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 設備保全の仕事は未経験でもできる?仕事内容や適性、仕事を目指す際の疑問点を解説!

「設備保全の仕事に興味があるけれど、未経験でもできるのだろうか」
この記事をご覧の方は、そんな疑問を抱えているのではないでしょうか。製造業の中でも設備保全は人気がありますが「完全未経験では難しいのではないか」と、諦めてしまう方もいます。しかし、資格や経験がない方でも設備保全にチャレンジすることはできます。

【この記事の要約】
●【結論】未経験を歓迎する企業もある!
●未経験で仕事をする前に知っておくべき設備保全の仕事をご紹介
●設備保全の仕事はきつい?
●設備保全の仕事の適正を教えて!
●未経験から設備保全の仕事を目指す際のQ&A
●未経験者でも取得できる設備保全の仕事で役立つ資格

この記事では、設備保全の仕事内容や未経験から目指す際の疑問点などを詳しく解説します。「設備保全に興味があるけれど、自分にできるだろうか」と不安を抱えている人は、ぜひ参考にしてください。

【結論】未経験を歓迎する企業もある!

設備保全の求人情報を見てみると、未経験を歓迎する企業は年々増え続けています。この背景には、製造業における慢性的な人手不足や熟練の技術者の高齢化の影響があります。加えて、設備の老朽化が進む工場も多く、保全業務は今後もニーズの高い仕事です。

とはいえ、設備保全は専門知識や技術力を求められる仕事ですので「未経験では受け入れてもらえないのではないか」と思う方も多いでしょう。しかし、未経験を歓迎する企業では、応募者の経験ではなく将来性に期待しています。そのため「機械いじりが好きだから意欲的に取り組める」「将来は管理職や責任者を目指したい」など、学び続ける姿勢をアピールすることで、受け入れてもらえる可能性は十分あります。

なお、未経験を歓迎する企業にはいくつかの特徴があります。転職後も長く働ける環境かどうかを見極めるポイントになりますので、ぜひ参考にしてください。

未経験を歓迎している企業の特徴

未経験を歓迎する企業の中でも、安心して働ける職場には3つの特徴があります。

●社内研修やOJT体制が整っている
●経験よりもやる気や意欲を重視している
●離職者が少なく職場の雰囲気が良い

未経験で設備保全の仕事に就く際は、一から学べる教育体制が整っている職場を選びましょう。不足している知識を身につけながら、現場で実践的な経験を積むことができるため、体系的に学ぶことができます。また、離職者の少ない職場は労働環境が良い傾向にあります。

未経験で仕事をする前に知っておくべき設備保全の仕事をご紹介

ここでは、未経験で転職する前に知っておくべき設備保全の仕事について、以下の3つをご紹介します。

●設備保全の仕事の概要
●保守・メンテナンスとの違い
●設備保全に関する資格取得のメリット

それぞれ詳しく解説します。

設備保全の仕事の概要

設備保全では、工場内の設備や機械の安定稼働を維持することを目的としています。業務内容は日々の定期点検のほか、突発的なトラブルの対応やその原因追及など、多岐にわたります。生産性の向上やリードタイムの短縮が求められる製造業において、設備保全は重要な役割を担っています。なお、設備保全の仕事は「予防保全」「事後保全」「予知保全」の3つに分けることができます。

【予防保全】
予防保全は、設備の故障を未然に防ぐことを目的とした保全業務です。過去に起きた設備トラブルや部品の劣化スピードをもとに事前計画を立て、計画に沿った定期点検や部品交換を行います。これにより、設備をより長く安全に使い続けることができます。加えて、設備トラブルによって起こる不良品の発生や、機械の故障による生産停止などの大きなリスクに備えられる重要な業務です。

なお、予防保全の業務は「時間基準保全」と「状態基準保全」の2種類があります。それぞれの違いを「部品交換」で例えると、部品の状態に関わらず一定期間を過ぎたら交換するのが「時間保全基準」なのに対し、劣化が認められた部品のみを交換するのが「状態監視保全」です。

