寮費と同様に、その会社の規定によって異なる部分ですので、入居してから慌てることのないように最初に確認しておきましょう。
寮周辺の利便性や環境に問題がないか
工場併設の寮など周りに店が何もないというケースもあり得ます。コンビニ、スーパー、薬局、病院など生活に必要なものがあるかどうか、バス停や駅までの距離はどのくらいかなどの利便性を確認しておきましょう。また、治安や騒音、災害リスクなど環境が安全かどうかも重要です。
寮や勤務先に駐車場があるか
マイカー通勤など寮に車を持ち込む場合には駐車場があるかどうか、費用はどこが負担するのかの確認が必要です。通常、借り上げ社宅のような一般の賃貸物件を寮とする場合には、駐車場は入居者の自己負担となるケースが多くなります。注意してください。
Wi-Fiなどのネットワーク環境はどうか
現代においてインターネットは生活に欠かせないものですが、「Wi-Fi完備寮」と記載がない限り、基本的にWi-Fiはないものと考えた方がよいでしょう。また、たとえWi-Fiが完備されていたとしても、通信速度が遅くて使いものにならず、結局自前で用意せざるを得ないケースが多いのも事実です。
住み込み寮付きの求人のほとんどが仕事上インターネットを必要としない業務であるため、もしインターネットを使いたいなら自分でネットワーク環境を整えることを考えましょう。寮に固定回線を引く方法もありますが、契約期間の問題もあるため、スマホのテザリング機能やWi-Fiルーターを契約する方が便利かもしれません。
住み込み派遣なら、断然【ものっぷ】がオススメ!
いかがでしたでしょうか。
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