工場の求人情報を見ていると頻繁に見かけるフォークリフトのお仕事。人の力では動かせない重い荷物を効率良く運搬できる機械として、物流、倉庫、運送の現場の他、製造工場でも重宝されています。
今回は、そんなフォークリフト免許を生かした働き方について、資格取得のメリットや仕事内容、免許の取得方法を徹底解説します。
【この記事の要約】
● フォークリフトの資格が求められる職場とは?
● フォークリフトの種類
● フォークリフト免許を取得するメリット
● フォークリフトオペレーターの仕事内容
● フォークリフト免許の取得方法
● フォークリフトオペレーターに向いている人の特徴
なお、記事の中で例として挙げるものは、それぞれ一部です。たくさんありますので代表的なものに絞って紹介します。
目次
フォークリフトの資格が求められる職場とは?
フォークリフトの資格があると以下のような職場で活躍ができます。
● 倉庫
● 物流・運送業
● 工場
● 建築・土木現場
● 港や空港
● 農業・林業
一つずつ見ていきましょう。
倉庫
倉庫内の荷物の運搬にフォークリフトは欠かせません。トラックへの積み込みや荷下ろしを含むフォークリフト操作がメインになりますが、倉庫内業務の場合は、検品や在庫管理などの業務に携わることもあります。スーパーやショッピングモールの倉庫、メーカーなど幅広い業種で活躍が期待されています。
物流・運送業
近年はネットショッピングの需要拡大に伴い、物流センターや運送センターの数が増加しています。広い物流・運送センターで効率的に荷物を運搬するのにフォークリフトは必要不可欠です。求人数が多く、また未経験者でも歓迎される職場もたくさんあります。
工場
自動車、機械、木材、製紙、石材加工など、フォークリフトはあらゆる製品・部品・資材を取り扱う工場で広く活躍します。工場では入出荷する資材や部品などのトラックへの積み込みや荷下ろし、工場内での運搬業務が主な業務です。特に大きくて重量のあるものの運搬にフォークリフトは欠かせません。
建築・土木現場
建築・土木現場では主に鉄骨資材や配管資材を運搬する用途でフォークリフトが使われています。工事の現場では他の作業員や現場監督との連携が求められるため、物流センターや倉庫内での業務と比較してもコミュニケーションが多く発生するのが特徴です。
港や空港
船や飛行機で運ばれてきた輸送用荷物の積み下ろし、搬入先への運搬、積み込みの作業にもフォークリフトは活躍します。港湾や空港ターミナルでは、積み下ろした荷物を搬入先まで運搬するのに時間がかかるため、ここの移動時間をいかに短縮するかが作業効率化のポイントといわれています。
農業・林業
意外かもしれませんが、農業や林業の場でもフォークリフトは多く使われています。農業では収穫した作物をコンテナからトラックへ運ぶ際や肥料や農薬などの重い荷物の積み下ろしに使用します。また林業においても伐採した丸太を傷つけないよう丁寧に積み上げていくにはフォークリフトが必須です。
フォークリフトの種類
フォークリフトにはさまざまな種類があります。有効に活用するにはそれぞれの用途や特徴を理解することが重要です。代表的なフォークリフトは以下の通りです。
● カウンターバランスフォークリフト
● リーチフォークリフト
● ウォーキーフォークリフト
● サイドフォークリフト
● オーダーピッキングトラック
● ハンドリフト
● マルチディレクショナルフォークリフト
一つずつ説明します。


カウンターバランスフォークリフト
カウンターバランスフォークリフトはフォークと呼ばれる荷役用のツメが車体前方に付いているフォークリフトです。荷物を持ち上げたときに車体が前方に傾かないように、後ろに重りが付いています。安定感があり走行速度も速いですが、車体が大きく小回りがききにくいのがデメリットです。
リーチフォークリフト
リーチフォークリフトは車体の前方に伸び縮みするフォークが付いており、オペレーターは立ったままの状態で操作します。タイヤが約90度まで回転し、狭い場所での作業に便利です。一方、安定感には欠けるため、荷物を高く上げすぎるとバランスを崩す可能性があります。
ウォーキーフォークリフト
ウォーキーフォークリフトは歩きながら操作するフォークリフトです。コンパクトな造りのためエレベーターにも乗降可能で、通常のカウンターフォークリフトでは入れない狭い通路や天井の低い場所でも作業できます。水平搬送のみならず、低位置での積み付けや積み下ろしといった荷役作業も可能です。
サイドフォークリフト
サイドフォークリフトは車体の側方にフォークおよびこれを上下させるマストを備えたフォークリフトです。木材やパイプなど長尺物の運搬に適しており、レバー操作でフォークを左右にスライドできます。運転席が高い位置にあるのも特徴です。
オーダーピッキングトラック
オーダーピッキングトラックは荷役装置と一体となって上下する運転台に乗って操作するフォークリフトで、別名「ピッカー」とも呼ばれています。倉庫内の天井近くまで持ち上げられるため高所での作業には欠かせません。