【事後保全】
事後保全では、設備に不具合が起きたときに修理や復旧作業などを行います。機械の故障により生産ラインが停止すると「予定した生産数を達成できない」などの損失が発生します。事後保全の目的はこうした損失を最小限に抑えることです。機械が停止したした際は、迅速に修理や復旧作業を行ない、生産ラインを早急に再稼働させることが求められます。

また、事後保全には、設備の機能が完全停止してしまう「機能停止型故障」と、設備の何らかの機能が低下する「機能停止型故障」の2種類があります。「機能停止型故障」が起こると、製造が完全にストップするため、修理や復旧の緊急性が高いです。加えて、修理後は同様のトラブルを防ぐために原因の調査と対策を行うことも求められます。

【予知保全】
予知保全は、設備が故障する前の段階で予兆を把握し、対処する保全業務です。定期点検や修理だけでなく、設備の監視業務も保全には欠かせません。故障の予兆を把握するためには、機械の異音や発熱などの不具合をいち早くキャッチし、状態に応じて部品交換や設備調整などを行います。近年では、設備監視にIoTを活用する企業も増えています。対象の設備とインターネットを連携させることで、設備の状態をリアルタイムで確認できます。機械の計測データをAIが解析し、不具合や予兆を早期に発見することも可能です。

保守・メンテナンスとの違い

設備保全の求人情報の中には「設備保全」のほかに「保守・メンテナンス」と書かれている求人があります。設備保全も保守・メンテナンスも「生産設備の点検や修理を行う活動」という点では同じで、仕事内容に大きな違いはありません。ただし、それぞれの活動の考え方が異なることから、呼び方が使い分けられています。一般的には、生産設備が壊れたときに修理をするのが「保守・メンテナンス」、生産設備が壊れないように点検や修理をするのが「設備保全」とされています。

設備保全に関する資格取得のメリット

設備保全は資格がなくてもできる仕事です。しかし、設備保全に関する資格を取得することで、以下の3つのようなメリットが得られます。

●対応できる業務が増える
●収入アップに繋がる
●転職時にも役立つ

設備保全に関する資格を取得する最大のメリットは、対応できる業務が増えることです。設備保全は資格がなくても問題ありませんが、電気設備においては「電気工事士」の資格がないと保全ができません。また、事業用電気工作物の保安監督を行う場合には「電気主任技術者」の資格が必要です。この2つの資格を取得することで、設備保全で対応できる業務の幅が一気に広がります。

また、上記のような資格を取得すると、資格手当の付与や昇給に繋がるケースも多いです。業務の幅を広げて実務経験を積んでいくことで、将来的には管理職や責任者のポジションを目指すこともできます。
さらに、資格の保有は「スキルの証明」になるため、転職時にも有利です。設備保全は慢性的な人手不足に悩まされているため、資格や経験が豊富であれば就職先に困ることは少ないでしょう。

設備保全の仕事はきつい?

設備保全は安定性の高い仕事として人気がありますが、一部では「仕事がきつい」という意見もあります。設備保全の仕事が「きつい」と言われる理由は、以下の4つです。

●ルーティンワークになりがち
●責任が大きく急な対応もある
●危険な現場もある
●人手不足も影響している

それぞれ詳しく解説します。

ルーティンワークになりがち

生産設備のトラブルが少ない工場の場合、保全業務は機械の定期点検や整備が中心になります。毎日同じ機械を同じ点検方法で確認するため、業務がルーティンワークになりがちです。そのため、日々変化を感じる環境を好む場合は、設備保全の仕事内容はきついと感じるかもしれません。ただし、資格を取得して新しい業務にチャレンジしたり、工場をより良くするための仕事に携わったりすることで、やりがいも大きくなるでしょう。

