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【仕事の目標が思いつかない人向け】製造業における目標の決め方を紹介!

毎年、面談の時期になると「今年の個人目標を提出してください」「半期の目標を設定しましょう」といった話を、上長やリーダーからされる機会があるかと思います。

しかし、いざ目標を考えようとすると

「何を目標にすればいいのかわからない」
「自分の仕事に当てはめるとイメージしにくい」

 と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

製造業の業務はライン作業やチーム作業が中心。個人の成果が数値化されにくかったり、日々の業務がルーティン化しがちだったりして、適切な目標設定が難しいですよね。

この記事では「仕事の目標が思いつかない」とお悩みの製造業の方に向けて
目標を設定するための考え方や具体例などを分かりやすく解説します。

この記事で分かること
  • 製造業における「目標」とは何か
  • 製造業の目標設定が難しい理由
  • 目標を決めるためのポイントと流れ
  • 製造業の目標の具体例

将来に向けて目標を持って仕事に取り組みたいという方も、ぜひ参考にしてみてくださいね!

製造業における「目標」とは何か

企業は毎年「成長目標」や「売上目標」などの目標を立て、その目標達成に向けて事業計画を立てます。

しかしながら製造業の現場で就業する従業員個人は、具体的な目標を立てなくても「やるべきこと」にしっかり取り組めば業務として問題ないですよね。
ではなぜ個人でも目標を立てて業務に当たる必要があるのでしょうか。

まずはその理由について解説していきます。

目標を決める必要性

製造業の現場は「安全」「品質」「納期」「コスト」という意識を中心に動いており、作業者一人ひとりの行動が現場全体に影響します。

そのため、個人個人が目標を持つことにより以下のようなメリットが生まれます。

①仕事の優先順位がつけやすくなる
②日々の作業改善の意識が高まる
③会社の求める方向性と自分の行動が一致する
④評価の基準が明確になる

企業は常に「より成果を上げる方法はないか」を模索することで事業成長していきます。
特に製造業は、現場の改善を積み重ねることが成果の向上に直接つながるため、個々の目標設定がとても重要です。

目標を決める目的

目標には大きく「改善」「成長」「評価」という三つの目的があります。

作業効率・品質の改善
 不良率を下げる、段取り時間を短縮するなど、現場の改善に直結します。

スキル向上・キャリア形成
 資格取得や工程の習熟など、将来的なキャリアアップにつながります。

評価基準の明確化
 目標を決めることで、上司が何を成果とするかが明確になり、評価が納得しやすくなります。

目標という”ゴール”を定めることで「取り組み」→「効率化」→「改善」→「評価」というサイクルが出来あがります。

また会社が個人の頑張りを評価する際、目標に対しどれくらい達成できているのかを明確にすることで、客観的な評価をしやすくなります。

会社やチーム全体の目標

製造業はチームで工程を進めるため、会社全体・チーム全体の目標が存在します。

全体の目標の具体例

・不良率◯%以下の達成
・生産量の〇%増加
・リードタイムの短縮
・事故発生ゼロ

これらは多くの製造現場で掲げられる代表的な目標です。
 個人の目標は、この会社やチームの方向性と一致していることが望まれます。

個人の目標

個人の目標は、自分の業務内容・スキル・役割に合わせたものになります。

個人の目標の具体例

・〇月までに工程Aを一人で担当できるようにする
・不良発生時の原因分析を率先して行い、改善案を月に1件提出する
・教育担当として新人の作業習熟を〇日以内に完了させる

自分の強みや仕事状況に合わせ、具体的な目標を設定します。

製造業において目標が決まらない理由

製造業は、特に個人の目標設定が難しい業種とされています。

ここからはその理由について解説していきます。

目標を数値化しにくいから

製造業の仕事は「製品を決まった手順で確実につくる」ことが多く、営業や企画のように売上や成果をそのまま目標にしにくいという特性があります。

そのため「何を改善すればいいかわからない」「そもそも数値で表せない仕事が多い」と感じる人が多いのです。

将来像をイメージしにくいから

製造現場では業務がルーティン化しやすく、「5年後はどうなっていたいか?」といった将来像を想像しにくいことがあります。

「同じ作業を続けるだけのイメージしか持てない」「次のステップ(キャリア)が具体的にわからない」といった状況に陥りやすく、目標を立てにくくする原因になります。

仕事へのモチベーションが低下しているから

普段の業務で疲れていたり、成果を実感しにくかったりすると、「目標を立てる意味」自体が見えなくなってしまいます。

目の前のことをこなすだけで精一杯だったり、改善しても納得のいく評価がされていない気がしたり…といった心理も、目標を思いつけない理由の1つになります。

会社のビジョンを理解できていないから

製造業の現場では、上層部の方針が現場まで十分に伝わっていないケースがあります。

・チーム目標が曖昧
・自分の仕事が全体のどこに貢献しているか分からない

こういった状況では、「自分が目指すべき目標」を描くのは難しくなります。

目標を決めるポイント

ここからは、個人目標を立てる際に「考えるべきポイント」をお伝えしていきます。

キャリアビジョンを考える

まずは“なりたい姿”を考えてみましょう。

例えば・・・

・工程全体を理解できる人になりたい
・班長やリーダーを目指したい
・検査のスペシャリストになりたい
・設備保全のスキルを身につけたい

ざっくりとした理想でOK!