ハンドリフト
ハンドリフトは荷物を載せるパレットを移動させるための装置で、フォークをパレットに差し込みハンドルを引くと油圧でフォークが持ち上がる仕組みになっています。フォークリフトと同様の働きをするものの、手動で移動させるため運転免許や資格(講習受講など含む)は不要です。
マルチディレクショナルフォークリフト
マルチディレクショナルフォークリフトは通常のフォークリフトと異なり全方位に移動できるフォークリフトです。旋回の必要がないため狭い場所での作業に適しています。汎用性、操作性が高いという特徴があります。
フォークリフト免許を取得するメリット
フォークリフト免許を取得すると以下のようなメリットがあります。
● 年齢を問わず長く活躍できる(一生使える資格)
● 収入アップが期待できる
● 求人の幅が広がり転職が有利になる
● 男女問わず需要が高い
一つずつ見ていきます。
年齢を問わず長く活躍できる(一生使える資格)
フォークリフト免許には年齢制限がなく、また更新の必要もないため、一度取得してしまえば一生使える資格として重宝されます。フォークリフトで運搬するのは重量のあるものばかりですが、基本的に機械操作であり、体力が衰えてきた年配の方でも無理なく働けるでしょう。むしろ経験を積むことで効率的な荷物運びや配置の順番などスキルが上がっていくため、経験値の高い人ほど優遇される傾向があります。50代、60代でも正社員として活躍できる職場も多く、長い人生を通して活躍が期待できる資格といえます。
収入アップが期待できる
フォークリフトの操作には資格が必要なため、検品や組み立てなどの軽作業と比較すると一般的に賃金が高い傾向があります。また企業によっては資格手当が付く場合もあり、金額としては月数千円から1万円程度が給料に上乗せされるケースが多いようです。特に物流や建設業界では専門的なスキルを持つ人が重宝されるため、経験を積むことで昇給やボーナス、昇進にも反映されやすくなります。


求人の幅が広がり転職が有利になる
フォークリフトと聞くと物流業界のイメージが強いかもしれませんが、他にもさまざまな業界・現場で用いられています。例えば倉庫内業務だけでも、大型ショッピングセンターやスーパー、各種工場など実に多様な職場でフォークリフトは使用されています。フォークリフトが使われる現場では操作できる人材=有資格者の存在が欠かせません。年間を通して求人数が多く、「食いっぱぐれのない仕事」ともいわれています。
男女問わず需要が高い
フォークリフトオペレーターは正確な機械操作ができれば腕力に自信がなくても十分に活躍できます。操作において大切なのは体力よりも、荷物を傷つけない丁寧さや安全に作業を遂行できる集中力です。特に女性は出産や育児などライフステージの変化により仕事を中断せざるを得ないケースがありますが、需要が高いためブランクがあっても復職が可能な場合が多いでしょう。
フォークリフトオペレーターの仕事内容
フォークリフトオペレーターは工場や倉庫、工事現場などで主に以下の仕事を行います。
● 荷物の積み下ろし作業
● 製品や材料の仕分け・運搬
● 倉庫内の整理整頓
● 機械の点検や簡単なメンテナンス
一つずつ見ていきましょう。
荷物の積み下ろし作業
フォークリフトを操作してトラックや列車、航空機などで運ばれてきた荷物を積み下ろす作業はフォークリフトオペレーターのメイン業務の一つです。荷物の重量やサイズによって最適な運搬方法を選び、周りの物や人にぶつからないよう丁寧に積み下ろしていきます。転倒の危険を伴うため、荷物が積載荷重を超えないか確認しながら進めるのも重要なポイントです。
製品や材料の仕分け・運搬
積み下ろし作業とともに代表的なのが、製品や材料を配送先や商品の種類ごとに仕分ける作業と運搬する業務です。フォークリフトを操作して荷物を積んだパレットを持ち上げ、指定の場所まで運搬、荷下ろしをします。製品に貼られたシールなどを確認しながら行き先ごとに振り分けられたエリアまで運搬します。
倉庫内の整理整頓
入出荷のスケジュールを考えながらピッキングしやすいように荷物の配置換えをしたり、荷崩れしないように適切な場所に積んだりします。状況に応じて荷物の保管場所を変更していく作業は、倉庫内のスペースを有効活用するためにも重要です。ときに手作業が発生することもありますが、規模の大きい倉庫内の整理整頓にフォークリフトの存在は欠かせません。
機械の点検や簡単なメンテナンス
フォークリフトの点検や簡単なメンテナンスもフォークリフトオペレーターの重要な仕事です。これは労働安全規則によって義務付けられている項目で、必ず作業開始前に行います。バッテリーチェックやホーン・ライトの確認、損傷箇所がないかどうかなどを細かく確認する他、作業終了後はオイルの補充やタイヤの空気圧の確認なども実施します。
フォークリフト免許の取得方法
フォークリフト免許を持っていると仕事の幅が広がるなど大変役に立つことは説明した通りです。ここからはそんなフォークリフト免許の取得方法について説明します。
● 教習所での学科講習と技能講習