責任が大きく急な対応もある

製造工場では24時間稼働も多く、設備保全もそれに沿うことになります。夜間に設備の不具合が生じ、現場で対処できないときは緊急で呼び出されることも珍しくありません。また、機械が故障して完全停止すると、復旧するまでの間は製造ができません。最悪の場合、納品ができずに販売の機会を失う可能性もあるため、責任重大です。いつ呼び出されるかわからないストレスや復旧作業中のプレッシャーなどから、設備保全の仕事がきついと感じる人は多いようです。

危険な現場もある

製造工場は自分よりも大きな機械が稼働している現場です。徹底した安全策が講じられているものの、不具合が生じた機械を扱うため、予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。また、工場によっては高所での作業が必要な場合もあります。こうした危険と隣り合わせの作業に対してきつさを感じている人も少なくありません。労災の危険リスクに備えるには、設備特有の危険性や他の現場での災害事例などを学ぶことが効果的です。

人手不足も影響している

設備保全が「きつい」と言われる理由には、人手不足も大きく影響しています。少子高齢化により若手の人材確保が難しく、既存の保全担当者の負担が大きいことなどが原因です。保全担当者の業務は多岐にわたり、設備トラブルの修理対応のほか、原因追究や対策を講じるところまでを一貫して行います。しかし、原因不明のトラブルが生じた際は、復旧までに長時間かかることも多く、時間内に業務を終わらせることが難しいです。また、現場に熟練技術者がいるうちはすぐに頼ることができますが、引退後はさらに人手不足の状況は深刻化する可能性があります。

設備保全の仕事の適正を教えて!

設備保全の仕事は適正に大きく影響するため、途中で辞める人もいれば、やりがいを持って働ける人もいます。ここでは設備保全の適性について解説しますので、自分に合っている仕事かどうかを確認してみてください。

設備保全に向いている人

設備保全に向いている人の特徴は以下の3つです。

●機械をいじるのが好き(ものづくりに興味がある)
●責任感や忍耐力がある
●洞察力が高く、細かいことに気付ける

設備保全は機械と向き合う仕事ですので、機械いじりが好きでものづくりに興味がある人に向いています。さらに、定期点検や部品交換などの単調化しやすい業務にも、堅実に取り組める忍耐力や責任感も求められます。また、洞察力が高く、細かいことによく気付く人は、設備保全の仕事をするうえでの強みになります。機械の些細な変化にいち早く気付くことで、設備保全の基本となる「機械を正しい状態で長く使い続けること」が自然とできるからです。

設備保全に向いていない人

一方で、設備保全に向いていない人の特徴は以下の3つです。

●手先が不器用で細かい作業が苦手
●ルーティンワークが苦手
●汚れる仕事に抵抗がある

設備保全の機械の修理では、細かい作業や精密作業が多くあります。緊急を要する復旧作業では迅速かつ丁寧な作業が求められるため、手先の器用さが作業時間に直結します。そのため、手先が不器用で細かい作業が苦手な人は設備保全の仕事がきついと感じるでしょう。また、設備保全は日々の点検や整備などの積み重ねが肝心であるため、ルーティンワークが苦手な人は向いていないと言えます。ただし、これらの特徴に当てはまっても設備保全の仕事が続かないわけではありません。設備保全の魅力も考慮したうえで判断してみてください。

未経験から設備保全の仕事を目指す際のQ&A

未経験から設備保全の仕事を目指す際のよくある質問を、Q&A形式で解説していきます。

資格がないと応募できない?

設備保全は未経験を歓迎する企業も多く、資格がなくても応募を受け付けてくれます。ただし、設備保全は人気職種のため、採用率をアップさせるために資格を取得するのも手です。代表的な資格としては「機械保全技能士」「電気工事士」「電気主任技術者」などが挙げられます。これらの資格の詳細は、記事の後半で解説していますので、そちらも参考にしてみてください。

30代後半だけど転職できる?