その上で、その理想を叶えるためにどうすれば良いのかを小さなステップに落とし込むと、目標が見えやすくなります。

会社での自分の役割を認識する

現場では、作業者・検査員・リーダーなどそれぞれに役割があります。

自分の役割を認識すると、自然と「求められる目標」が見えてくるものです。

役割ごとの目標の例

作業者:品質・作業効率の向上
検査員:不良の見逃しゼロ
リーダー:標準化・新人育成
保全担当:設備トラブルの削減

役割を明確にすることで、目標も具体的になります。

業務のプロセスを確認する

まず現状の仕事の流れを把握することで改善点が見え、「やるべきこと」が明確になります。

例えば・・・

・どこで手待ちが発生しているか
・どの部分がムダになっているか
・どの作業で不良が出やすいか

やるべきことが明確にできれば、その改善そのものが達成するべき目標の1つとなります。

会社やチーム全体の目標から逆算する

いきなり個人目標から考えるのは、実は難易度が高めです。

会社の目標 → 部署の目標 → チームの目標 → 個人の目標

という流れで考えると、自身に求められていることが見出しやすくなります。

例えば・・・

「不良率3%削減」が会社目標なら

・自分の工程での不良を〇個減らす
・検査工程の教育を強化してミスを減らす
・設備調整を見直して不良を予防する

こういった流れで、具体的な個人目標に落とし込めます。

目標設定の流れ

ここまでで、目標を設定する際の考え方が見えてきたのではないかと思います。
ここからは具体的に目標設定をする流れを、順を追って見ていきましょう。

Step1 現状を把握する

まずは自分の現状を客観的に知ることから始めましょう。
以下の項目に沿って、それぞれ洗い出してみてください。

<洗い出しポイント>

□得意な作業・不得意な作業
□特に多いミス
□よく褒められるポイント
□業務の改善余地
□スキルの強み(+あれば弱み)

現場の上司や先輩にフィードバックをもらうのも効果的です。

Step2 現状の課題から目標を設定する

現状が見えたら、そこから改善すべき課題を洗い出します。
そしてその課題を「どの状態にするか」を目標として設定します。

例えば・・・

・不良が減らない
⇒月間不良○件以内

・作業に時間がかかる
⇒作業時間○分以内

・業務上のコミュニケーションですれ違い(思い違い)が多い
⇒聞き取り力、説明力の強化

・資格やスキル、得意なことを業務で活かせていない
⇒担当業務の見直し

課題を明確にすることで、目標が自然と決まってきます。

Step3 目標達成のための施策を行う

目標を設定したら、達成のための具体的な行動(施策)を考えます。

例えば・・・

・作業手順の見直し
・苦手な作業の再研修や勉強会への参加
・不良発生時の振り返りシート作成
・資格やスキルが活かせる業務の現場研修
・チーム全体での技術、知識共有会の実施

施策を明確にしたら、あとはそれを実行するだけです。施策は日々の業務の中で現実的に実行可能かどうかを意識しながら考えるようにしましょう。

Step4 施策の結果を踏まえて新たに目標を決める

製造業の現場は常に改善のサイクル(PDCA)で動いています。

■施策により課題が・・・
解決できた⇒次の課題へ
解決できなかった⇒原因を分析して再設定

この繰り返しで、着実にレベルアップできます。
たとえ目標を達成できなかったとしても、現状より一歩、二歩と自身の成長を実感できるはずですよ。

製造業における目標の具体例

「目標が思いつかない」という人は、まず他の人の具体例を見るとイメージが湧きやすくなります。
ここからは、参考にしやすい「製造業での個人目標の具体例」を状況別にご紹介いたします。

品質管理向上を目指す場合

・不良発生率を前年比で10%削減する
・不良が発生した際の原因分析レポートを月1件提出する
・検査工程の作業標準書を見直し、改善点を3つ提案する
・新人検査員の教育を担当し、習熟期間を〇日短縮する

品質関連は目標にしやすく、現場の改善にも直結します。

生産管理向上を目指す場合

・自分の担当工程の作業時間を平均5%短縮する
・手待ちが発生している作業の改善策を月に1回提案する
・生産計画の変更時、段取り替え時間を10分短縮する
・ライン止まりの原因となるミスをゼロにする

製造業における「効率化」は評価されやすい目標です。

コスト削減を目指す場合

・材料ロスを前年比で〇%削減する
・道具・治具の管理を徹底し、破損によるコストを削減する
・過剰検査や作業ムダを洗い出し、改善案を提出する
・設備の予防保全を強化し、突発停止を〇件減らす

コストは会社の利益に直結するため、目標として効果的です。

目標を明確にして働こう!

製造業で「個人目標が思いつかない」と感じるのは自然なことです。

悩むことも多いですが、適切に目標を設定できれば、成長の実感がわきやすくなったり、正当性のある評価がされやすくなったりと大きなメリットがあります。
また、キャリアの方向性が定まり将来の具体的なビジョンが見えやすくなるでしょう。

「目標」というと大きな成果を上げなければならないと思いがち。
ですが、まずは日々取り組んでいる身近な業務の課題からスタートしてみてください。

「担当の機械をスムーズに操作できるようになる」
「ライン作業のスピードと精度を上げる」
「資格を取得する」

など、毎日の業務の中にある課題を目標にしていけば、その先のキャリアも次第に見えてきますよ。

少しずつ出来ることが増えてきたら、そのスキルをより発揮できる職場を探してみることもオススメです。自分自身のスキルアップを実感したらぜひ「ものっぷ」でお仕事を探してみてください!

製造業のお仕事をメインに取り扱っているものっぷなら、きっとあなたの能力に見合うお仕事が見つかるはずですよ。

自分の目標を明確にして、製造業のプロフェッショナルへ近づいていきましょう。