● 取得までにかかる費用と日数
● 合格率と難易度
● 運転特別教育と運転技能講習
それぞれ見ていきましょう。


教習所での学科講習と技能講習
フォークリフト免許を取得するには、まず教習所で学科講習と技能講習を受ける必要があります。全国各地の教習所で開催しているため、インターネットで検索すればすぐに見つかるでしょう。学科講習では走行・荷役・力学・法令の4科目、技能講習では走行の操作や荷役の操作を学びます。フォークリフトの積載量が1t未満(運転特別教育)か1t以上(運転技能講習)かで免許の種類が異なります。それぞれ受講時間や試験の有無が異なりますので注意してください。
取得までにかかる費用と日数
免許取得までにかかる費用は教習所によっても異なりますが、積載量1t未満の運転特別教育の相場は2万円程度、1t以上の運転技能講習は2万~5万円程度です。これに加えてテキスト代や証明写真の発行費用が必要なケースもあります。日数は、運転特別教育が学科6時間、技能6時間の計12時間必要なのに対し、運転技能講習は最大35時間必要ですが、所有資格や経験に応じて免除されます。
合格率と難易度
運転特別教育には試験がないため、学科・技能ともに講習を修了するとフォークリフト運転特別教育修了証が授与されます。一方、運転技能講習は学科・技能試験の両方に合格する必要があります。学科試験の合格基準は100点満点中60点以上かつ4科目で40%以上、技能(実技)試験は減点方式で100点中70点以上残っていれば合格できます。合格率は90%を超え決して難しい試験ではありませんが、シートベルト未着用や制限時間オーバーは失格になるため注意してください。
運転特別教育と運転技能講習
フォークリフトの積載量が1t未満の場合は「運転特別教育」、1t以上の場合は「運転技能講習」の修了証が免許の証しになります。修了証はフォークリフトの運転時に携帯することが義務付けられているため、失くさないように注意しましょう。万が一紛失した場合は再発行が可能ですが、修了証番号や交付年月日、発行機関名などが不明の場合は再発行に時間がかかるため、あらかじめコピーを取っておくのがおすすめです。
フォークリフトオペレーターに向いている人の特徴
最後にフォークリフトオペレーターに向いている人の特徴を紹介します。
主に以下のような特徴を持つ人はフォークリフトオペレーターに向いている可能性があるでしょう。
● 体力に自信があり、長時間の作業が可能な人
● 段取りを組むのが得意な人
● 機械操作が好きで安全確認を徹底できる人
● チームワークを大切にできる人
一つずつ見ていきます。
体力に自信があり、長時間の作業が可能な人
フォークリフトオペレーターは機械操作以外にも倉庫内の荷物整理などで手作業を行うことがあります。デスクワークのように椅子に座ってPCに向かう仕事とは異なり、体を動かして作業する必要があることから体力に自信がある人は向いているといえるでしょう。また、荷物が多い日などは一日中フォークリフトを運転することもありますが、気の緩みは事故につながる危険があります。長時間の作業でも集中力を保てる人が求められます。


段取りを組むのが得意な人
フォークリフトは積載量が決まっています。スピードが出る車両でもありません。一度に多くの荷物を積んだり速度を上げて運んだりすることはできない中で効率良く作業を進めるには、段取りがすべてといっても過言ではないでしょう。できるだけ無駄な作業を発生させないよう、荷物を運搬するタイミングや配置場所を考えるのも大事な仕事です。常に次の作業を念頭に置いて段取りを組める人はフォークリフトの仕事に向いています。
機械操作が好きで安全確認を徹底できる人
フォークリフトはハンドルやレバーを操作して荷物を運搬する機械です。フォークリフトオペレーターはフォークリフトの操作が主な仕事となるため、機械操作が好きな人、運転が好きな人はやっていて楽しいでしょう。また、スピードが出る車両ではないものの、大型機械は一歩間違えれば転倒や接触など事故につながる危険があります。安全への意識を高く持ち、確認を徹底できることも重要なスキルです。
チームワークを大切にできる人
積み下ろし、運搬、積み込みなど、フォークリフトの仕事は一人で黙々と作業するものと思われがちですが、実はチームワークが必要な場面がたくさんあります。倉庫や工場内の仕事は作業工程ごとに複数人で分担して作業を行うため、スムーズに進めるには周囲とのコミュニケーションが欠かせません。また安全性の観点からも声掛けや確認、報告は必須であり、チームワークを大切にできる人には向いています。
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いかがでしたでしょうか。
「一生ものの資格」「食いっぱぐれのない資格」といわれるフォークリフトの資格。取得方法も難しくないため、少しでも興味がある方は取っておいて損はないでしょう。
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