設備保全の求人募集を見てみると、年齢を問わず募集をしている企業が多くあります。そのため、30代後半で未経験から設備保全に転職することは可能です。そうはいっても「仕事についていけるかどうか不安」という方も多いと思います。30代後半で転職する際は、研修やOJT体制が充実していて長期的なキャリアが築ける職場を選ぶことが大切です。

また、設備保全は突発的なトラブルに対応する場面が多いため、その場その場で柔軟な対応ができる人は重宝されます。30代後半の人は、これまでの社会人経験で培った柔軟性や責任感をアピールすると良いでしょう。

資格取得は必須?

設備保全は資格がなくても従事できます。ただし、資格がないと対応できない業務もあるため、長期的なキャリアを築く場合には資格の取得がおすすめです。また、製造業全体で工場内のオートメーション化が進んでいるため、設備保全においても高度な設備を操作できる人材が求められるでしょう。資格を取得することで基礎が学べるのはもちろん、今後のキャリアアップにも役立つ可能性があります。

なお、未経験を歓迎する企業の多くが「資格取得支援制度」を導入しています。「資格取得支援制度」を利用すると、業務に必要な資格を取得する際に会社が金銭面をバックアップしてくれます。未経験で設備保全に従事する場合は、こうした制度を利用してステップアップを測ってみてはいかがでしょうか。

未経験者でも取得できる設備保全の仕事で役立つ資格

未経験でも取得できる設備保全の仕事で役立つ資格は以下のとおりです。

●機械保全技能士
●電気工事士
●電気主任技術者

資格取得はスキルの証明になり転職時にも役立ちます。それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてみてください。

機械保全技能士

機械保全技能士とは、設備や機械の保全に関する国家資格です。特級・1級・2級・3級の4段階に分かれており、3級は未経験でも受験が可能です。機械保全技能士の資格を取得することで、保全業務に必要な専門知識と技術が体系的に身に付きます。設備保全の仕事に未経験で従事する方は、3級の取得からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

電気工事士

区分作業可能な範囲
第一種電気工事士・第二種の範囲
・最大電力500キロワット未満の工場やビル
第二種電気工事士・60ボルト以下の一般住宅
・小規模な店舗
・太陽電池発電設備

電気工事士は電気設備の工事や取り扱いに必要な国家資格です。上記のように、扱える設備の範囲によって1種・2種に分かれています。電気工事士の資格は、電気系統の設備保全に活かすことができます。また、企業によっては資格手当が付く場合もあります。

電気主任技術者

電気主任技術者は、発電所や工場屋ビルの電気設備の保安監督者としての国家資格です。電気主任責任者の資格は、取り扱う事業用電気工作物によって「第一種」「第二種」「第三種」の3つに分かれています。

区分取扱可能な範囲
第一種電気主任技術者すべての事業用電気工作物
第二種電気主任技術者電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物
第三種電気主任技術者電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物
※出力5000キロワット以上の発電所を除く

600ボルト以上の事業用電気設備をもつ事業用工作物を設置する業者は「電気主任技術者」の選任が義務付けられています。このことから、電気主任技術者の資格を取得すると設備保全の現場でも責任のあるポジションで活躍することができます。

未経験から設備保全にチャレンジするなら「ものっぷ」へ!

今回は設備保全の仕事は未経験でもできるのかについてや、仕事内容や適性などを詳しく解説しました。設備保全の仕事は、未経験や資格なしでもチャレンジできます。とはいえ、製造業の安定生産を支える重要な役割を担うため、夜間対応やプレッシャーのかかる現場での作業もあります。設備保全は適性が大きく影響する仕事ですので、未経験から挑戦する際は、自分に合っているかどうかを見極めることも大切です。

また、いきなり設備保全に従事するのが不安な方は、まずは製造業からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。製造業のお仕事を探してみたい方は、ぜひ「ものっぷ」をご活用ください。ものっぷは株式会社平山が運営している製造業に特化した求人情報サイトです。未経験を歓迎する設備保全の求人も多数掲載されています。(なお、応募状況により定員が埋まってしまっている可能性もあります。)経験豊富な採用コーディネーターのサポートが受けられるため、転職活動をスムーズに進められる点も魅力です。設備保全の転職でお困りの方は、まずはものっぷの登録をおすすめします。
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